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平成14年9月

1.総務企画部会長報告 (井原 部会長)

総務企画委員会で論議された主な事項について、お知らせ致します。

まず第1点は、私立学校への助成について、拡充の観点から論議を致しました。
私立学校への運営費補助金については、今回の補正予算で6億7千万円、累計で57億円余りを計上しており、助成が進んでいることを評価するが、補助額は学校運営費の現在何%を占めているのかと現状をただしました。
これについて理事者からは、私立学校振興助成法では、国は大学等を設置する学校法人に対し、学校運営費中の経常的経費の2分の1以内を助成することができるとされており、地方公共団体においても同様の助成をすることができるとされている。
昨年度は、運営費補助金の経常的経費に占める割合が、高等学校で45.9%、中学校で37.0%、幼稚園で45.7%、全体では45.3%となっており、2分の1に近い割合となっている。
今後とも、一層の支援に努めてまいりたいとの回答があり、強く取り組むよう要望を致しました。

第2点は、市町村合併について論議致しました。
本県の市町村合併の進捗状況と、このことに対する県の見通しについて理事者に説明を求めました。
これに対し理事者から、市町村合併の動きは一段と高まっており、順調に協議が進められていると認識している。
現在、14地域55市町村で法定または任意の合併協議会が設置されており、全体の約80%で合併協議が進められている。
協議会未設置の地域においても合併の必要性は十分理解されており、平成17年3月の合併特例法の期限を念頭においた取組みが進められているので、今年度中には一定の方向が示されるものと思っている旨の答弁がありました。
また加えて、県は自主自立できる自治体の規模をどう考えているのかとただしたのであります。
これに対し理事者から、県としては、圏域や地域に応じて、住民の日常生活圏の広域化や歴史的、文化的背景等を踏まえた合併パターンを示しており、ある程度広域的な合併を期待している。
このことを参考に、各地域において自主的、主体的な検討を進めていただきたいと考えているが、今後とも、市町村からの相談や要望を踏まえ、合併協議の段階に応じて、できる限りの支援をしてまいりたいとの答弁がありました。

第3点は、文化交流施設整備構想の推進について論議がありました。
このことについて一部の委員から、県民文化会館周辺の文化交流施設整備構想のコンセプトはどうかとただしたのであります。
これに対し理事者から、この地域は、県民文化会館などの文化施設があることや、道後の入口で観光客も多いことなどから「人と文化が行き交う交流拠点の形成」をコンセプトとし、県都の新しい文化交流拠点の形成及び道後の地域性を生かした賑わい創出をサブコンセプトとする構想となっている旨の説明がありました。
このことに関連して駐車場の確保、完成後の施設の運営方法、図書館と賑わいの施設の配置及び図書館の必要性などについて、要望や意見が出されました。

このほか、
 公用車の昼間点灯走行及びエコ・カーの導入状況
 電子自治体に向けた取組み
 松山空港の利用状況
などについても論議を致しました。

2.環境保健福祉部会長報告 (寺井 部会長)

環境保健福祉委員会での主な論議事項

【県民環境部】
○重信町の土壌汚染について
(質問)土壌汚染の対策費用は汚染原因者が負担するのか。
(答弁)土壌汚染防止法では、汚染原因者が特定できる場合は、土地所有者が要した費用を原因者に請求することができる。今回のケースは汚染原因者が特定できているため、原因者に費用負担を要請している。
(質問)今回の事件発覚後の予防対策はどうか。
(答弁)7月に県内35事業所に立ち入り調査を実施し、有害物質の汚水漏洩の有無等について調査したが、問題は認められなかった。

○伊方発電所1号機タービン架台のひび割れについて
(質問)県による現地調査ではどの程度のひび割れを確認したのか。
(答弁)目視できる範囲は全てスケールを当てて確認した。
(質問)コンクリート架台ひび割れの安全評価はどこが実施したのか。また、安全評価は第三者機関が行うべきではないか。
(答弁)安全評価はコンサルタントが実施した。また、現在、四国電力に安全評価結果の報告を求めており、そのうえで国等の専門家に依頼し、安全性を確認するとともに、その結果については公表することとしている。
(質問)ひび割れが指摘されているので、コンクリートの専門家による現地調査が必要ではないか。
(答弁)先日の現地調査は、ひび割れの確認、強度解析等の発表内容の確認である。今後、安全性について国へ協議し、専門家の意見を聞き安全性を確認したい。
(質問)タービン架台にアルカリ骨材反応によるひび割れのあることが明らかになったが、全国的な情報はあるか。
(答弁)コンクリートには一般的に少なからずひび割れは発生するが、アルカリ骨材反応によるひび割れがあるかどうかについては聞いていない。全国的な情報は今後情報収集したい。
(質問)原子力の専門職員を採用してほしいがどうか。
(答弁)本県には原子力を専攻した職員はいないが、原子力関係の研修に参加させるなど、資質の向上に努めるほか、試験案内書類を関係大学へ送付している。今後関係部局と協議を行い、優秀な専門職員の確保に引き続き努力してまいりたい。

