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平成15年12月

1.総務企画部会長報告 (寺井 部会長)

1)市町村合併について
(質問)
 合併前の駆け込み事業など、合併の目的である行財政改革の観点からどうかと思う事例が見受けられるが、これに対する県の指導はどうか。
(答弁)
 各市町村が、住民の生活向上のために、色々なことをやっておきたい気持ちはわかるが、合併前の事業の前倒し実施等は、将来の新市町の財政負担等を招くことにもつながり、あまり好ましくない。実施する場合でも、合併協議を進めている他の市町村の確認も得て、お互い納得のうえ、進めるべきと考えている。
 また、合併協議会には、地方局長も委員あるいは顧問として参画していることから、合併前の事業に対しては、本庁と地方局が連携しながら、関係市町村の間でお互い納得のうえ円満に進めるようお願いしている。
 今後、必要な場合には、県としても、もう少し踏み込んだアドバイスをしてまいりたい。
(要望)
 合併協議会から離脱した町に対しても、合併推進と同様に、調整や指導をしていただきたい。

2)行政評価について
(質問)
 財政状況が厳しい中、予算の削減理由の一つに行政評価の指摘があるが、事業効果や実績、成果などの判断は、どのように行われているのか。
(答弁)
 行政評価システムの目的は、県の行政活動におけるプラン(Plan)、ドゥー(Do)、シー(See)のマネジメントサイクルを再構築し、成果重視の県政への転換を図るととともに、事務事業の重点化や見直しを行うことにより、県民ニーズに対応した効率的かつ効果的県政を推進し、説明責任の徹底や行政の透明性の確保などによる開かれた県政を推進することである。
 評価にあたっては、できるだけ客観的な評価基準を設けて実施しており、各部局はその結果を尊重し、無駄があればスクラップすると同時に、重点化が必要なところへシフトするなど、よりよい施策の実施につなげるよう努めている。

3)上海定期航空路線の開設に向けた取組みについて
(質問)
 来年春までの運航を予定しているチャーター便の現在の利用状況と今後の見通しはどうか。
 また、路線維持には中国からの集客が必要だが、どう考えているのか。
(答弁)
 初便から12月末までの搭乗率は、予約を含め8日現在で、55%となっているが、年末までには、目標搭乗率の60%は超えられるのでないかと期待している。
 1月以降については、最近、募集を始めたところで数字は出ていないが、団体等が1機を借り切るという動きもあり、今後、搭乗率が確保されることを期待している。
 また、中国からの集客については、現地の渡航事情もあり、将来的な課題と考えているが、路線の維持については、70社を超える県内企業の中国事務所の「ビジネスマン」や中国人研修生を含めた「在県中国人」の方々の往来によって基礎的な需要が見込まれ、これに、県内の観光需要を喚起すれば、利用者数は確保できると考えている。

(その他の議論)
 ・外部監査
 ・海外技術研修員等の受け入れ
 ・電子自治体の構築と個人情報保護

○請願第13号、請願第14号、請願第15号、請願第17号‥‥不採択

2.環境保健福祉部会長報告 (薬師寺 部会長)

 当委員会に付託されました議案の審査結果は、いずれも原案のとおり可決決定されました。
 以下、審査の過程において論議された主な事項について、その概要を申し上げます。

 まず第1点は、在宅介護研修センターの研修計画についてであります。
 このことについて一部の委員から、現時点の計画における在宅介護研修センターの年間研修参加人数の見込みはどうかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、庁内に設けた在宅介護研修センター設置検討委員会がまとめた今後10年間の研修目標としては、戦後生まれのいわゆる団塊の世代が12年後には65歳以上となることも踏まえて、年間で介護ボランティアを約1,000人、介護家族を約1,000人から1,500人、介護関係施設従事職員を約240人程度としている旨の答弁がありました。
 また、このことに関連して一部の委員から、在宅介護研修センターで行われる研修内容はホームヘルパー資格取得研修と比べてどうかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、例えば、ホームヘルパー3級資格については講義と演習と実習で合計50時間の研修を必要とする。
 在宅介護研修センターで行う研修は資格取得を目的としたものではないが、同一施設内に研修施設と介護サービス施設を併設して、実習に重点をおいた実践的な研修を行っていきたいと考えている旨の答弁がありました。

