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平成23年2月

1.総務企画部会長報告 (明比 昭治 部会長)

1)文化・スポーツ事務の知事部局への移管について
(質問)
 今回提案された条例議案により、文化とスポーツに関する事務を知事部局に移管するということだが、文化に関する業務を移す理由は何か。
(答弁)
 もともと文化・スポーツ行政については、法律の規定に基づき、教育委員会が所管することとされているが、平成20年4月の法律改正により、地域づくりという総合的な観点から、知事部局で所管することが可能となったため、その趣旨に基づき、今回移管しようとするものである。文化は地域の歴史や伝統にかかわりが深く、地域の活性化を図るためには、文化やスポーツの振興が欠かせないことから、他の地域振興施策と一体的に推進することが好ましいと判断したためである。
 なお、スポーツのうち学校体育に係るものと文化財の保護の所管については、教育委員会に残しているが、これは知事部局へ移管できない旨が法律に明記されているためである。

2)市町との人事交流の拡充について
(質問)
 本会議において、この4月から人事交流が拡充する見込である旨の答弁があったが、これまでと変わった点は何か。また、この人事交流の拡充にどのようなことを期待するのか。
(答弁)
 一般的な人事交流としては、これまで市町からの実務研修という形での実施が中心であり、現在、市町の給与負担により、10市町から12名に来てもらっている。今回、基礎自治体重視の県政運営を進め、県と市町の連携を深めるため、互いの給与負担のもと、相互に人事交流を実施する形での取組みを呼びかけた結果、現在のところ10市町から19名の相互交流の申し出があり大幅に拡充する見通しとなっている。
 この相互交流により、県職員は行政現場の第一線を経験でき、市町職員は広域行政に携わるといったメリットがあることから、その相乗効果を期待している。

3)新しい長期計画について
(質問)
 本会議において、県民を対象としたアンケート調査の実施や、知事が自ら地域に出向き市町や各界、各層の代表者と胸襟を開いて話したい旨の答弁があったが、具体的な内容はどうか。
(答弁)
 県民アンケート調査については、1月末から2月中旬にかけて2,000人を対象に実施し、半数以上の1,084人から回答があった。回答結果を集約すると、多くの県民が暮らしに満足しており、恵まれた自然環境のもと、今後も住み続けたいとする一方、老後や今後の収入に悩みを感じているほか、今後重要な施策として医療・福祉関係に加え、雇用対策を挙げる県民が多くなっている。
 また、今回は、地方局ごとに、知事自ら出向き、地域で活躍している方々から直接、意見を聞くこととしているほか、県議会議員からもポイントごとに意見を伺うことにより、県民主役、民意反映を第一に、新しい長期計画を策定していきたい。

(その他の議論)
 ・組織改正の基本的な考え方
 ・包括外部監査
 ・県・市町一体行政の推進
 ・「知事とみんなの愛顔でトーク」実施事業
 ・格安航空会社への対応
 ・高速道路の新料金制度の評価

2.環境保健福祉部会長報告 (徳永 繁樹 部会長)

1)防災士の養成について
(質問)
 災害対応は各市町においても大切なことであり、その中で県が防災士を養成し、増加させる取組みは重要であると考えるが、どのように取り組んでいくのか。
(答弁)
 現状として防災士の数は、松山市のように千人以上いる市もあれば、数人しかいない市町もあり、バラツキがある。防災士の資格を取得するためには、一人当たり約61,000円の経費や、3日間の受講が必要であることから、財政状況が厳しい市町では、公費負担が困難であり、また、県内では講習会が3年連続で松前町で開催されたが、県境の市町では参加することが難しかったなどの問題がある。
 県としては、全市町に均等に防災士を増やしたいと考えており、県内の地方局・支局単位の5か所で県主催の養成講習会を開催し、平成23年度から3年間で1,500人程度を養成し、地域防災力の向上につなげたい。

2)有害鳥獣捕獲事業について
(質問)
 増額されたイノシシ等有害鳥獣総合捕獲事業の内容はどうか。また、有害鳥獣捕獲について、庁内の関係課による推進組織はどのような組織になるのか。
(答弁)
 イノシシ等有害鳥獣総合捕獲事業は、市町がイノシシ、ニホンジカ、ニホンザルなど有害鳥獣を買い上げる経費について、補助するものであり、農林被害が拡大したことにより、事業の強化を図ったものである。
 本事業では、ニホンジカについて、森林環境税を活用して増額し、イノシシについては、農林水産部担い手対策推進室が、約500万円を計上し併せて実施することとなる。また、推進組織については、農林水産部の担い手対策推進室、森林整備課や自然保護課等関係各課が連携し、部局横断的に、被害対策や捕獲について効果的に事業を進めていく。

