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平成23年9月

1.総務企画部会長報告 (泉 圭一 部会長)

1)健全化判断比率について
(質問)
監査委員より、平成22年度決算に係る健全化判断比率の各数値は早期健全化基準を下回っているものの、財政状況が依然として厳しい状況にあることから、今後とも歳入の確保や限られた資源を有効かつ効率的に活用した事業執行に取り組むことが望まれるとの指摘がなされているが、このことについてどう考えるのか。
(答弁)
平成22年度まで5年間にわたり財政構造改革に取り組んできた結果、一定の成果を上げているが、財政状況が今後も不透明であることにかわりはない。そのため、引き続き歳入歳出全般にわたる対策が必要であると考えており、現在策定中の新たな行政改革大綱の中で、検討中である。
 特に、歳入の確保に向けては、これまで遊休財産の売払いの促進、県税の徴収率アップ、使用料・手数料の見直しなど、あらゆる手段を講じているが、地方財政は、これら自助努力だけでは対応できない構造的な問題があることから、国に対して、地方消費税のアップをはじめとする全般的な地方税財源の確保について今後とも要望していきたい。

2)高等学校等就学支援金の不適正受給について
(質問)
今年の4月に報道された松山城南高校にかかる当該支援金の不適正受給に対する、その後の対応状況はどうか。
(答弁)
県では直ちに同校から事情聴取するとともに、立入調査を実施して客観的な状況把握を行ったほか、その他の学校に対しても、書面調査を実施したところである。
県としても、昨年度から始まったこの制度の周知に努めてきたところであるが、このような事態が生じており、学校側の理解が不十分なおそれもあるため、不適正受給が問題となった特待生に限らず一般生の状況も含めて確認することとし、現在、すべての学校に対して立入調査を実施しており、各学校での事務処理状況や帳票類を精査したうえで、改めて国と協議して適切に対応していきたい。

3)新しい長期計画の策定状況について
(質問)
新しい長期計画の策定状況はどうか、また、重点戦略方針について、どのような仕組みを考えているのか。
(答弁)
新しい長期計画は、概ね10年後の将来像を描いた「長期ビジョン」と、4年間の取り組みの方向性等を示す「アクションプログラム」で構成することとしている。長期ビジョンは先般発表したところであり、現在はアクションプログラムの策定に向け、事務レベルでの協議を進めている。
また、重点戦略方針については、計画を着実に推進できるよう、社会経済情勢等の変化に対応して、特に力を入れて取り組む施策分野を毎年度明らかにするものであり、県民ニーズを勘案するなど施策の必要性や効果を見極めつつ、全庁的な議論を経て策定することとしており、予算編成と連動した仕組みにより、計画を着実に推進していきたい。

(その他の議論)
 ・職員採用試験広報活動強化事業費
 ・県の業務の外部委託やPFI事業の活用
 ・東日本大震災を踏まえた分権・行革の取組み
 ・愛媛国体に向けた準備状況
 ・スポーツ基本法の制定を受けての本県のスポーツ振興
 ・県民文化会館南側県有地
 ・鉄道の高速化への取組み

2.環境保健福祉部会長報告 (住田 省三 部会長)

1)伊方原子力発電所の安全対策について
(質問)
伊方原子力発電所の安全対策の実施状況や実施予定をわかるようにすれば住民の理解が得られるのではないかと思うが、例えば、水密扉に換えるのに2、3年かかるというのは検証されているのか。また、再起動の判断手続きは不明であるが、ストレステストの進捗状況はどうか。
(答弁)
今回の事故を踏まえた安全対策については、最低限必要な対策は完了しており、他方、信頼性を高める意味での中長期的な対策を行っている。
 水密扉については、2、3年以内に順次50か所程度交換する予定であるが、信頼性を高めるため、出来得ることは前倒しで対応することは重要と考えており、こうした取組みを求めるとともに、その状況を公表していきたい。
また、ストレステストについては、四国電力が10月中ごろには評価書を国に提出し、原子力安全・保安院等で評価・確認するとのことであるので、それらの動きを注視し、伊方原発環境安全管理委員会で内容を審議いただきたい。

2)津波災害対策検討事業について
(質問)
 6月補正予算で計上した津波災害対策検討事業の進捗状況はどうか。
(答弁)
7月26日に第1回津波災害対策検討会を開催し、宇和海沿岸各市町の現状と課題等について意見交換等を行った。また、愛媛大学防災情報研究センターに実地検証を委託し、避難所等の安全性の検証を行うこととしており、現在、実地検証箇所の選定を行っている。さらに、8月25日から27日には宇和海沿岸5市町、愛媛大学防災情報研究センター及び県により東日本大震災の被災地調査を行った。被災地では、被害の状況や津波災害対策に関する情報、防災教育や自主防災組織の活動などについて、各機関から話を聴き、行政として対応すべき様々な課題があることを実感するとともに、多くの教訓を得た。
(要望)
被災地で学んだことばかりではなく、四国の状況にも配慮し、愛媛大学や関係機関と連携して対応を検討してほしい。

