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平成27年9月

1.総務企画国体委員長報告 (黒川 洋介 部会長)

1)第一別館耐震化における免震装置の取替工事について
(答弁)
 県では不正が発覚した当初から免震装置の早期改修を東洋ゴム工業に申し入れているが、同社では現時点で免震装置の製造は全く見通しが立っていない。
 このため、第一別館耐震改修工事の設計・監理事務所及び施工業者から、一部規格差があるものの、ブリヂストン社製の免震装置に代替可能との報告があったことから、その方向で検討している。
 免震装置の納入には約8カ月を要することから、免震装置の製造を先行させることとし、取り替える免震装置の概算額を東洋ゴム工業で負担することについて確認もとれたことから、近々、施工業者からブリヂストン社へ発注することとしている。
 負担の関係については、県に全く落ち度がないことから、すべて東洋ゴム工業の負担で行うとともに、地下の売店、食堂の営業補償も確約させている。

2)アクティブシニア活躍促進検討費について
 アメリカのCCRCや日本版CCRCと愛媛型CCRCの違いはどうか。
 また、都会の人に来てもらうために、愛媛をどのようにアピールしていくのか。
(答弁)
 アメリカのCCRCは、都市開発的な要素を持ち、高齢者用の住居を整備し、医療・介護サービスを一体的に提供するもので、日本版CCRCは、国の有識者会議で検討が進められている段階であるが、先進事例として、首都圏の高齢者が、サービス付き高齢者住宅に住み、元気な間は菓子や保存食づくりなどを行い、ケアが必要になると当該施設の中で介護サービスを受ける栃木県の「ゆいま〜る那須」などの事例がある。
 愛媛型CCRCは、日本版CCRCより一歩踏み込み、移住してきた元気な高齢者に起業・就業していただき、地域の担い手として貢献してもらうスキームを考えている。
 首都圏から遠く離れた本県としては、高齢者移住の大きなターゲットは愛媛県出身者であるが、首都圏に住む高齢者の移住ニーズをしっかり分析し、高齢者に訴求力があるものを洗い出すなど、戦略を練っていきたい。


3)えひめ国体・えひめ大会のボランティアについて
 えひめ国体におけるボランティアはどれくらいの人数が必要なのか。
 また、心のこもったおもてなしをするためには、多くの県民のボランティアによる協力が重要であるが、具体的な取り組み状況はどうか。
(答弁)
 国体・全国障害者スポーツ大会におけるボランティアは、過去の開催県いずれもほぼ同程度の人数を募集しており、本県においても、「運営ボランティア」は、国体の開・閉会式で1,700人、障害者スポーツ大会で3,600人を募集し、各競技会を運営する市町では7,300人を募集している。
 また、聴覚障害者に対する手話や筆談等を行う「情報支援ボランティア」は600人、全国障害者スポーツ大会で選手団の介助・誘導等を行う「選手団サポートボランティア」は800人を養成する見込みである。
 大会では、多くのボランティアの協力が必要不可欠であり、障害者団体やボランティア団体などへの出前講座等を通じて、ボランティア活動への理解促進に努めるとともに、今後は各種団体にも積極的に働きかけていきたい。


(その他の議論)
 ・公共施設等総合管理計画
 ・選挙権年齢の引下げ
 ・愛媛県版「総合戦略」
 ・四国への新幹線整備
 ・成年種別の選手確保とターゲットエイジの活動状況


2.環境保健福祉部会長報告 (鈴木 俊広 部会長)

1)県における災害対応と避難勧告等の発令について
 急激に変化する気象状況の中、避難勧告の的確な発令等に向けた本県の対応及び災害時における本県の体制はどうか。
 また、避難勧告等が発令されても住民が避難しないことについてはどう考えるか。
(答弁)
 県では、適切な避難勧告の発令等に資するため、日頃から松山地方気象台との連携強化に努めているほか、県独自の取組みとして、本年6月1日から、全国初となる72時間先までの1時間ごとの長期降水予測や3時間先までの10分ごとの超短時間降水予測などの情報を、防災通信システムを用いて迅速に各市町等に提供している。
 また、災害時における県の体制は、災害警戒本部や災害対策本部など、気象状況や災害の程度に応じて職員の参集や配置等を段階的に充実させている。
 住民が避難勧告等に従わなかったことについては、先般の鬼怒川の水害で被害が拡大した要因の1つとして指摘されているが、市町から避難準備情報や避難勧告、避難指示が発令されれば、住民は直ちに迅速な避難準備や避難を行うことが肝要であるとの考え方のもと、各種キャンペーンや研修、防災訓練等を通じて、市町と連携して、県民の防災意識の向上を図っている。