3)地域医療の確保について
(質問)
 医師確保のための奨学金制度と奨学生の状況、医師不足診療科への対応はどうか。また、結婚や出産を契機に離職した潜在看護師の活用に向けた対策はどうか。
(答弁)
 医学生に入学金と6年間の授業料等を貸与し、卒業後9年間、知事指定医療機関に勤務すると返済が免除される制度を21年度からスタートした。
22年度までに26名に貸与を行っており、23年度入学生の17名を加え、合計43名の奨学生を確保したところである。
 また、現在、愛媛大学との間で、奨学生医師の研修プログラムについて検討・協議を行っており、その中で、医師不足診療科への配慮をお願いしている。
 また、潜在看護師の活用対策としては、院内保育事業への支援のほか、緊急雇用創出事業を活用し、潜在看護師の復職支援のため、6か月間の雇用に係る経費を助成し、その後の雇用継続につなげていく人材養成事業を実施し、今年度は9施設で18名の新規雇用を確保したところである。
来年度以降も事業を継続し、潜在看護師の発掘と定着に努めていきたい。

(その他の議論)
 ・新しい公共支援事業
 ・廃家電等不法投棄集中対策事業
 ・ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチン
 ・えひめ結婚サポート強化推進事業

3.農林水産部会長報告 (住田 省三 部会長)

1)首都圏に向けた県産農林水産物のPR強化について
(質問)
 首都圏に向けた県産農林水産物のPRのため、東京に設置する情報発信基地の具体的な内容はどうか。
(答弁)
 具体的な内容は企画コンペを実施し、民間の知恵を取り入れて固めることとしているが、想定としては、都心の若者や女性に人気のあるカフェを、外装はもとより、内装やユニフォームに至るまで、店舗全体を愛媛カラーで統一し、観光PRも含め、産品だけでなく、愛媛自体のイメージも高められるような情報発信をしたいと考えている。
また、「愛」あるブランド産品や各市町の推奨産品など、旬の食材の紹介だけでなく、多様な柑橘を使った生絞りジュース、ジャコカツバーガーなど、食べ方提案や新たなメニュー開発も行うとともに、生産者や市町をはじめ民間企業との連携も視野に入れながら、従来のメディアに加えネットメディアを活用した積極的なPRを展開したい。

2)農業の6次産業化について
(質問)
 6次産業化法が施行され、農業所得の向上が期待されるが県の取り組みはどうか。
(答弁)
 6次産業化法では、農林漁業者が6次産業化に取り組む際の事業計画を策定し、大臣から認定された場合には、プランナーによるフォローアップや無利子融資資金の償還期限の延長等のメリットがある。県としては、国とも十分に連携をとって、6次産業化を進めていきたいと考えている。
また、県独自の取り組みとしては、平成23年度から新たに「6次産業化産地ステップアップ事業」を実施し、流通販売改革や新たな経営モデルの創出に取り組むこととしており、具体的には、6次産業化に向けた計画策定や加工品の開発、必要な機械施設の整備等を支援し、販売力の強化や経営の安定を目指したい。

3)水産物の中国輸出について
(質問)
 本県水産物の中国輸出が開始されたと聞くが、これまでの輸出実績と今後の見通しはどうか。
(答弁)
 南予に設立した輸出共同企業体の活発な営業活動により、本年1月17日に松山空港発の上海定期便を活用した輸出が実現したものである。この輸出は朝にしめられた魚がその日の夕刻には中国で食されるという新たなビジネスモデルとして非常に高い評価を得ている。
実績としては、1月にブリが100キロ、タイが15キロ、2月は、ブリが400キロ超、タイが35キロ超で、これまで合計500キロを超える輸出を行ったところである。
今後は、定期便の運行に合わせて、毎回、ブリを65キロ輸出することが決まっている。
また、養殖魚だけでなく、天然物のサバ等の引き合いもあり、さらには、マグロについても3月末には輸出が開始される見込みである。

(その他の議論)
 ・TPP関連問題
 ・鳥獣害防止対策緊急事業
 ・国際森林年と森林保全
 ・浜のブランド化推進モデル事業

4.経済企業部会長報告 (泉 圭一 部会長)

