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平成21年7月

1.総務企画部会長報告 (渡部 浩 部会長)

1)県庁舎の耐震診断及び耐震改修の見込みについて
(質問)
 県庁出先機関の庁舎の耐震性はどうか。また、災害時に防災拠点となる第一別館の耐震診断の結果と改修の見込みはどうか。
(答弁)
 出先庁舎11棟のうち、5棟は昭和56年以降の建築で耐震性に問題はないが、その他の出先庁舎には耐震診断が必要であると考えており、今後、財政状況等を考慮のうえ、耐震診断の実施を検討したい。
 また、第一別館は、平成13年度実施の耐震診断で、防災拠点としての強度レベルを一部満たしておらず補強改修が必要であるとの判定であったが、極めて厳しい財政状況の中、これまで改修工事に着手できていなかったものである。
 依然厳しい財政状況ではあるが、耐震補強工法や改修の問題点・対応策について検討を行い、県にとって有利な国の補助制度等を活用し、できるだけ早く耐震改修工事に取り組む必要があると考えている。

2)国補正予算による交付金や基金の効果的な活用について
(質問)
 今回計上した基金の経済対策としての即効性についてどう考えているのか。また、残りの基金への対応や、地域活性化・経済危機対策臨時交付金の今後の活用はどうか。
(答弁)
 6月補正予算では3基金、約39億円の計上に併せて、この基金を活用した事業の予算も計上するなど、可能な限り速やかな対応を図っている。今回計上することができなかった基金についても、9月補正予算で適切に対応したい。
 また、臨時交付金の残り約55億円については、県立学校の改築及び耐震補強工事に約24億円の計上を考えているほか、9月補正予算等において、本県の主要課題に対応すべく、県民や地域のニーズ等も踏まえて、現在、各部局が鋭意検討を進めているところである。

3)フェリー事業者に対する支援策について
(質問)
 高速道路等の休日1,000円上限のETC割引は、バランスを欠いた政策であると認識しているがどうか。また、フェリー事業者に対する支援策はどうか。
(答弁)
 このETC割引は、人や物の動きを活発化させる経済対策として実施され、観光地のにぎわいなど新たな需要を起こし、一定の効果があった一方で、公共交通機関であるフェリーやバスなどに深刻な影響を与えている。このため、県としては、今回特に影響を大きく受けているフェリーに対する支援を行うこととしたところであり、引き続き、地球温暖化対策の面などからも、クルマと様々な公共交通機関が共存する、バランスの取れた交通体系の構築に努めてまいりたい。
 また、フェリー事業者への支援については、国の臨時交付金を活用し、県内に寄港又は発着する12事業者を想定して補助を行うとともに、20年度実績で約7,300万円にのぼる県管理港湾の使用料を減免することとしている。さらに、同じく約1億5,300万円の使用料となる県管理以外の新居浜港、今治港、八幡浜港についても、該当する地元市において対応を検討中と聞いており、県の支援策と連携した何らかの取組みがなされることを期待している。

(その他の議論)
 ・期日前投票所の設置
 ・職員のメンタルヘルス対策
 ・地上デジタル放送への対応の進捗状況
 ・新ふるさとづくり総合支援事業

2.環境保健福祉部会長報告 (徳永 繁樹 部会長)

1)風力発電施設の低周波音測定調査について
(質問)
 風力発電施設から生じる低周波音について、伊方町においてどのような実態調査をするのか。また、今後の対応はどうか。
(答弁)
 環境省の委託を受けて、衛生環境研究所が主体となり、伊方町三崎地区の5地点において、年2回、8月と1月に、専門家の協力を得て、低周波音と一般騒音の測定を行うとともに、結果の評価を実施することとしている。
 環境省においては、風力発電施設から発生する低周波音について、知見の充実に努めるとともに、各地で実態調査を実施しているところであり、将来的には、ガイドライン等の設定を検討していることから、県としては、ガイドラインが出た段階で、それを踏まえて、町に対して適切な助言をしていきたい。