 第2点は、児童虐待の現状と対策についてであります。
 このことについて一部の委員から、最近、県内における児童虐待の報道が相次いであったが、県内の児童虐待の現状はどうか、また、児童虐待の防止にどのように取り組んでいるのかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、県下3箇所の児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談件数は平成12年度が98件、平成13年度に112件、平成14年度は124件と年々増加しており、今年度も10月末現在で84件であり、増加傾向である。
 虐待を受けた児童の約6割が5歳までの未就学児童であり、最も頼るべき実父母からの虐待が約8割を占め、身体的虐待が半数以上となっている。
 児童虐待防止対策としては、これまで児童虐待の早期発見・早期対応を図るため、児童相談所が中心となった関係者との連絡会を開催したり、地域連絡網を充実するとともに児童相談所の機能強化を行っているところである。
 今後とも虐待に関する一層の意識啓発を行うとともに、これまでにも増して社会福祉・保健医療・教育関係者と緊密な連携をとって児童虐待の早期発見・早期対応を図ってまいりたい旨の答弁がありました。

 第3点は、玉川町の硫酸ピッチ流出事案の対応の現状についてであります。
 このことについて一部の委員から、玉川町で硫酸ピッチの流出が発覚してから、その後の対応の経緯はどうか、また、警察へ告発したが、捜査状況はどうかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、硫酸ピッチ流出事案のこれまでの主な経緯としては、8月7日に流出が発覚、翌8日に玉川町が水質検査、同月22日に県が敷地の土壌検査を実施し、その後2回目の水質検査と土壌検査を行っている。
 そして、9月5日に地元説明会、同月19日に硫酸ピッチの撤去・処分を求める県報告示を行うとともに、不法投棄行為者を特定しないまま廃棄物処理法違反容疑で今治警察署に告発した。
 その後、告示期限の10月10日までに不法投棄行為者が特定されなかったので、同月14日に行政代執行の実施を決定、同月24日に地元説明会を行うとともに、同月30日に行政代執行を開始、12月11日には現場での中和・撤去作業を無事完了し、12月8日からは県廃棄物処理センターで約400トンの焼却を行っているが、処分には来年3月末まで要する見込みである。
 また、捜査状況については司法に委ねていることから差し控えたい旨の答弁がありました。

このほか、
 医療技術大学における外国人留学生の受入れ
 国民健康保険料収納の状況と対策
 乳児健診の実施状況
 テロ対策の現状と危機管理を専門に担当する職の設置

などについても論議があったことを付言いたします。

最後に、請願について申し上げます。
 請願第18号は、願意を満たすことができないとして、不採択と決定いたしました。

 以上で報告を終わります。

3.農林水産部会長報告 (岡田 部会長)

12月議会委員会の委員会報告をいたします。

 まず第1点は、光センサー選果機問題についてであります。
 このことについて自民党高門委員が、国が補助金凍結解除の要件としている再発防止と、そのための適正な執行体制の確立について、具体的にどうすればよいかとただしました。
 これに対し理事者から、補助事業を執行するについては、意識改革も必要であるが、チェック体制の確立が最も重要である。県においては、補助事業を実施するに当たり、改めて踏み込んだ指導・検査をしていきたい旨の答弁がありました。
 また、このことに関して、光センサー問題により、農家のJAに対する不信感が強くなる中で、来年度の新しい事業が遅滞することは大変なことである。県において、事業再開に向けての積極的な対応を願いたい旨の要望がありました。

 第2点は、新たな米政策についてであります。
 このことについて笹田委員が、16年度より米の生産調整が大きく変わるが、本県の配分数量はどうかとただしました。
 これに対し理事者から、今年の夏の低温被害により、全国の作況は90と著しい不良となり、16年度は、生産目標数量857万トンとされた。
 このうち本県には、生産目標数量約8万4千トン、作付面積に換算すると約1万8千ヘクタールの配分となり、数量、面積ともに本年度実績より拡大する見込みである。
 今後、県水田農業推進協議会において、県内各市町村に数量を配分して、市町村から生産者に数量と市町村が設定する単収で換算した作付面積が通知されることになると答弁がありました。

 第3点は、みかんの需要拡大についてであります。
 このことについて佐々木委員が、県民に対して、みかんの需要拡大のために、どのような協力を求めていくのかとただしました。
 これに対し理事者から、地産地消の趣旨に賛同する生産者や消費者、流通加工業者などを「地産地消・愛あるサポーター」として登録を開始する予定であり、サポーター認定シールの交付や産地情報の提供を通じて、みかんを含む県産農産物の消費拡大に向けた支援を求めていきたい旨の答弁がありました。
 このことに関連して価格動向に対しての質問がありました。
 これに対し理事者から、京浜市場の販売価格は、当初は平均価格が200円台と過去の表年を上回る順調な状況であったが、その後、暖冬による消費の減退などの影響がみられ、11月下旬時点の平均販売価格は、キログラム当たり177円となり、表年であった13年産を下回る状況ではないが、厳しい価格動向になっている旨の答弁がありました。