2)UIJターン促進社会実験事業について
 本事業の詳細な内容及び生活衛生関係営業者を対象とした理由は何か。
 また、今後の事業継続に向けた取り組みはどうか。
(答弁)
 本事業は、新規創業や事業承継のため県外から移住する者に対して定着を支援する社会実験を行い、UIJターンの促進を図るもので、業界団体の取組みを県がサポートすることにより事業の円滑化及び促進を図るものである。
 生活衛生関係営業者を対象とした理由の1点目は、当業界は既にUIJターン促進に係る支援体制を構築しており、実験事業を行う条件が整備されていること。2点目は、県下に約2万8千の営業者が存在し、業務内容が多岐にわたり裾野が広いうえ、地域住民の生活の維持・確保になくてはならない業界であること。3点目は、特定の技能を要するため、後継者不足で事業承継等が困難なことが多い当業界での成功事例は、他の業界における移住促進対策の検討に有効なデータとなり得ることである。
 県では、UIJターン者による地域活性化を県版総合戦略の主要な柱の1つと位置付けており、今回の社会実験で得られた課題や問題点を、関係部局による検討チームにおいて調査・分析のうえ、取組方針について検討することとしている。



3)県立医療技術大学卒業生の就職状況について
 県内就職率の数値目標を50%に設定していることについてどのように考えているのか。
 また、県内就職率の向上に向けどのように取り組んでいくのかとただしたのであります。
(答弁)
 県内就職率の数値目標は、これまで50%の目標を達成できていない年もあり、過去の実績を踏まえ設定しているものである。
 県内就職率の向上に向けては、平成25年度に入学定員を増やした際、増員分20名のうち6割を県内推薦枠とすることにより推薦枠の拡大を行うなど、県内就職につながる県内出身の学生を増やす取組みを行っている。
 また、県内医療機関の求人情報や病院見学、就職説明会等の情報を積極的に提供するとともに、大学の就職セミナーにおいて県内医療機関による職場説明の機会を設けるほか、県内に就職した卒業生に県内就職の魅力を伝えてもらう取組みを行っている。

(その他の意見)
・女性の活躍推進
・防災通信システム整備工事
・消防の広域化
・手話通訳者・要約筆記者等の養成
・保育所型認定こども園の有効期間廃止

 

3.農林水産部会長報告 (中田 廣 部会長)

1)6次産業化の推進等について
 6次産業化商品販売促進事業の具体的内容について、また、6次産業化に向けたJAとの連携及び水産分野での支援はどうか。
(答弁)
 県では、農商工連携の窓口であるえひめ産業振興財団に愛媛6次産業化サポートセンターを設置し、相互に連携して推進を図っているところであり、当該事業は全国的にも先駆的な取り組みである農林漁業者と企業等220名程度で構成する「ろくじすとクラブ」の会員が開発した商品などを、松山市銀天街の空き店舗を活用して、週末イベントや対面販売、店頭モニター調査などに取り組み、販売拡大やブラッシュアップを図ろうとするものである。
 また、JAについては、従来から直売所等での加工品の製造・販売など6次産業化に取り組んでいるほか、水産分野においても、「宇和島のこもねっと」や「川之江のいりこみそ」など、取り組みが盛んになってきていることから、今後とも、市町と連携しながら、6次産業化チャレンジ総合支援事業等の周知や効果的活用について、地域に密着して取り組んでいきたい。