1)愛媛の若者「就活力」向上支援事業について
(質問)
 若者の就職活動を支援するためどのように取り組むのか。
(答弁)
 この事業は、「情報収集力」「行動力」「ストレス耐性」等に課題を抱え、就職できない若者の「働く意欲と能力」の向上を図るために創設したもので、ネット上での仲間づくりやメール相談、就職支援関連情報の提供など、連携意識の醸成や情報共有による就活意欲の強化を図る「就活倶楽部」と、行動力やプレゼン力の向上を図り、企業が求める人材を育成し、マッチングに結びつける「就活道場」で構成している。
 また、こうした取組みの成功事例を企業に情報発信しながら、新たにキャリアコンサルタント2名及びコーディネーター1名を設置のうえ、企業が若者やフリーターに抱いているマイナスイメージを払拭し、一人でも多くの採用につなげたい。

2)愛媛の優れたものづくり技術情報発信事業について
(質問)
 知事の公約にも掲げられている、東予の企業の優れた技術力の発信について、具体的にどう取り組むのか。
(答弁)
 地域産業の振興を図るためには、愛媛の産業を支える企業のモチベーションを高め、ポテンシャルを引き出し、対外的にアピールすることが重要であり、まずは県内の優れたものづくり企業の技術力等の情報を収集し、データベース化することとしている。
データベース化に当たっては、専門的・技術的なものに偏りすぎることなく、「オンリーワンの技術である」、「トップシェアを有している」といったアピールポイントを強調するような形で情報整理し、ホームページで公開するほか、知事のトップセールスに活用したいと考えている。
 また、これら技術情報を基に、注目度の高い展示会に県ブースを出展して、ここでもトップセールスを展開するなど、優れた愛媛のものづくり産業をアピールすることで、ビジネスチャンスの拡大につなげたい。

3)公営企業における企業債の状況について
(質問)
 企業債残高はどのように推移しているのか。また、利息負担の軽減に対する取組みはどうか。
(答弁)
 平成23年度末における残高は、予算ベースで、電気事業会計が41億円、工業用水道事業会計が87億円、病院事業会計が229億円で、合計357億円となる見込みである。
 近年は、大規模な投資を行っていないため、企業債残高は徐々に減少しており、過去5年間で約3割減少した。
 また、高金利の企業債については、国が一定条件のもとで負担軽減策を実施しており、制度上認められるものについては積極的に活用してきた。
 平成11年度以降、30件を超える繰上償還と低金利債への借換えを実施し、13億円の利息軽減を図った。

(その他の議論)
 ・宇和島圏域観光振興イベント実施事業
 ・健康ビジネス創出支援事業
 ・未就職者の雇用対策
 ・県立中央病院整備運営事業
 ・県立南宇和病院の二次救急医療体制確保のための住民啓発

5.建設部会長報告 (鈴木 俊広 部会長)

1)山鳥坂ダム水源地域生活基盤緊急支援事業費について
(質問)
 当支援事業については、大洲市と一緒になって水源地域住民の生活を支援していくという事であるが、具体的な内容はどうか。
(答弁)
 緊急を要する生活に身近な問題に対処するため、敷水地区の水道整備と水源地域内の防火水槽の設置を行うもので、水道整備については、23年度は生活用水の安定供給に支障が生じている老朽配管の敷設替え等を予定しており、市の事業費7,000万円に対し、県では2分の1の3,500万円の補助を行うこととしている。
 また、防火水槽は、火災などの緊急時に対応するため、2ヵ年で各3基ずつ計6基を設置するもので、23年度は市事業費1,050万円に対し525万円を補助する。これに加え、県事業としては、県道小田河辺大洲線の維持管理のため、当事業で500万円を確保し、舗装修繕など、地元要望にきめ細かく対応することとしている。

2)高速道路の新料金制度及び無料化社会実験について
(質問)
 国土交通省は2月に新たな料金割引を発表したが、本県においてどのような影響があると考えているか。
また、無料化社会実験について、四国における来年度の予定はどうか。
(答弁)
 新料金案は平日にも上限料金制が導入され、普通車以下の料金面では九州や本州との地域間格差が縮小され、本県の経済面や観光面にとっては何らかのメリットがあると考えている。
一方、本州・四国間でフェリーを利用した場合、乗継特例割引が導入されるとはいえ、高速道路と競合するフェリーなどの交通機関には大きなダメージを与えるのではないかと懸念している。悪影響が出る分野については、国の責任において迅速かつ適切な支援を行うよう、引き続き他県とも連携をとりながら要望していくが、抜本的には、国において早期に総合的な交通体系のビジョンを示すよう働きかけていきたい。
また、四国内での無料化社会実験について、国の発表では、現在の区間で継続を基本とするが、6月までの結果に基づき再度検討することとなっている。なお、夜間大型車無料化社会実験については、該当区間はない予定である。

