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平成20年6月

1.総務企画部会長報告 (毛利 修三 部会長)

1)6月補正予算について
(質問)
 どのような考え方で6月補正予算を組まなかったのか。
(答弁)
 計画的な事業執行を行うために当初予算を年間総合予算として編成し、例えば、その中に原油高騰対策等も盛り込んでいるところである。その後の社会情勢の変化等により予算化が必要となったものについては補正予算を編成するという方針で臨んできたところであり、今回は結果として補正予算を編成しなければならない案件がなかったものである。
当初予算編成時に想定しなかったことが起きた場合、適切に対応するというのが補正予算の役割であると認識しており、今後の社会情勢の変化等を踏まえながら、予算化が必要なものについては、9月補正予算で検討していくことになる。

2)県税収入について
(質問)
 県税収入の今後の見込みはどうか。
(答弁)
 県税収入は平成9年度の1,451億円がピークで、その後減少したあと平成16年度から増加に転じ、平成19年度決算では、税源移譲等もあって、初めて1,600億円を超えることとなった。
しかしながら、平成20年度当初予算計上のための見積をするに当たっては、昨年の秋以降の見込みでは、原材料価格の高騰などにより税収の伸びも期待できないことから、平成19年度決算と同程度の当初予算額としたところであり、今後も厳しい状況にあると認識している。
また、法人関係税については、平成19年度は約83億円伸びているが、好調なのは大企業であって、税収の伸びもそちらに依拠している点は否めない。中小企業については、景気回復基調の中にあっても、依然として厳しい状況であり、業種や地域によってバラつきがあると感じている。
今後の税収見込みについては、法人の中間申告の状況を見極めるとともに、主な企業に対しては聞き取り調査を行うほか、各種の情報等も参考にしながら見通しを立てていくこととしている。

3)地上デジタル放送の整備について
(質問)
 2011年7月までに、テレビが、これまでのアナログ放送からデジタル放送に切り替わるが、今後、情報インフラをどう整備していくのか、また、県として自治体をどのように指導していくのか。
(答弁)
 情報インフラの整備を一挙に解決するのはケーブルテレビの開設が効果的であるが、これには多大な経費がかかる。
このため、県としては、ブロードバンド・ゼロ戦略及び地上デジタル化が国策として進められていることから、国の支援を出来るだけ多く得ることができるよう要望活動を続けており、過疎債、辺地債、地域活性化事業債などの地方財政措置の活用も有効であると考えている。
また、地上デジタル放送への切り替えにより、テレビが見えなくなることのないよう、県として、厳しい財政状況の中ではあるが、何らかの支援をしていく必要があると考えており、その方策を検討するため、6月、市町に対して、ヒアリングを実施した。

(その他の議論)
 ・基金の活用状況
 ・市町村合併に伴う公共料金の調整
 ・愛媛FCの観客数の動向
 ・県民経済計算の集計ミス

2.環境保健福祉部会長報告 (河野 忠康 部会長)

1)地球温暖化防止対策について
(質問)
 本県における温室効果ガスの排出状況と温暖化防止対策への取り組みはどうか。
(答弁)
 県では、平成14年3月に策定した愛媛県地球温暖化防止指針において、平成22年度における温室効果ガス排出量を、平成2年度排出量と比べて6%削減する目標を掲げているが、平成17年度推計値では約23%増加しており、今後の強力な取り組みが必要である。このため、県では、本年6月に、200余りの団体、企業の参画のもとに愛媛県地球温暖化防止県民運動推進会議を設立し、本年を温暖化防止元年として、県民総ぐるみの運動を展開し、機運を盛り上げていくこととしている。
また、家庭を対象とする取り組みとしては、スーパー等の協力のもと、節電に取り組む「えひめエコチャレンジ」、企業を対象とする取り組みとしては、温室効果ガスの排出量を簡単に算定できる排出量算定シートの作成や省エネ診断の支援、ライトダウンキャンペーンの実施など、総合的な温暖化防止対策に取り組んでいきたい。

2)県内の介護サービス事業所の状況について
(質問)
 全国的に、介護サービス事業所の倒産等が増加しているが、県内事業所の経営状況はどうか、また、ホームヘルパーの労働環境の改善対策はどうか。
(答弁)
 本県においても介護サービス事業所数は減少している。経営状況については、国の平成19年度の調査結果によれば、介護老人福祉施設については、職員給与が平成16年度と比較して改善された一方、事業収益に対する収支差の率、いわゆる収支差率は低下している。訪問介護事業所については、職員給与はマイナスとなった一方、収支差率は増加している。
 介護従事者の労働環境については、国では、介護従事者処遇改善法により、平成21年4月1日までに賃金をはじめとする処遇改善を検討するほか、「福祉人材確保指針」において労働環境の改善に取り組むこととており、県としても、介護従事者の職能団体を通じて、現場の意見を吸い上げるよう努めている。