2)マレーシアでの「愛媛フェア」について
 愛媛フェアのコンセプトや出展する商品はどうか。
 また、留学生も取り込みながら、マレーシアに合った商品開発も重要と考えるがどうか。
(答弁)
 マレーシアでの「愛媛フェア」では、現地の輸入会社関係者等による産地視察や幅広い商品の協議を進めており、現在のところ、かんきつや愛育フィッシュなどの農林水産物、みかんジュース、じゃこてん、日本酒、水産加工品に加えて、すごモノなどの出展も予定している。
 また、現地で売れるためには、その風土や好みに合わせた商品開発が重要であることから、県内在住の留学生の中から5人程度を選抜し、彼らの知見を生かした商品開発や改良を行うとともに、愛媛フェアでのプロモーションにも参加してもらい、現地での生の反応などを県内メーカーにフィードバックするなどして、今後のさらなる販売展開につなげたいと考えている。


3)農林水産物と県産品を組み合わせた輸出戦略について
 海外からは、日本酒と寿司ネタ用の魚をセットで販売してほしいとの要望が多いと聞くが、1コンテナでセット輸出することでコストダウンにつながるものと考えるがどうか
(答弁)
 マレーシアでの「愛媛フェア」においても、現地の百貨店側から日本酒と水産物のセット販売について提案があったほか、9月に開催した台湾でのフェアにおいても、みかんブリを日本酒とセットで販売したところであり、今後とも、例えば畜産品を売る場合、野菜やかんきつ、砥部焼の器などもすべて一緒に売り込むなど、農林水産物と加工品などの県産品を組み合わせて愛媛全体を売り込む「まるごと愛媛」方式でのプロモーションに取り組みたいと考えている。
 なお、水産物と日本酒それぞれの商流、物流については、販売先のオーダー等により様々な輸送形態があり、コンテナで一度に大量に輸出することには課題もあるため、コスト低減の可能性はあるものの、今後の検討が必要であると考えている。


(その他の意見)
・乾たけのこの生産
・木製ダム設置実証事業
・台湾・中国への柑橘の輸出
・地球温暖化に伴う生産対策

 

4.経済企業部会長報告 (大西 渡 部会長)

1)地元就職支援事業について
 事業の具体的な内容はどうか。また、参加企業の業種については、どのような想定をしているのか
(答弁)
 県外への人口流出に歯止めをかけ、県内の中小企業等の人材確保を図ることが喫緊の課題となっていることから、来年3月下旬に、新規学卒者向けの合同会社説明会を開催するのに併せ、中小企業等の若手社員やUターン就職した社員との交流会及び企業見学会を実施することとしている。
 特に、時間的・経済的に負担がかかる県外学生の地元就職を促すため、合同会社説明会等へ参加するための交通費の一部を負担するなど、県内回帰に向けた積極的な取組みを行うこととしている。
 また、会社説明会への参加企業については、希望を募ることとしており、ものづくり産業や学生の人気業種、人手不足の業種等も考慮しながら調整するなど、幅広い業種を対象にしたいと考えている。


2)外国人観光客誘客推進事業について
 事業の内容はどうか。また、具体的にどのように取り組んでいくのか。
(答弁)
 直行便がない国から本県へ外国人観光客を誘客する際の課題は、東京、大阪、京都をはじめ、人気の北海道や沖縄と比べて本県の認知度は低く、また、本県への訪問ルートも十分に知られていないことだと考えている。
 このため、海外に訪日旅行店舗を展開している旅行会社と連携し、当該店舗において本県観光地のPRを展開するとともに、本県へのオプショナルツアーの販売を行いたいと考えており、旅行商品企画担当者や店舗スタッフ等を本県に招き、観光地等の魅力を体感できる視察ツアーを実施するなど、店舗スタッフがリアリティーをもって本県の魅力を伝えながら、本県へのツアー販売につなげる仕組みづくりに取り組むこととしている。


3)県立病院の役割について
 県立病院は、地域の中核的な病院や医師会と連携し、任せる部分は任せ、他の医療機関ができない部分についてしっかり対応して欲しいがどうか。
(答弁)
 団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて、県立病院がどういう機能を強化していくべきかということを県立病院機能強化検討委員会で検討しているところである。
 その中で、県立病院は急性期医療を担うことで県民の命を守り、症状が落ち着けば、地元の医療機関への転院や、在宅でかかりつけ医に診療していただけるような医療体制がとれるよう、医師会や地元医療機関との役割分担・連携を図っていきたいと考えている。