その他の論議事項
 ・ダイオキシン対策
 ・地震被害を想定した伊方発電所の安全確認
 ・育児休業の取得促進
 ・地球温暖化対策

【保健福祉部】
○動物愛護センターについて
(質問)センターで取り扱う動物の種類はどうか。
(答弁)犬、ねこがほとんどであり、鳥類も取り扱うこととしているが、動物園にも協力していただくことも考えている。
(質問)犬、ねこの処分数は年間どの程度か。また処分方法はどうか。
(答弁)センターの処理規模は、計画では犬が最大9千頭、ねこが最大で4千頭であるが、実際は、現在、年間6千頭から6千5百頭の犬が処分されている。また、命を慈しむ気持ちから、譲渡できる動物は譲渡したい。譲渡以外の動物は1週間収容した後、ガスで安楽死させ、焼却する。
(質問)犬、ねこの引取りは有料か。
(答弁)無料である。
(質問)センターの配置職員はどうか。
(答弁)14年度は15名程度を考えている。獣医4名、残りは事務職員、業務員である。

○高次医療施設の整備について
(質問)事業化調査の今後のスケジュールはどうか。
(答弁)できるだけ早急に庁内検討委員会を設置し、調査を行う委託業者を決定したい。その後、委託業者からの調査結果をもとに、庁内検討委員会で実務的な調整を行い、来年3月には方向性を出したい。
(質問)財政状況が厳しいため、施設整備が進まないのか。
(答弁)県民医療に効果があり、必要性、重要性は理解している。保健福祉部としてはそのような施設があれば良いのは当然であるが、県全体の財政状況も考えなければならない。事業収支を詰めて、説得力がある財政負担の見通しを示す必要がある。

○母乳中のダイオキシンについて
(質問)県内の初産婦の母乳中に全国平均を上回るダイオキシンが蓄積しているとの新聞報道があったが、このことに対する県の考えはどうか。
(答弁)母乳には、乳児の成長・発達のために良いこと、感染に対する抵抗力が強くなること、母子の情緒安定など、人口栄養では補えないメリットがあるため、母乳哺育を推進すべきと考える。
(質問)この報道による県民の不安解消にどう取り組むのか。
(答弁)厚生労働省が母乳とダイオキシンについてのパンフレットを作成しており、市町村が実施する乳児検診の際に、そのパンフレット等を活用して、県民の不安解消に努めたい。
(質問)不安を持つ母親に対する検査は実施可能か。
(答弁)検査費用が1回当たり30万円から40万円必要と聞いており、現在、県が実施する考えは持っていない。

その他の論議事項
 ・国民健康保険広域化等支援基金
 ・院内感染防止対策
 ・かかりつけ医の定着促進
 ・里親制度
 ・医療保険制度の改正
 ・支援費制度
 ・特別養護老人ホームの入所指針
 ・総合療育センターの整備検討
 ・えひめ学園の改築
 ・補助犬

3.農林水産部会長報告 (仲田 部会長)

まず第1点は本県農林水産業の現状と今後の対応についてである。
農林水産業の従事者数が減少傾向にあるが、愛媛の第一次産業の健全な育成を図るため、今後どのように確保していくのか。
また、近年、県予算に占める農林水産業費が減少傾向にあるが、どう認識しているかとの意見がありました。
これに対し理事者から、従事者数については、新農業ビジョンや林業労働力確保促進基本計画、水産えひめ振興ビジョンなど、各々の中長期計画の中で目標数値を掲げ取り組んでおり、減少傾向にはあるが、現時点では、概ね予測の範囲内となっている。
しかしながら、年々、高齢化が進展していることから新規就業者をはじめ担い手の確保・育成が図られるよう、就労環境の改善支援や各種研修の充実などに積極的に取り組んでいきたい。
また、農林水産関係予算の減少については、公共事業の減少が主たる要因と考えているが、厳しい財政事情の中でもあり、今後は、生産者の経営安定につながるような施策に重点を置いて事業を取捨選択し、必要な予算の確保に努めてまいりたい旨の答弁がありました。