3)生食用食肉の規格基準について
(質問)
 生食用食肉に関し、食品衛生法が改正され、10月1日から規格基準が厳しくなったところであるが、どのように取り組むのか。
(答弁)
対象食肉は牛肉のみで「ユッケ」、「牛刺し」、「牛タタキ」である。加工基準は、「肉の表面を削り取るトリミング」に代え、新たに「枝肉から切り出した後、速やかに表面から1cm以上の部分までを60℃で2分以上加熱」することが必要となり、加工は、都道府県知事が実施する講習会の受講者が行わなければならなくなった。8月1日に規格基準案が示されたことから、食品監視の際の啓発や講習会の開催のほか、食の安全安心ホームページやメールマガジン等によって関係事業者に周知を図っている。

(その他の議論)
 ・自主防災組織
 ・原子力防災対策検討協議会
 ・介護職員等たん吸引等研修事業
 ・脳脊髄液減少症

3.農林水産部会長報告 (高山 康人 部会長)

1)愛媛ブランド牛開発プロジェクト事業について
(質問)
愛媛ブランド牛の開発に係る具体的な事業内容、スケジュールはどうか。
(答弁)
ブランド牛の母牛となる繁殖雌牛を、発育の良い大型の牛に改良する。その方法は、鹿児島県等の先進県のトップクラスの雌牛を導入し、受精卵移植技術を駆使して、ブランド牛の母牛を急いで増やしていく。
2つ目は、通常30ヶ月かかる肥育期間を27ヶ月以下に短縮するための飼養技術を開発する。
3つ目は、「ヘルシーさ」と「美味しさ」を併せ持った肉質にするための独自飼料や牛肉の熟成技術等を開発する。
4つ目は、以上の研究開発を行うための牛舎関連施設と肉質検査機器類を整備する。
これらブランド牛の開発を、平成26年度までの4年間で終え、平成27年度からの一般販売に向け、本県の畜産技術者の力を結集し成功に導きたい。
また、開発に当たって立ち上げるプロジェクトチームには、当初から全農えひめや関連飼料会社などの関係者にも参加いただき、各分野の意見等を聞きながら開発を進める計画である。

2)鳥獣害対策の推進について
(質問)
 近年、南予地域を中心にシカの林業被害が増えていると聞くが、シカによる被害の状況はどうか。
また、連携捕獲については、どのように取り組むのか。
(答弁)
県内のシカによる林業被害は、平成22年度が被害面積169ヘクタール、被害量39,669立方メートルとなっており、南予地域を中心に被害が拡大している。
そこで、鳥獣被害対策強化の一環として、10月を新たに鳥獣害防止対策強調月間とし、高知県と、篠山山系などの山あいを中心に連携捕獲を実施するほか、11月15日から12月15日までの間、高知県、徳島県と、宇摩地域で連携捕獲する計画である。
 さらに県内ではイノシシ、ニホンジカを対象に、西条・新居浜山間部、高縄山系南部、旧中山町周辺山間部、鬼ヶ城山系の4地区で、関係市町等が連携して捕獲を進めることとしている。

3)本県水産物の海外輸出について
(質問)
 先日、上海市の関係者が来県され、今後の中国への輸出拡大が期待されているが、今後、県ではどのように取り組んでいくのか。
(答弁)
近年の少子高齢化やライフスタイルの変化により、水産物需要は減少傾向にあることから、国内外において新たな需要を掘り起こすことが必要と考えている。
このうち国外向けについては、南予に設立したナインウェーブが中国輸出に取り組んでいるが、9月13日に、中国で売上高第二位の水産企業「上海水産集団」の会長ほか関係者が来県され、養殖現場の視察や地元企業との意見交換会を実施したところ、販路拡大へ前向きな発言をいただいた。続く17日には、上海市副市長ほか政府関係者が来県され、養殖現場を視察し、本県産水産物の品質の良さや安全性を確認いただくとともに、知事との意見交換を行った。
今回の中国関係者の来県を機会に、中国輸出について積極的に取り組み、商業ベースでの輸出の実現に努めていきたい。