(その他の意見)
・さくらひめブランド活用営業推進事業
・「スゴ技」ブランド力強化事業
・造血幹細胞移植
・畑寺発電所
・ドクターヘリ

 

5.建設部会長報告 (住田 省三 部会長)

1)南海トラフ地震等に備えた、道路の防災・減災対策について
 県が南海トラフ地震等の大規模災害に備えた道路改築事業として取り組んでいる、「地震防災関連道路緊急整備事業」の内容と進捗状況はどうか。
 また、災害に強い道路網を確保するために実施している「道路防災・減災対策事業」の状況はどうか。
(答弁)
 「地震防災関連道路緊急整備事業」については、大規模災害対策として、県管理道路の未改良区間のうち、見通しが悪く離合が困難な箇所など、緊急性が高く、即効性のある箇所を整備しており、9月補正予算では、伊方原子力発電所から半径30km圏域内の県管理道路で14箇所、緊急輸送道路で11箇所など、合計53路線、66箇所、15.4kmについて13億4,400万円を計上し、これにより、早急な対策が必要な245箇所、42.9kmのうち、27年度末までに87箇所、29.0kmの整備が完了する見込みとなっている。
 また、「道路防災・減災対策事業」については、緊急輸送道路の対策を優先的に進めており、9月補正予算では、橋梁の耐震補強対策が4箇所、法面の防災対策が28箇所、路面補強対策(舗装)が46箇所など合計96箇所について、11億6,600万円を計上し、これにより、緊急輸送道路の対策は90%、県管理道路全体では65%が完了する見込みである。


2)砂防施設整備の現状と今後の取組みについて
 がけ崩れ防災対策に取り組む市町への支援の状況はどうか。
 また、緊急的に対策が必要な砂防施設の整備について、取組み状況はどうか。
(答弁)
 市町に対する「がけ崩れ防災対策事業補助金」が年々減少する中、平成16年災害で被害が多発し、要望が増加したこともあり、市町要望に対する採択率は、一時的に35%程度と低い状況となっていたが、平成23年9月から、防災・減災強化枠予算の「集落・避難路保全斜面地震対策事業補助金」を創設し、この2つの事業で積極的に市町の支援に取り組んでおり、特に昨年の広島市の土砂災害以降は、市町から要望のあった全ての箇所が実施できる予算を確保し、市町を最大限支援している。
 また、砂防施設の整備や機能改善を行う「砂防施設防災・減災対策事業」は、全国で頻発する集中豪雨等に備え、緊急的に対策を講じる事業であるが、平成27年度は、今回の9月補正予算を含めると、前年度の10億8,000万円に対し、13億3,000万円に増額するなど積極的に予算計上し、既存施設の機能維持や機能回復に努めている。


3)木造住宅の耐震化促進について
 耐震診断を増やすために、他県で導入例のある、市町が診断技術者を派遣する派遣方式を導入してはどうか。
 また、耐震改修工事に対する補助について、他県が実施している、改修補助金を業者が直接市町から受け取る代理受領制度を導入してはどうか。
(答弁)
 高知県が実施している診断派遣方式については、耐震診断件数の増加につながっていることから、本県でも既に導入の検討を始めており、公益社団法人愛媛県建築士会からは、市町から派遣業務を受託する用意があるとの回答を得ている。
 このため、県としては、来年度からの導入に向け、市町及び建築士会と調整するとともに、実施に向けて技術的支援を行うこととしている。
 また、代理受領制度については、建築主にとっては、資金準備の負担軽減になり、耐震工事の促進につながるものと認識しており、市町に対し、通常方式との選択制とするなどにより、積極的に採用するよう働きかけていきたい。

(その他の意見)
・河川堤防や水門・樋門等の点検結果を踏まえた対応状況
・原発避難路の耐震化
・大洲・八幡浜自動車道整備の今後の取組み

 