3)児童虐待の現状と対応について
(質問)
 児童虐待の相談対応件数が全国で4万件を超えたとのことであるが、本県の現状と対応はどうか。
(答弁)
 県の児童相談所における相談対応件数は、平成19年度で282件、前年度比21件増であり、内容別には、ネグレクトが43.9%、身体的虐待が35.6%、心理的虐待が20.1%である。主たる虐待者は、実母が63.3%、実父が26.3%である。
 なお、市町が単独で対応した件数は、102件である。
対応件数の増加の理由としては、被虐待児だけでなく、その兄弟もハイリスク事例として積極的に対応した結果と考えられる。
 児童虐待は、殆どが家庭という密室で行われるため、顕在化しにくく、地域住民や関係機関による通告が重要であることから、児童相談所を中心に、関係者の連絡会を定期的に開催してきたが、平成18年度からは、「県警察本部との連絡会」や「市町担当職員研修会」を開催している。
今後とも関係機関と連携をとりながら、児童虐待の早期発見・早期対応に努めていきたい。

(その他の議論)
 ・危機管理を充実するための業務継続計画
 ・伊方原子力発電所の耐震安全性
 ・「三浦保」愛基金の公募状況
 ・後期高齢者医療制度
 ・医療体制の整備
 ・拉致問題への県の取り組み

3.農林水産部会長報告 (赤松 泰伸 部会長)

1)原油高騰対策について
(質問)
 原油価格の高騰が、農林水産業者に深刻な影響を与えているが、どのような対策を講じているのか。
(答弁)
 生産現場においては、省エネ機材の導入や栽培、操業方法の工夫等により燃料消費の節減に努めているが、生産コストが著しく増加する一方で生産物価格への反映が進んでおらず、農林水産業者の経営は非常に厳しい状況にある。
このため、県では国の施策や融資制度などの積極的な活用を促すとともに、生産者の実情に応じた省エネ技術の開発や指導徹底など、今後ともきめ細かな対策を講じ、経営体質の強化に努めていきたい。

(関連質問)
 原油価格の高騰は世界的な問題であるが、対応にあたって生産現場の声を十分聞いてもらいたい。
(答弁)
 今回、一部の農協からヒートポンプの利用しやすい電気料金の設定について要請を受け、直ちに四国電力本社に赴き要望を行ったところであり、今後とも現場の声を聞きながら施策を推進していきたい。

2)えひめ愛フード推進機構における取り組み及び今後のブランド戦略について
(質問)
 平成17年度にえひめ愛フード推進機構を設立して以来、どのようなブランド戦略を立て、今後どのように進めていくのか。
(答弁)
 愛媛の優れた産品が、全国の消費者に認められ支持を得るためには、消費者ニーズに沿った優良品種の開発・生産や販売システムの整備などにあわせて、産地や産品の情報を消費者に直接訴えていく必要がある。
「愛」あるブランド産品は、県内での認知度は上がっているものの、東京や大阪などの大消費地では柑橘を除くと依然として不十分な状況であることから、今後は、やる気のある産地とタッグを組み、個々の産品ごとに卸売業者や飲食店、こだわり食品を扱うスーパーなどの量販店と連携した具体的な戦略を立て、取り組んでいきたい。

3)学校給食などにおけるみかんの洗浄について
(質問)
 学校給食におけるみかんの洗浄回数については、厚生労働省のマニュアルで、7回必要であるとされていたが、全国みかん生産県議会議員対策協議会が、厚生労働省等に対して簡素化を求める要望活動を続けた結果、本年6月に洗浄を省略して差し支えないとのマニュアルの改正が行われた。これにより、さらに、本県産のみかんが学校給食に多く使用されるようお願いしたいと思うがどうか。
(答弁)
 農林水産部では昨年10月に、学校給食への安心安全な県産みかんの提供を求める要請を、市町や農協に対して行ったところであるが、今回のマニュアル改正を受けて、さらに、生産団体や学校給食関係者に県産みかんの利用を働きかけていきたい。