2)地域自殺対策緊急強化事業について
(質問)
 本県の自殺者数及び目標値はどうか。また、自殺対策への具体的な取り組みはどうか。
(答弁)
 平成20年の自殺者数は、警察統計で418名、人口動態統計で368名である。平成9年までは300名程度であったが、平成10年以降急増しているため、300名程度に減少させることを目標としている。
 平成18年度の自殺対策事業開始当初は、啓発活動や相談事業が主なものであったが、この強化事業においては、より実際的で具体的な対策として、弁護士、社会福祉の専門家などによる対面型相談事業のほか、民間団体、市町と連携をとった対策を計画している。
 なお、民間団体については、経験や技術を有した団体を対象に、1団体あたり100万円を目途に事業を委託することとしており、既に説明会を実施している。今後とも、パンフレットの配布や広報誌への掲載等により、自殺対策の普及啓発に努めていきたい。

3)地域医療学講座について
(質問)
 地域医療を担う人材を育成するため、県からの寄付により愛媛大学に設置した地域医療学講座は、どのような活動を行っているのか。
(答弁)
 地域医療学講座は「地域医療に従事する総合医を、地域を舞台に養成する」というコンセプトのもと、今年1月から、愛媛大学との連携によりスタートした新たな取り組みである。
 具体的には、医学部生を対象に、地域サテライトセンターにおいて地域医療実習を行うこととしているほか、地域特別枠の学生については、長期の休みを利用してへき地医療実習も行うなど、入学1年目からの継続的な取り組みを通じて、地域医療への理解と関心を深めることを目的としている。
 今後とも、愛媛大学や市町と緊密に連携しながら、円滑な運営に取り組み、住民が安心して暮らせる地域医療体制の構築に繋げていきたい。

(その他の議論)
 ・消費生活相談員の配置状況
 ・水生生物の生息できる河川環境の整備
 ・えひめ結婚支援センター運営事業
 ・えひめこどもの城魅力向上推進事業
 ・未届有料老人ホーム

3.農林水産部会長報告 (住田 省三 部会長)

1)温州ミカンの生産対策について
(質問)
 表年にあたる本年産温州ミカンの生産調整はどうか。
(答弁)
 本年産温州ミカンの生産量は同じ表年であった平成19年並の16万6,630tが見込まれており、全国果実生産出荷安定協議会による本県の適正生産量16万3,590tを3,000tほど上回る予想となっている。
 このため、適正数量の確保と裏年である次年度の生産量の確保を図るため、着果数の多い樹体については樹冠上部摘果を、隔年結果の軽い樹体については後期重点摘果や仕上げ摘果を推進することを、生産団体と申し合わせ、現地指導に努めているところである。
(関連意見)
全国の適正生産量が100万tでは、農家は表年裏年に関わらず所得が増加しない状況であるため、この適正量を80から90万tに抑えるべきではないか。

2)耕作放棄地対策について
(質問)
 本県の耕作放棄地面積は全国でワースト5位であり、その多くは重機等を使って再生しなければならない状態にあると思うが、建設業者等と連携して耕作放棄地の再生・利用を進めてはどうか。
(答弁)
 今般、国において創設された耕作放棄地再生利用緊急対策交付金制度では、建設業者等に耕作放棄地の再生作業を委託する場合も補助対象としており、また、農地法の改正により一般企業の農業への参入もしやすくなることから、県としても建設業者と連携した取り組みを進めてまいりたい。
 なお、今年1月現在、農業参入している企業等は29法人となっており、今後も企業等の参入を積極的に進めて、耕作放棄地の解消に努めてまいりたい。

3)森林そ生緊急対策事業について
(質問)
 森林そ生緊急対策事業の内容はどうか。また、今年度で課税期間が終了する森林環境税の継続についてどのように考えているのか。
(答弁)
 国の補助金を財源とする森林そ生緊急対策基金を活用し、林業や木材産業の生業にも重点を置き、間伐などの定額補助のほか、木材加工施設や木造公共施設等の整備、間伐材の流通の円滑化などにも新たに取り組むこととしている。
 また、森林環境税については、本県で今後5年間で間伐を必要とする森林が約6万haあるが、既存の予算と森林そ生緊急対策基金による事業実施分に、林業者独自の実施分を合わせても、約3万4,000haの整備しか見込めないことから、森林環境税の継続・拡充を検討している。

(その他の議論)
 ・中山間地域等直接支払制度
 ・農協や共選における流通販売の改善
 ・里山のお米づくりプロジェクト
 ・学校給食への地場産物の利用

4.経済企業部会長報告 (泉 圭一 部会長)