6.文教警察部会長報告 (高山 康人 部会長)

1)地域に生き地域を創る若者育成モデル事業について
 本事業では、具体的にどのようなことを行い、どのような人材を育成するのか。
 また、地元の自治体との連携をどのように図っていくのか。
(答弁)
 本事業は、地域の活性化を図る活動を通じて、高校生を地域に貢献できる人材として育成するとともに、若者の地域への定着・回帰を目指す取組みをモデル的に実施し、県下全体へ普及を図ることを目的に実施するものである。
 具体的には、モデル校6校において、農林漁業関係者等と連携した特産品開発、大学との連携や海外研修を通じた砥部焼を継承する人材の育成、地元自治体と連携した地域に定着する人材を育成する学習内容や指導方法の開発、水族館への来館者を地元観光施設等へ還流させる仕組みづくりを通して、地域活性化に貢献する人材を育成するなどの活動を行う予定である。
 また、本事業では、地元の民間企業や市町と一体となって運営していくことが重要であり、モデル校全てにおいて、地元の自治体等と連携した協議会を立ち上げるなど、地元からの協力を得ている。


2)特別支援学校スクールバス整備事業について
 今治特別支援学校にスクールバス1台を追加配置予定とのことであるが、同校ではこれを含め、スクールバスをどのように運行するのか。また、県内の特別支援学校のスクールバスの運行状況や今後の整備方針はどうか。
(答弁)
 今治特別支援学校では、現在、乗車希望者のうち約10名の児童生徒がバスを利用できない状況であり、また、乗車できている児童生徒の中にも、山間部からバス停まで約5キロの距離を、毎日保護者が送迎している者もいるため、希望する全ての児童生徒が乗車できるよう既存の運行経路を見直すとともに、新たに整備するスクールバスがワゴン車であることから、住宅地や山間部等の狭隘な道路へも進入できるという機動性を生かし、保護者の負担軽減を図りたい。
 また、県内の特別支援学校では、保護者からのニーズに対応して毎年スクールバスの路線を見直すなど、効果的な運用に努めている。
 既存のスクールバスは、導入から10年以上経過しているバスも多くあることから、今後は、主として老朽化に伴う更新や故障対応について、きめ細かく順次進めていきたい。


3)西条西警察署庁舎新築工事の請負契約の締結について
 西条西警察署新庁舎において、充実する設備等の内容はどうか。
(答弁)
 新庁舎の延べ床面積は、現在の西条西警察署庁舎の約1,000uに比べて約2.7倍となり、申請窓口等における待合スペースも広くなる。
 1階は、市民談話コーナーや授乳室、多機能トイレを設置するほか、玄関には高齢者や身体障害者用のスロープを整備し、来庁者の利便性の向上を図るとともに、3階は、生活安全課や刑事課を配置することから、市民相談室を設けることとし、各種相談にも一層適切な対応が可能となる。
 また、旧庁舎にはなかったエレベーターが設置されることから、4階大会議室で開かれる講習や会議における高齢者の移動も負担軽減できる。
 その他、大規模災害に備えて、電気機械設備等を屋上に設置するほか、環境負荷低減のため照明器具の約9割にLED照明を採用することとしている。
 庁舎以外では、車庫に霊安室を設置し、遺族に最大限配慮した対応ができるようになるほか、敷地自体が広くなることから、公用車を含めて77台分の駐車場を確保する予定であり、来庁者の利便性も向上すると考えている。


(その他の意見)
・博物館の児童生徒の利用
・学習塾の学校教育への影響
・えひめ国体の警備
・防犯カメラの普及促進
 
 

7.エネルギー・危機管理対策特別委員長報告 (中畑 保一 特別委員長)