3)一括交付金等、新年度政府予算案への対応について
(質問)
 国の一括交付金を含め、23年度の政府予算案に対し、県としてどのように対応したのか。
(答弁)
 現在、参議院で審議されているところであるが、国土交通省関係の23年度の政府予算案は、一括交付金として内閣府に移行する金額を含め、対前年比96%となっている。22年度は15.2%削減、23年度は正確には4.2%削減となっており、本県社会資本整備の更なる遅れや、建設業界をはじめとする地域経済への悪影響が懸念される。このため、緊急経済対策として45億円を別枠で追加し、県単独事業については、対前年比153.3%と大幅に増額した22年度予算とほぼ同額程度、前年比で言うと101.5%を計上し、昨年に引き続き国の公共事業の大幅削減の影響を最小限にとどめ、県民の安心・安全の確保に努めることとしている。

(その他の議論)
 ・土砂災害防止施設の整備状況と今後の方針
 ・建設業の再生支援
 ・フェリー支援のための港湾施設使用料等の減免

6.文教警察部会長報告 (高山 康人 部会長)

1)高等学校授業料無償化について
(質問)
 昨年4月から高等学校授業料の無償化が実施されているが、奨学金の採用状況など本県への影響はどうか。
(答弁)
 今年度の新規の奨学金の採用者は、授業料の無償化の影響もあり、昨年度の約8割に留まっており、今年度から実施した貸与額選択制では、約2割の奨学生が限度額を下回る額を選択するなど、奨学金貸与の需要額は減少している。
 授業料の無償化については、経済的に助かったという声がある反面、制度導入により、授業料の減免率を全国一律に計算することになったため、本県では、以前と比して、約1億2,000万円程度の収入減となる見込みである。
なお、昨年も、制度を導入した国の責任において、従前の授業料収入が確保されるよう要望してきたところであるが、今後も引き続き、全国都道府県教育長協議会等を通じて、新たな財政負担を地方に転嫁することのないよう国へ要望していきたい。

2)愛媛国体について
(質問)
 平成29年開催の愛媛国体に向け、会場地が未選定となっている競技の検討状況はどうか。
また、国体参加資格違反問題に関する報道があったが、本県の基本的なスタンスはどうか。
(答弁)
 愛媛国体で実施予定の38競技のうち、現時点で、会場地未選定の競技は、水泳などの5競技であり、いずれも国体基準に見合った施設が県内にない。
 現在、関係競技団体と会場地の選定に向け協議中であるが、国体開催内定という一つの区切りとなる平成24年度中を目指して会場地を選定できるよう、順次検討し、方向性を探っていきたい。
 また、競技力向上対策基本計画等で、愛媛国体での総合優勝を目指すこととして競技力向上対策に取り組んでいるが、愛媛国体の基本方針で「手づくりの国体」という理念を掲げており、地元選手の頑張った結果がいい成績につながり、県民が感動していただけることが大切だと認識している。

3)街頭防犯カメラの設置拡充について
(質問)
 今回の2月補正予算に、子ども女性見守り防犯カメラ整備費が計上されているが、街頭防犯カメラの設置拡充に向けた今後の方針はどうか。
(答弁)
 犯罪抑止等のため警察官による警戒警らや防犯ボランティア団体等による自主パトロール活動を強化、支援しているところであるが、その数や活動には限界があり、対応できない時間帯や場所等が存在することなどから、街頭防犯カメラの大幅な増強が必要と考えている。
街頭防犯カメラの整備については、今後、犯罪抑止効果とプライバシー保護との調和を図りながら、国や知事部局はもとより、民間企業、事業者にも積極的に働きかけ、県民の安全を確保するために、設置拡充に努めていきたい。

(その他の議論)
 ・県立学校の耐震化
 ・学校・家庭・地域連携推進事業
 ・小中高校生の英語力の向上
 ・猟銃等講習会及び猟友会の活性化支援
 ・少年の非行防止と立ち直り支援