(その他の議論)
 ・TPPの現状
 ・農業振興地域制度
 ・えひめ農業振興プラン
 ・県産農林水産物の大消費地でのPR

4.経済企業部会長報告 (黒川 洋介 部会長)

1)住宅用太陽光発電導入に係る補助制度について
(質問)
 今回創設する補助制度は、住宅用太陽光発電の導入補助を実施している市町に対して、県が補助を行うものとなっているが、市町の補助制度の実施状況はどうか。また、補助制度のない市町への制度創設の働きかけについてどう考えているのか。
(答弁)
市町の補助制度については、補助単価などの内容は異なるものの、現在、14市町において創設されており、残りの6市町、宇和島市、八幡浜市、西予市、久万高原町、内子町、松野町には、補助制度がない状況である。
 今回の県の補助制度創設の狙いは、市町と一体となって導入促進を図るものであり、今議会での予算成立を前提に、先般、全市町を対象とした制度説明会を開催し、住宅用太陽光発電設備の導入支援について協力を依頼したところである。
今後とも、補助制度のある市町には、制度の更なる拡充を、また、補助制度のない6市町には、制度創設を強く働きかけながら、導入促進につなげていきたい。

2)愛媛ものづくり企業『すご技』データベースについて
(質問)
県では、愛媛ものづくり企業『すご技』データベースを構築したところであるが、今後、どのような事業展開を考えているのか。
(答弁)
10月5日から大阪で開催される「関西機械要素技術展」における、本県『すご技』企業9社の出展や、商談会、プレゼンテーションなどの支援を行うとともに、パンフレット等を活用し、積極的に『すご技』データベースのPRに努めることとしている。
 また、11月の「えひめ産業立地2011inOsaka」と、来年1月に東京で開催される「インターネプコン・ジャパン」にも掲載企業が出展するほか、知事の大手商社へのトップセールスなどにより、『すご技』企業の技術力を積極的にアピールし、ひとつでも多く具体的な商談につなげていきたいと考えている。
さらに、金融機関との連携によるマッチングでは、事前に把握した大手企業のニーズに対応可能な県内企業に参加を求めるなど、効果的な取組みを行うことで、多くの成果を出していきたい。

3)県立病院における今後の震災対策について
(質問)
 県立病院における建物の耐震性や震災対策はどうか。また、東日本大震災の被災地支援活動から得られた教訓を、今後どう生かしていくのか。
(答弁)
県立4病院すべてにおいて、「震度6強」の耐震性を備えている。また、各病院とも病院機能が継続できるよう、電気は自家発電装置によるバックアップ体制を整備するとともに、水・医薬品・入院患者用の食料を備蓄している。
なお、今回の大震災の実態を踏まえ、現在、施設・設備等の再検討を行っているところである。
また、県立病院の医療救護班は、宮城県石巻市で医療支援活動を行ったが、得られた教訓は、災害時の医療を所管するセクションを県の災害対策本部内に設ける必要があることや、全国から集まる医療救護班等を的確にコントロールするとともに、各地域の災害医療を統括する「災害医療コーディネーター」を設置する必要があることなどであり、災害医療体制の強化を図るため、これらについて、現在関係部局や医療機関等に働きかけているところである。

(その他の議論)
 ・被災地学校修学旅行支援事業
 ・高等技術専門校整備
 ・省エネ・節電対策
 ・医師不足
 ・小水力発電

5.建設部会長報告 (鈴木 俊広 部会長)

1)伊方原子力発電所から30q圏内の道路の整備状況等について
(質問)
伊方原発から30q圏内の道路の整備状況及び9月補正予算に計上している「地震防災関連道路緊急整備事業費」の内容はどうか。
(答弁)
伊方原発から30q圏内の県管理道路は45路線、延長約631qで、平成22年4月時点の改良率は66.6%である。このうち、緊急輸送道路は13路線、延長約249q、改良率は87.1%である。
また、「地震防災関連道路緊急整備事業費」23億4,570万円の内訳は、伊方原発から30q圏内の県管理道路のうち、原発避難道路としての整備事業が20路線42箇所で9億8,070万円、そして、緊急輸送道路の整備事業が17路線36箇所で13億6,500万円となっている。さらに、この予算には、原発からの広域避難ルートとなる「大洲・八幡浜自動車道」の未着手区間の調査費も含んでいる。br>今後とも、原発避難道路や緊急輸送道路については、計画的かつ重点的に整備を進め、県民の安全・安心の確保に取り組んでいきたい。