このほか、
 野菜の価格動向
 新品種キウイフルーツの生産

などについても、論議があったことを付言いたします。

 最後に、請願第16号は、願意を満たすことができないとして、不採択と決定いたしました。

以上で報告を終わります。

4.警察経済部会長報告 (井原 部会長)

 警察経済委員会に付託されました、議案の審査結果は、いずれも、原案のとおり可決決定いたしました。
 以下、審査の過程において論議された、主な事項について、その概要を申し上げます。

1)貸金業について
 このことについて一部の委員から、貸金業の登録手数料に係る条例改正の経緯はどうか。また、無登録のヤミ金融業者へはどう対処するのかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、条例改正の経緯は、来年1月から貸金業規制法改正法が全面施行されることに伴い、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部が改正され、登録手数料が一律15万円とされたことによるものである。
 また、ヤミ金融業者の多くは、無登録で違法な営業を行っている業者であるが、最近では信用を得るためにあえて登録を受け、その上で違法な高金利で貸付けるなどの業者も出てきていることから、警察とも連携しながら、これら業者には、登録の取り消しや登録拒否などで厳しく対応していきたい旨の答弁がありました。

2)陽電子放射断層撮影装置(PET)施設について
 このことについて一部の委員から、PETを導入することによる効果、従来の検査との相違点は何か。また、PET導入に伴う収支予測はどのように考えているかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、PETはがん、脳血流などの検査を行うもので、従来に比べ微細ながん細胞などの早期発見ができるという機能がある。
 また、施設整備及び運営に関しては多額の経費が必要であり、補助金等の支援がなければトータル的に厳しいと考えているが、病病連携、病診連携に努め、収入の確保を図ってまいりたい旨の答弁がありました。

3)空き交番対策について
 このことについて一部の委員から、松山市内の3交番にテレビ会議システムを設置したが、設置効果としてはどのようなものがあるか。また、今後どのように拡大していく考えかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、設置後1箇月間の利用状況については、3交番合計で29件の利用がある。
 効果的事例としては、道に迷って交番を訪れた県外の方に対し、応対した本署員が地図を示して地理案内を行った事例、あるいは男性が倒れているとの通報を受けてパトカーを現場臨場させ、適切に対応した事例などがある。
 従来の電話での会話と比べ、このシステムは本署員の方から先に声をかけることができるため、非常に利便性が高く、空き交番になった場合に大きな威力を発揮するものであることから、今後、他の交番への設置も考えてまいりたい旨の答弁がありました。

4)その他
 企業立地促進事業費
 中高年齢者の雇用対策
 県営工業用水の現状
 県立北宇和病院の存廃問題
 警察官の定数問題

などについても、論議がありました。

5.建設部会長報告 (仲田 部会長)

 建設部会での審議過程において議論された、主な事項について、その概要を申し上げます。

 まず第1点は、ゼロ県債についてであります。
 このことについて一部の委員から、12月補正予算に計上されているゼロ県債の目的と効果はどうかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、公共投資の減少により、建設業界を取り巻く環境は厳しい状況が続いており、特に今年度は、例年編成されてきた国の補正予算も見込めないことから、年明けから年度末にかけて発注量が減少し、経営破綻や建設業従事者の雇用環境の悪化が懸念されている。
 このため、ゼロ県債の制度を活用し、地域経済の下支えを図るとともに、従業員の雇用の確保に努めることとしている。
 なお、今回の対象は、道路、河川など定型的県単独事業の9事業を予定しており、地域の状況を十分見極めて、予算成立後早急に発注し、効果的に運用していきたい旨の答弁がありました。