第2点は農薬の安全使用に対する県の取組み状況についてであります。
このことについて全国各地で無登録農薬の使用が問題となっているが、農薬の安全使用に対する県の取組み状況はどうか。
また、不用となった農薬の処理に対する指導及び非農耕地用の除草剤への対策はどうかとただしました。
これに対し理事者から、農薬の適正使用については、従来から、販売業者に対し通達を出して指導する一方、指導者、農業者等に対しても、各種研修会や講習会を開催し指導してきたところであるが、より一層の徹底を図るため、先般、愛媛県農薬適正使用推進協議会を設置し、全ての販売業者への立入検査や農薬の適正使用を図るためのパンフレットの全戸配布、農業団体を通じた農家の自主点検や記帳運動の展開などに取り組んでいる。
また、不用農薬の処理については、産業廃棄物として適正に処理するよう指導しているところであるが、西条市農協をはじめとする農業団体による不用農薬の自主的な回収活動も広がりを見せている。
非農耕地用の除草剤については、農薬取締法の適用外となっているが、食品の安全性を確保するため、農地で使用されないよう、立入検査時に指導している。
なお、国においては、農薬取締法の改正や食品安全委員会の新設など食品の安全確保に対する体制整備を検討しており、県としても、これらの動向を見ながら、適宜適切に対応してまいりたい旨の答弁がありました。

第3点は、森林の機能強化に向けた取組みについてであります。
このことについて京都府では、未整備森林への広葉樹の植林や36年生以上の高齢級人工材の間伐に対する助成など、環境保全を重視した森林整備に取り組んでいる。
また、近年、竹林の拡大による森林機能の低下も危惧されているが、本県の対応はどうか。
さらに、間伐材の有効活用にどう取り組んでいるのかとただしました。
これに対し理事者から、県では、平成13年を「森林そ生元年」と位置付け、水源の森林づくり推進モデル事業や放置林対策等を通じた強度の間伐、下層への広葉樹の植栽など、環境資源としての機能を重視した森林の整備に取り組んでいる。
高齢級人工林の間伐については、切り捨ての間伐なども幅広く補助対象となるよう国に要望しているところであり、制度化を待って積極的に活用し、森林の機能強化に努めてまいりたい。
また、竹林対策については、林業技術センターが、林野庁の委託を受け、侵入防止策の検討や竹資源の有効活用に関する調査を行っているが、現在のところ、竹林の侵入阻止に対する補助制度がないため、公益的機能を確保する観点から、侵入竹林駆除事業の創設を国に強く要望しているところである。
さらに、間伐材の有効活用については、平成13年度に公共施設等木材利用推進方針を定め、公共施設や公共土木事業での幅広い活用、治山・林道事業における木製化粧型枠の利用促進などに努めている旨の答弁がありました。

このほか、
 ○加工原料用果実価格安定対策
 ○みかんの台湾への輸出
 ○農協の決算状況
 ○就農支援対策
 ○漁協合併への取組み
 ○ブラックバス問題
などについても、論議があったことを付言いたします。

4.警察経済部会長報告 (薬師寺 部会長)

審査の過程において論議された、主な事項について、その概要を申し上げます。

まず第1点は、大阪事務所を移転し、今後どのように機能強化を図っていくのか。
これに対し理事者から、新事務所は、これまでの人目に付きにくい4階フロアから1階フロアへと移り、面積も30坪から約60坪に拡充するものであり、一般市民にもアピールできると考えている。
機能に関して、物産面においては、県産品等の展示スペースを拡充するとともに、飽きの来ないよう新商品を中心とした展示を行うなど、「愛媛の物産のショールーム」として充実させてまいりたい。
また、観光面においては、四季折々の愛媛の観光情報のビデオ放映をはじめ、インターネット検索や電光掲示板で文字情報を繰り返し提供するなど、多彩な方法により情報を発信し、一般市民にアピールをしてまいりたい。
このほか、県内市町村や商工、農業関係団体等が、観光、物産のPRをする際には、事務所スペースとビル前の公開空地を一体としてミニイベントが開催できるほか、在阪県人等が気軽に訪れ交流できる「県民交流ラウンジ」や、県内中小企業者が商談等に使用できるコーナーを設置することとしている。
さらには、「県政情報の提供の場」、「企業誘致活動の拠点」としても活用してまいりたい。