1)緊急地域雇用維持助成金について
(質問)
 6月補正予算で、緊急地域雇用維持助成事業費を新規計上しているが、その助成要件や助成率はどうか。また、どれくらいの利用を見込んでいるのか。
(答弁)
 製造業の集積度が低く雇用の受け皿の小さい地域においては、事業所の活動縮小、閉鎖等による雇用調整が地域経済に深刻な影響を及ぼすことから、製造品出荷額等と工業集積度が県内平均を下回る市町に所在する事業所で、国の雇用調整助成金等を活用して雇用維持に努める企業に対し、その休業手当の企業負担分の一部を県単独で助成し、地域の雇用の安定を図ろうとするものである。
 具体的には、対象地域となる南予の全市町と久万高原町、砥部町の計11市町において、1社当たり、100万円を上限に、同手当の企業負担分の2分の1を助成しようとするもので、業種は問わないものである。また、利用見込みについては、20年度の実績などから1社当たりの休業人員を平均48名、約30社の利用を想定している。
 なお、事業期間については、国の制度の支給期間などから3年間を目途としているが、来年度以降については、今年度の利用状況、利用可能な国の交付金、県の財政状況等を見極めながら、検討したい。

2)経済成長戦略の推進について
(質問)
 厳しい経済情勢の中、当面の雇用対策に取り組むことはもちろんのこと、景気回復まで見据えた県の基本的な経済政策を柱にして、個別施策を推進してほしいが、県としてどう考えるか。
(答弁)
 現下の厳しい経済情勢を乗り切るために当面の雇用対策に全力を上げているが、一方で、新しい経済成長の芽を見つけ、育成していくことも大切であることから、新たな成長が期待できる産業分野を部内横断的に支援するため、7月1日付けで産業支援局長を班長とする経済成長戦略推進班を設置し、県としての戦略を構築することとしたところである。
 推進班では、低炭素革命など社会経済構造が変化する中で、これまで地域経済と雇用を支えてきた産業が次の時代もその地域を支えることができるよう、成長産業への脱皮を目指すための行動計画を取りまとめるほか、商工団体等のきめ細かなニーズも踏まえ、地域のポテンシャルを引き上げながら、新たな産業育成をワンストップで支援できるよう努めていきたい。
 また、確かな雇用の創出といった観点から、地域の雇用を支えている一次産業や観光産業にも留意しつつ、本県独自の成長戦略を推進したい。

3)県立病院における新型インフルエンザへの対応について
(質問)
 新型インフルエンザは、今は落ち着いているが、冬に向けて大流行する危険もある。県立病院として、どう対応するのか。
(答弁)
 県立病院では、臨時の診察場所を設けて新型インフルエンザ患者に対応してきたが、6月補正予算で、外来診療用テント5基と、重度の呼吸器障害を起こした患者のための人工呼吸器6台を整備して、今後の大流行に備えることとしている。
 県では、6月22日までは保健所が「新型インフルエンザが疑われる患者」の受診すべき医療機関を振り分けていた。この間、保健所が医療機関に紹介した「疑い患者」合計51名の73%に当たる37名を、県立病院で受け入れており、県立病院は県内の新型インフルエンザ初動体制の中で、中心的な役割を果たしたものと考えている。
 今後とも、保健福祉部と連携を取りながら、迅速、適切な対応に努めていきたい。

(その他の議論)
 ・県民国際理解促進事業費
 ・ものづくり中小企業製品開発等補助金
 ・物産・観光の振興
 ・西条工水の経営改善

5.建設部会長報告 (毛利 修三 部会長)

1)直轄事業負担金について
(質問)
 直轄事業負担金問題は、現在全国知事会で協議されているが、県の見解はどうか。また、県事業の市町負担金への対応はどうか。
(答弁)
 直轄事業負担金については、内容等に問題があることは認識しているが、高速道路の南予延伸をはじめ、山鳥坂ダム建設事業など、県にとって重要な事業が多いことから、応分の負担はやむを得ないと考えている。
 問題となっている退職手当や庁舎修繕に係る負担金については、全国知事会のプロジェクトチームが国に改善を求めているところである。
 なお、県事業の市町負担金については、今のところ市町からの指摘や不満は出ていないが、市町に対する意見照会の様式を詳しく変更することとし、先月開催の説明会の意見も踏まえ、今後必要に応じて改善していきたい。