(その他の議論)
 ・農林水産物の海外輸出の促進
 ・畜産・酪農追加緊急対策
 ・温州みかんの価格安定対策
 ・林業の担い手確保

4.経済企業部会長報告 (渡部 浩 部会長)

1)県立中央病院の建て替え事業について
(質問)
 6月末までに3グループから応札があったと聞くが、落札者決定までの審査はどのような観点から行われるのか。
(答弁)
 PFI事業では、県は要求する業務の水準のみを示し、民間事業者が具体的な業務内容を提案する性能発注という方式をとっており、事業者によって提案内容が大きく異なるため、今後、愛媛県立中央病院整備検討委員会等において、施設整備や施設の維持管理、地元企業への配慮など、提案内容の優劣を総合的に審査する。

(関連質問)
 公立病院の建設費の単価は民間病院に比べて割高との指摘があるが、中央病院ではどうか。
(答弁)
 中央病院の建設単価は、主に平成12年以降に建設された民間等14病院の平均から求めたものであり、高度医療や急性期医療を担うための高度な設備を整える必要があることや、災害基幹拠点病院として免震構造の採用やヘリポートの設置なども計画していることから、設定単価は妥当なものと考えている。

2)企業立地の促進について
(質問)
 企業誘致活動が全国で繰り広げられている中、本県の今後の誘致活動の方向性はどうか。
また、国内企業のみならず、海外企業の誘致にも目を向けるべきと考えるがどうか。
(答弁)
 企業の立地情報をいち早くキャッチしたり、業界動向を把握するために、企業訪問を年間1,000件近く実施しており、アンテナを広く張っておくためにも、今後とも地道な訪問活動が重要と考えている。
今後の展開としては、企業立地促進法の基本計画における指定業種をはじめ、高い技術力を持つ企業を中心に企業訪問を行うとともに、企業誘致パンフレットの作成や企業誘致イベントへの参加、新聞広告等の掲載等を通じて、愛媛の魅力や立地環境等について、アピール強化を図っていきたい。
また、本年5月に東京事務所に配置した企業誘致マネージャーは、海外経験もある商社OBであり、国内企業のみならず、外資系企業についても、そのネットワークを活用した誘致活動に積極的に取り組んでいきたい。

3)原油高騰等に伴う中小企業への金融対策について
(質問)
 原油価格や原材料価格が高騰している中、仕入価格の上昇を販売価格に転嫁できない中小企業の資金繰りは非常に厳しいが、その支援等にどう取り組んでいるのか。
(答弁)
 県としては、中小企業への資金供給を円滑に行うことが重要と認識しており、一般資金より低利な「経済変動対策資金」について、今年度、「原油価格高騰等」を名称に追加して目的を明確にするとともに、昨年度と同額の融資枠185億円を確保した上で融資限度額の引上げを行うなど、県単融資制度を強化したところである。
また、地域経済への影響をリアルタイムで把握して対策を検討するため、6月26日に中小企業原油問題等連絡会議を設置し、情報収集体制を整備するとともに、7月4日に原油価格高騰等対策に関する県ホームページを立ち上げたところであり、今後とも中小企業支援機関等と連携しながら、円滑な資金供給等の対策に取り組んでいきたい。

(その他の議論)
 ・県立病院の看護師の採用・退職の状況
 ・西条工水の経営改善
 ・県立三島病院のあり方
 ・地域力連携拠点事業
 ・しまなみ海道10周年記念事業

5.建設部会長報告 (本宮 勇 部会長)

1)土木部における地震防災対策について
(質問)
 東南海・南海地震が、30年以内に50%の確率で発生すると言われているが、土木部における地震防災対策の取り組み状況はどうか。
(答弁)
 本県の土木施設にかかる地震防災対策については、平成8年度から5年毎に「地震防災緊急事業5箇年計画」を作成し、道路事業や街路事業による緊急輸送道路の整備をはじめとして、土石流危険渓流及び急傾斜地等における砂防施設や、海岸保全施設の整備などを計画的に進めている。
 また、6月に行った県の重要施策要望においても、東南海・南海地震対策の推進を最重点項目として地震防災施設の整備促進について、国土交通省等に対し要望したところであり、今後とも、「地震防災緊急事業5箇年計画」に基づき、着実に施設整備を進めていきたい。