第2点は、県立中央病院周産期センターの診療体制について。
新生児集中治療室を備える県立中央病院において、新生児科医師4人が9月末をもって一度に転勤するに至った経緯はどうか。
また、新生児に対する診療体制は維持できるのか。
これに対し理事者から、県立中央病院周産期センターは、総合周産期母子医療センターへの拡充を目指しており、医療レベルの更なる高度化が求められることから、この分野でトップレベルの医師を責任者として招へいすることとし、これまで医師の推薦をお願いしてきた関係大学に対し理解を求めるとともに、引き続きこれまでと同様の協力を要請したが、残念ながら理解が得られず、今回の事態に至ったものである。
専門的な医療を必要とする超未熟児や低出生体重児等の新生児に対する診療体制については、すでに必要な医師4人を確保しており、周産期医療のレベルアップが図られるものと考えている。

第3点は、警察に対する苦情申し出制度についてであります。
平成13年に警察刷新会議の緊急提言を受け、苦情申し出制度が設けられたが、1年が経過して受理件数などその運用状況はどうか。
これに対し理事者から、制度が創設された平成13年6月1日から今年の8月末までに、苦情や意見、要望等661件を受理している。
このうち公安委員会あての苦情が全体の2%に当たる13件で、内容については、「危険運転者に対する指導の素早い対応の要望」、「迷惑駐車の取締まり要望」などがある。
また、警察あての苦情については、警察職員の職務執行や言動・態度が悪いというもののほか、「警察が交通違反で捕まえたから約束の時間に遅れた」など、正当な職務執行に対するものもある。
こうした苦情については、警察が誠実に対応することで解決するものであり、国民の警察への理解を得るための画期的な制度であると考えている。今後とも、県民の意見・要望や苦情を迅速に汲み上げ、職務執行の適正に努めてまいりたい。

このほか、
 アクティブ・ベンチャー支援事業の現況
 障害者の雇用促進
 工業用水計画の見直し
 日本フード愛媛営業部に対する捜査
 四輪車の昼間点灯問題
などについても、論議があった。

5.建設部会長報告 (毛利 部会長)

建設委員会で論議した主な問題

まず第1点は、市町村合併支援道路整備事業について。
県内の合併に向けての動きが活発になる中で、どのような考えで予算配分をするのか。
これに対し理事者から、現在11の地域が合併重点支援地域に指定されており、当初予算で南宇和や宇摩など4地域に配分を行っている。
配分に当たっては、合併市町村内中心部と関係市町村の中心部とを結ぶ道路を重点的に整備することとしているが、具体的な箇所については合併協議会からの要望を受けて、必要性や緊急性を検討したうえで、決定することとしている。
なお、9月補正予算には、整備すべき路線が改良済であったり、大規模な国庫補助事業に取り組んでいる地域は計上していない旨の答弁がありました。

第2点は、県内建設業者の倒産と低入札の状況について。
近年の長引く不況や公共事業費の削減など建設業界を取り巻く環境は厳しいが、県内建設業者の倒産件数はどうか、また、公共事業が減少する中で競争が激化していると思うが、低入札の年間発生件数はどうか。
これに対し理事者から、県内建設業者の年間倒産件数は、昨年は66件、今年は8月末時点では40件であり、昨年同時期の44件とほぼ同じ件数となっている。
低入札の年間発生件数は平成12年度までは年間50から60件で推移していたが、昨年度は150件と約3倍になっており、今年度も既に9月末時点で67件発生しており、昨年度同時期の54件を上回っている状況にある旨の答弁がありました。
また、このことに関連して、一部の委員から、低入札への対応に時間を要していると聞くが、今後の対応はどうかとただしたのであります。
これに対し理事者から、これまで平均して1ヶ月から1ヶ月半程度の調査期間を要しており、工事着手の遅れや事務量の増大などの問題も生じているため、通常の処理期間として、低入札価格審査会に付議する議案の作成までの期間を2週間程度と設定するとともに、その期間内に迅速かつ的確な調査を実施できるよう、入札通知の際、全ての入札参加者に対し、低入札となった場合に提出を求める資料や調査項目等についても併せて通知し、調査日程や調査内容を十分周知し、低入札発生後直ちに事情聴取ができる体制を整えることなど調査手順を改め、10月1日以降に指名通知を行うものから適用することとした旨の答弁がありました。