2)橋梁の耐震補強等について
(質問)
今回の補正で耐震対策を行う橋梁は何橋で、どの程度の規模の地震に耐えられるものとするのか。さらに、老朽化した橋梁も含め、来年度以降、耐震対策をどのように進めていくのか。
(答弁)
9月補正予算では、「津波避難道路緊急防災対策事業」等3事業で27橋について工事または調査設計などの橋梁耐震対策を行うことにしており、マグニチュード7程度の直下型地震でも落橋等の致命的な被害を受けないような耐震対策を講じることにしている。
今後の耐震対策については、重要性・緊急性の高い1次緊急輸送道路の橋梁については概ね平成24年度までに、2次緊急輸送道路の橋梁については平成20年代後半には完了させたいと考えている。
さらに、老朽化対策については、県では、昨年度末に橋梁長寿命化修繕計画を策定したところであり、対策が必要な橋梁について計画的に長寿命化対策を行うことにしている。

3)土砂災害警戒情報について
(質問)
土砂災害警戒情報の県の関り方及び今年の発表状況はどうか。また、情報は、市町から住民へ確実に伝わることが重要と思うがどうか。
(答弁)
土砂災害警戒情報は、気象台の今後の雨量予測と、県の過去の土砂災害発生時の雨量データ等を分析した上で、気象台と県の協議連携のもと発表している。
情報の発表回数は、19年度の運用開始から今年9月までで43回であるが、そのうち今年度は上半期だけで22回と、19年度以降最も多くなっている。
情報の伝達に関しては、県の防災対策協議会等で市町の役割について周知徹底しているほか、市町のどの区域で災害危険度が高まっているかを周知するため、詳細図面を県のホームページで提供している。
さらに県では、災害時要援護者施設に対し、市町を通じ個別に情報の周知を図っているところであり、今後とも市町と連携して取り組んでいきたい。

(その他の議論)
 ・電子入札システムの不具合
 ・松山市の入札情報漏えい事件を受けての県の対応
 ・道路標識や区画線などの交通安全対策

6.文教警察部会長報告 (徳永 繁樹 部会長)

1)愛媛国体に向けたジュニアの競技力向上について
(質問)
 ジュニアの競技力向上について、これまでの成果をどう捉えているのか。また、スポーツでは、小学生に対する基礎部分の指導が特に重要であり、指導を強化充実することが必要でないか。
(答弁)
成果としては、インターハイでの入賞件数がここ数年伸びてきたことが挙げられる。また、小学生については、普及していない種目を中心に指導活動に助成し、参加者が増えてきている。
 小学生に対して適切な指導を行うためには、競技団体と学校、保護者との情報共有が大事であり、スポーツ少年団や小学校体育連盟との連携を進めている。
県としても、競技ごとの基礎的な情報を収集・整理しており、連携がさらに進むよう取り組んでいきたい。

2)県内の犯罪情勢と犯罪検挙に係る数値目標の進捗状況について
(質問)
 県警は今年、凶悪犯罪や重要窃盗犯、暴力団の検挙目標を掲げているが、犯罪の発生状況はどうか。また、検挙人数等の進捗状況はどうか。
(答弁)
 本年9月末現在の刑法犯認知件数は1万2,226件で前年より393件減少し、8年連続で減少傾向にある。
特に、殺人や強盗などの重要犯罪の認知件数が81件で、前年比マイナス42件と大幅に減少している。
 また、9月末現在の数値目標進捗状況については、凶悪犯罪検挙率100%の目標に対して83.3%の検挙率、重要窃盗犯検挙人数300人以上の目標に対して277人、暴力団検挙人数250人以上の目標に対して177人の検挙となっている。
今後とも、犯罪の抑止対策を進める一方で事件捜査を徹底し、検挙率の向上や凶悪犯罪の検挙に努めていきたい。

3)児童虐待事案について
(質問)
 本県における児童虐待事案の現状はどうか。また、県警と児童相談所等、関係機関との連携はどうか。
(答弁)
 県警が児童虐待事案として認知した件数は、平成18年以降、年間70件前後で推移しているが、本年は8月末現在20件で、前年同期の50件と比べて大幅に減少している。
 県警では、児童虐待に関する通報を受けた場合には、すべての案件について、警察官が現場で児童を直接確認しているほか、確実に児童相談所へ通告して、児童相談所との連携を図っている。
 また、市町単位で「要保護児童対策地域協議会」が設置されており、児童相談所をはじめ、教育委員会や医師会などとも定期的に実務者レベルの検討会を開催しながら関係機関の間で連携を図っているが、今後、歯科医師会などとの連携も前向きに検討したい。

(その他の議論)
 ・県立学校の耐震化
 ・教科書採択
 ・被災地からの修学旅行生との交流
 ・交通死亡事故抑止対策
 ・有害鳥獣駆除と猟銃の許可