2)県単事業への取り組みについて
(質問)
 厳しい財政状況の中、住民からの要望にどう取り組むのかとただしたのであります。
(答弁)
 県単事業として約28億円を計上している。今まで予算が厳しく要望に添えない部分があったが、今回の予算により、生活道路改良、舗装、河床掘削など、県民の安全・安心の実現に向けて積極的に事業が実施できると考えている。
 ただ、土木事業は設計・用地買収から事業にかかるまでには2、3年かかるため、今回の国の地方への手厚い政策については、2、3年継続されることが望まれる。

3)県営住宅家賃滞納者への住宅明け渡し訴訟について
(質問)
 明け渡し訴訟の経緯及び滞納者への取り組みはどうか。
(答弁)
 家賃滞納者については、「愛媛県県営住宅家賃滞納整理要領」に基づき、督促状の発行、電話・呼び出しでの催告、分割納付の誓約などにより納入指導を実施している。
 今回の明け渡し訴訟は、全額納付か明渡を求める最終催告書兼条件付明渡請求書に応じない者について入居許可を取り消し、明渡しを求めるものである。
 平等性を保つためには不誠実な対応者や努力がなおざりとなっている者への法的措置はやむを得ないが、病気などにより生活が不安定になっている者は除外するなど、個別事情には配慮している。今後ともきめ細やかな指導をしていきたい。

(その他の議論)
 ・繰越予算の状況
 ・建築確認申請の処理状況及び審査内容
 ・低価格入札への対応

6.文教警察部会長報告 (高山 康人 部会長)

1)県立学校の耐震化について
(質問)
 全国でも最低水準にある本県の県立学校の耐震化率を、当面、22年度末において約50%に引き上げることを目指したいとの本会議での答弁があったが、その内容はどうか。
 また、耐震化すべき建物の優先順位をどのように考えているのか。
(答弁)
 今年度の当初と地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用した補正予算合わせた40億円程度に加え、来年度において、今年度の当初予算と同程度の経費が認められた場合には、今年度当初予算の耐震補強8棟に加え、改築4棟程度、耐震補強14棟程度の工事が可能となり、耐震化率は50%程度となる見込みである。
 また、優先順位については、危険性の高い校舎から順次、実施しているが、地震発生時に避難場所となる体育館についても、来年度以降、実施する方向で考えている。

2)新型インフルエンザ対策について
(質問)
 7月1日に小松高校で感染が確認されて以降、どのような対応、指導を行ってきたのか。
 また、秋以降、再度流行した場合に備えた対応はどうか。
(答弁)
 感染を確認した7月1日に対策本部を開催し、厚生労働省が改定した「運用指針」等に基づき、対策を決定したうえで、小松高校に対しては、発症した日から7日間、2年生の学年閉鎖を行なうとともに、県内の各学校へは、うがい、手洗い、咳エチケット等の感染拡大防止対策の徹底を再度通知している。
 また、新型インフルエンザが秋以降に流行した場合に備え、学校現場に対しては、引き続き、感染防止対策の徹底等を指導するとともに、保健福祉部と連携し、県全体で対応していく。

3)パーキングチケット発給設備の現状と必要性について
(質問)
 パーキングチケットの年間利用者数と収入額はどうか。
 また、各所で一般駐車場の整備が進んでおり、本当にパーキングチケットは必要なのか。
(答弁)
 パーキングチケット発給機は、今治市および松山市に合計21基設置されており、平成20年度における利用台数は、9万7,374台、収入は1,947万4,800円で、過去5年間における利用実績の単年度平均は、利用台数は約10万台、収入は約2,000万円である。必要性については、利便性の面から、高い需要があること、収入の面において、業務委託費、維持管理費等を差引いても黒字になっていること、また、民間の100円パーキング等は、空地対策で設置している場合が多く、将来にわたり継続的できるのか疑問であることなどから、今後も、パーキングチケット発給設備は必要であると考えている。

(その他の議論)
 ・学校等のICT化
 ・小学校での英語教育
 ・地球温暖化防止への取り組み
 ・警察官のけん銃使用
 ・警察施設の耐震診断の現状と対策