第3点は、道後公園の利用状況について。
道後公園は今年4月12日に開園し、間もなくオープン半年を迎えるが、利用状況はどうか。
これに対し理事者から、開園以来の湯築城資料館の来館者は約48,800人、1日平均来館者は335人である。
開園当初の4月、5月の595人に比べると減少したものの、夏の暑い時期の来館者を含めた人数であることを考慮に入れると、多くの方々に来館いただいたものと考えている。
また、オープン管理の旧動物園全体の入園者数については、4月から10月にかけて調査した結果を基にした推計では、1日当たり資料館来館者の約4倍程度の入園者数となっている旨の答弁がありました。
なお、このことに関連して、一部の委員から、公園利用者は減少傾向となっているが、今後、歴史イベントの開催やパンフレットの配布等により利用促進を図ってほしい旨の要望がありました。

このほか
 トンネル建設工事におけるJV要件の適用基準
 大規模地震対策
 JR松山駅・周辺整備事業の状況
 新武道館建設工事の進捗状況
などについても、論議があった。

6.文教部会長報告 (岡田 部会長)

10月2日に開催された文教委員会について、その概要を報告いたします。

まず、不登校問題についてですが大前委員から、30日以上の欠席をした不登校児童生徒数が、昨年度は過去最高を記録するなど、由々しき問題となっているが、近年の動向はどうか。
また、その対策が重要となるが、その一つとして、学習意欲のある不登校の児童生徒の家庭に、教員免許を持つ者を派遣して学習させ、出席扱いとするホームスタディ制度が有効と考えるが、本県で導入する考えはないかとの質問がありました。
これに対して理事者から、不登校児童生徒数については、平成4年度は小学校95名、中学校395名の計490名であったが、8年度には小学校207名、中学校743名の計950名に、さらに昨年度には小学校194名、中学校1,029名の計1,223名になるなど、10年前と比べ倍以上となっている。
本県においては、不登校生徒の自立を図るための適応指導教室や、地域ぐるみで取り組む「いじめ問題等対策協議会の地域連絡会議」の開催に加え、教職員の資質向上のための「いじめ・不登校問題教職経験者研修」の実施など、学校、家庭、地域が連携した取組みを推進しているところであり、現時点においては、ホームスタディ制度の導入は考えていないが、今後検討して参りたい旨の答弁がありました。

つぎに人権・同和教育の推進について森委員から、市町村において、人権・同和教育部門が教育委員会から首長部局へ移管される傾向が見受けられることから、人権・同和教育の成果の喪失や後退を危惧しているが、県教委の考えはどうか。
また、特別法の失効に伴い、同和教育推進主任の制度が廃止され、新たに児童生徒支援のための加配教員が配置されたが、人権・同和教育は後退するものではないと考えてよいのかとの質問があり、
これに対し理事者から、人権・同和教育部門の首長部局への移管については、地方自治法の規定により認められているもので、現在のところ、3市1町を把握しているが、さらに1市1町が検討している模様である。
県教委としては、これまで教育委員会が学校、公民館、社会教育関係団体等との連携により積み上げてきた人権・同和教育の成果や学校への直接的な指導機能などが、首長部局への移管によって放棄されることのないよう、市町村の適切な対応が必要と考えている。
また、新たに配置された児童生徒支援のための加配教員は、生徒指導、進路指導、学力向上を目的に、特に対応が必要とされる学校に対して教員を加配するものであり、従って、同和教育推進主任の廃止により、人権・同和教育専属の加配教員はいなくなった。
しかし、これまで同主任が担当してきた業務は、定数内教員の中から新たに人権・同和教育主任を置いて推進することとしており、選任された教員に過度負担をかけないよう学校が市町村教育委員会と十分連携をとりながら体制作りに努めるよう指導している旨の答弁がありました。

第3点は、少人数学級についてですが、全市町村の公立学校において少人数学級を実施する県もあると聞くが、本県の少人数学級編成の実態と、少人数学級に対する県教委の今後の方針はどうかとの質問に対し理事者から、少人数学級編成は、現在、小・中学校併せて69学級である。
小人数化については、教員一人当たりの持ち授業数の増加や、教室の不足等の問題などから、総合的な判断を要するが、国の動向に留意しながら、適切に対応するとともに、きめ細かい指導のための少人数授業についても拡充するよう検討したい旨の答弁がありました。

このほか、
 教員の加配
 歴史教科書の採択
 来年開校する中高一貫教育校
 水産実習船の航海実習
などについても、論議がありました。

尚、当委員会に付託された議案はいずれも原案のとおり可決決定されました。