2)道路財源について
(質問)
 道路特定財源の一般財源化に対して、県はどう取り組むのか。
(答弁)
 本県では必要な道路はまだたくさんあり、国からの補助を含めて道路予算が減らないよう国に対して要望していくことが重要であり、県においても効率的に整備等を進めなければならないと考えている。
 自動車ユーザーが特定財源として税金を支払っているにもかかわらず、道路以外にどこまで使うのが適正なのか、議論が不十分と思われるが、仮に道路整備以外に使うのであれば、高速道路料金の値下げを含め道路関係に使わなければならないと考えている。
今後も、南予延伸を含め道路を整備する必要性は強く、今回の一般財源化の中でも、道路整備の予算が十分確保できる方向で、国に対して要望していきたい。

3)橋梁の長寿命化について
(質問)
 橋梁の修繕計画はどうか。
また、早期補修による費用削減効果をどの程度と見積もっているか。
(答弁)
 本県の橋梁は、近い将来急激に老朽化することが想定されるため、橋梁の安全性確保、今後の維持修繕費用のコスト縮減及び橋梁の長寿命化を目的とし、平成18年度から22年度までの5ヶ年で修繕計画を策定中である。
 また、平成18、19年度の2ヵ年間で緊急輸送道路上の1,087橋を優先して点検し、損傷度に基づき将来の劣化予測等を行い、財政状況も考慮しながら、適切な時期に予防保全を行う「橋梁長寿命化修繕計画」をとりまとめたところである。これまでの対症療法的な修繕や架け替えを行う「従来手法型」と比較し、損傷が軽度なうちに早めに修繕を行い長寿命化を図る「予防保全型」にすることにより、今後50年間の修繕費用を、概ね4割程度に縮減できる。

(その他の議論)
 ・しまなみ海道の通行料金引き下げ
 ・高速道路の南予延伸
 ・年間維持工事

6.文教警察部会長報告 (戒能 潤之介 部会長)

1)県立学校再編整備計画(案)について
(質問)
 計画を策定するに当たり、地域への説明と意見聴取の状況はどうか。また、通学不便地における保護者の負担軽減対策はどうか。
(答弁)
 計画(案)の策定に当たっては、県立学校再編整備計画検討委員会から報告のあった再編整備基準に基づき、今後の中学卒業生数の推計や動向、通学環境等に加え、再編整備の対象となる高校の校長や関係自治体の教育委員会からの意見も参考に取りまとめたものであることから、当事者や地域の意見も反映したものであると考えている。
 また、島嶼部等の通学不便地にある高校を募集停止とする場合は、その地域の子供達が最寄の県立学校に通学するために必要な交通費や下宿費などに対する補助制度の創設を考えているが、具体的な内容については、今後、他県の事例等を参考に、実際に募集停止となる学校の状況に即した補助制度となるよう検討したい。

2)教員の採用について
(質問)
 平成21年度教員採用選考試験の志願状況はどうか。また、採用選考試験で加点制度を利用して採用された教員の配置状況はどうか。
(答弁)
 平成21年度教員採用選考試験の出願については、6月16日に締め切ったが、小・中・県立学校教員の志願者数は1,806名と昨年より102名の減で、倍率は約8.2倍となっている。
また、平成19年度教員採用選考試験からスポーツや文化・芸術、取得免許、英語能力が高い者等に対して、加点する制度を導入しているが、加点された教員の配置については、例えば、スポーツで実績を持っている教員を、部活動における競技力の向上や優秀な指導者の後継者育成を目指す学校へ配置したり、特別支援学校教諭の免許を有している者を特別支援学級がある学校へ配置するなど、加点された教員がその専門性が発揮でき、特色ある学校づくりに貢献できるよう配慮した配置に努めている。

3)損害賠償請求事件の和解事案等を踏まえた再発防止対策について
(質問)
 新居浜署及び宇和島署における損害賠償請求事件の和解事案等を踏まえ、県警は再発防止に向けてどのような対策を講じているのか。
(答弁)
 今回の事案を教訓にして、誤認逮捕事案については、より一層適正な捜査を推進していくとともに、取調べの適正化施策にも十分配意した対応を行い、今後このようなことがないよう、全警察署の捜査員に対し指導を徹底している。また、ヤミ金融被害の告発不受理事案についても、事案発覚後、直ちに全警察署に告訴・告発事件の取扱いを適正に行うよう指導したほか、今年度に入っても引き続き、県内全署に本部担当課による巡回指導を行うなど、再発の防止を図っている。

(その他の議論)
 ・学校給食の安全性と地場産物の活用
 ・インターネットによるいじめ問題
 ・県立学校の耐震化
 ・警察職員の交通事故防止対策
 ・インターネットによる犯罪予告や違法
 ・有害情報への対応