 第2点は、国庫補助金などの廃止・縮減問題についてであります。
 このことについて一部の委員から、三位一体の改革ということで、国庫補助金のカットなど国の予算が厳しくなっているが、公共事業予算の見通しはどうかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、国土交通省関連の補助負担金の廃止・縮減は、公共関連費3%、奨励的補助金5%の削減で約1,044億円、補助制度の見直しや対象事業の重点化により約2,210億円、全体では3,254億円となる見込みである。
 これらの本県への影響は、廃止が決定している地価調査関係経費や県営住宅管理費の2事業や地方道、河川改修、都市公園、地方港湾など、少なくとも200億円の事業に影響が出ると予測しているが、実際の影響額については、12月の国の内示は全国枠のみであるため、箇所付けがあるまでは明確にはならない。
 なお、削減される公共事業関係の補助金は、地方への税財源委譲の対象外となる予定であり、本県にとって必要な事業量の確保が困難となることを懸念している。
 今後のJR松山駅高架や松山外環状道路、上島架橋など重要事業の本格的整備に向け、補助事業の確保は必要不可欠であり、本県への傾斜配分を今まで以上に国に強く要望していきたいと考えており、今後各委員にも、一層の協力をお願いしたい旨の答弁がありました。

 第3点は、建設産業の再生についてであります。
 このことについて一部の委員から、業者の今後向かうべき方向としては、事業転換や合併ということになると思われるが、こうした取り組みに対する支援はどうかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、建設産業の再生については、四国各県及び四国地方整備局で構成する「建設産業再生四国地方協議会」を設立し、建設業のあるべき方向性や産業再生支援策を検討していくこととしている。
 また、ゼロ県債を設定し、事業量の確保に努めるとともに、建設業振興資金などの各種金融支援にも取り組んでいる。
 さらに、本年11月から、請負業者が下請セーフティネット債務保証事業による融資を受ける場合、県工事の債権譲渡を認めることとした。
 今後とも建設業の再生支援に積極的に取り組んで参りたい旨の答弁がありました。

このほか
 土木建設事業の市町村負担金
 市町村合併
 東一万道後線の事業進捗状況
 山鳥坂ダム問題

などについても、論議があったことを付言いたします。

 以上で報告を終わります。

6.文教部会長報告 (竹田 部会長)

 文教委員会において論議された主な事項について、その概要を申し上げます。

 第1点は、学校週5日制についてであります。
このことについて一部の委員から、ゆとり教育を推進する一方で、学力低下等の問題が出てきているが、学校週5日制導入後の状況を、県教委として、どのように認識しているのかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、県教委が平成15年2月に実施したアンケート調査によると、土曜日の過ごし方等について充実していると答えた子どもは、小学2年生では約86%、小学5年生では約78%、中学2年生では約75%となっており、子どもたちは、土曜日に、目的を持って、充実した生活を送っているものと認識している。また、現在、子どもたちの体験不足等が指摘されているが、学校週5日制はいろんなことにチャレンジする時間の増大に繋がっており、土日の体験を通じて学んだことは智恵に変わる大事な側面を有していると考えている。
 また、高等学校では、生徒や保護者から土曜日等の学習指導を望む声がある学校が約4割あり、土曜日等における指導の必要性を感じている校長も多いというのが現状である旨の答弁がありました。

 第2点は、学力の状況把握についてであります。
 このことについて一部の委員から、塾通いの子どもが多く見られるように、基礎学力の低下が言われているが、本県の児童・生徒の学力の状況はどうか。また、今後の施策に反映させていくためにも、実態を把握しておく必要があるのではないかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、過去に行われていた全国一斉の学力テストは、現在、実施されていないことから、本県の児童・生徒の学力の実態は把握できていない。しかしながら、県教委としては、学習指導要領の目標の達成状況を把握するという観点から、児童・生徒の学力状況把握は必要であると考えており、今後、検討を進めてまいりたい旨の答弁がありました。

 第3点は、教員の資質向上についてであります。
 このことについて一部の委員から、愛媛県政に関する世論調査において、学校教育対策として、教師の資質の向上を求める割合が最も多いが、県教委として、この調査結果をどのように認識しているのかとただしたのであります。
 これに対し理事者から、県政に関する世論調査の結果や教員の指導力不足等の社会的状況を踏まえ、県教委としても、教員の資質向上は最重要課題と捉えている。教員の資質向上の取組みの一つとして、教員の採用試験は、筆記試験や面接、集団討論等を実施し、総合的に判断して採用しているところであるが、人物重視の観点から、今年度から、校長、教頭の任用候補者審査の面接官に、教育経験者だけでなく、幅広い分野から面接官を募って人物評価を行うこととしている。また、来年度の教員採用試験の選考方法についても、今後、多様な角度から検討を行うなどして、教員の資質向上に努めてまいりたい旨の答弁がありました。

 このほか、児童生徒の喫煙及び非行問題、県武道館の活用、中高一貫教育、高校生の就業状況などについても論議がありました。

 以上で報告を終わります。