 エネルギー・危機管理対策特別委員会では、本年7月2日に伊方原発再稼働に関する請願の付託を受けて以来、閉会中も含め、これまで計7回の委員会を開催し、この間、8月4日には、原子力規制庁、5日には、資源エネルギー庁、25日には、四国電力株式会社、9月7日には、県伊方原子力発電所環境安全管理委員会原子力安全専門部会、原子力規制庁及び内閣府の関係者を参考人招致し、意見聴取するとともに、9月9日には、伊方原子力発電所の現地調査を行い、安全対策の実施状況について確認を行いました。
 その上で、10月6日の委員会では、6月定例会から継続審査となっていた請願4件と、9月28日に当委員会に付託された56件の計60件の請願について審査を行いました。
 当委員会に付託されました請願の審査結果は、お手元に配付されております委員会審査報告書のとおりでありまして、請願第39号の「伊方原発再稼働について全議員で審議し、決定することを求める請願」1件につきましては、願意を満たすことができないとして不採択、請願第30号及び請願第38号の「伊方原発再稼働の是非を問う住民投票の実施を求める請願」2件につきましてもいずれも願意を満たすことができないとして不採択、「伊方原発3号機の再稼働の是非に関する請願」のうち、早期再稼働を求める請願第15号、請願第16号、請願第24号及び請願第37号については、願意妥当と認め採択、再稼働をしないよう求める請願第17号、請願第19号ないし請願第22号、請願第25号ないし請願第29号、請願第31号ないし請願第33号、請願第40号ないし請願第79号については、いずれも願意を満たすことができないとして不採択と決定しました。

 以下、審査の過程における意見の概要を申し上げます。

まず、請願第39号についてであります。
このことについて一部の委員から、
当議会では、伊方原発の再稼働に関しては、本特別委員会を設置し、これまで、国から、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査の結果や、原子力政策、原子力防災対策、四国電力から安全対策の実施状況、県原子力安全専門部会からは安全性の確認結果について説明を受けたところであり、本特別委員会の審議結果は本会議で報告され、その上で本会議で全議員で議論されるものである。
本特別委員会での審議も踏まえて、全議員でさらに議論を深めていくべきであるという本請願の趣旨は理解できる。
などの意見がありました。
   
次に、請願第30号及び請願第38号についてであります。
このことについて一部の委員から、
我々県議会議員は、民意を代表する立場として、それぞれの議員活動の中で地域の声を踏まえたうえで議論してきている。
県民の様々な意見については、各市町議会で議論されているほか、我々県議会議員も住民の意見を聞き、それらを踏まえて県議会において議論している。
議会制民主主義に則り、県議会及び本特別委員会において、それぞれの立場で十分議論した上で、責任を持って結論を出す必要がある。
先般八幡浜市長から、覚書に基づく県からの意見照会に対する回答があったが、このようなものも住民の声として受け止めるべきである。
政治は、住民の声をいかに汲み取るかが重要であり、住民が自らの声を届けたいという思いは、重く受け止めるべきである。
住民が、投票という形で、それぞれの意見を表明できる場があってもよい。
などの意見がありました。
   
 次に、請願第15号ないし請願第17号、請願第19号ないし請願第22号、請願第24号ないし請願第29号、請願第31号ないし請願第33号、請願第37号、請願第40号ないし請願第79号についてであります。
 このことについて理事者から、伊方原発の安全性、防災対策、事故の賠償責任等、エネルギー政策、再稼働関係などについて説明がありましたが、その中で、本委員会当日に開催された原子力防災会議において、安倍総理大臣から中村知事に対し、「再稼働を進める政策の責任は政府にある。万一災害が発生した場合には、政府が責任を持って対処する。原子力の重要性やその安全対策、原子力災害対策について、国民に丁寧に説明する。」との意見表明があった旨の報告がありました。
これに対し、一部の委員から、
原発再稼働に関する民意は複雑であるが、その民意を汲み取って議論をし、責任を持って結論を出す必要がある。
伊方3号機の安全性については、原子力規制委員会が、新規制基準に基づき、地震、津波、火山対策や重大事故対策等について審査の上、基準に適合したと判断し、県の原子力安全専門部会でも別の視点での安全性の確認がなされたものと認識している。また、伊方原発の基準地震動も適正に評価されているものと認識している。さらに、県の原子力安全専門部会では、原子炉工学や耐震工学等の各分野の専門家が、客観的かつ公正に意見を述べられてきたと考えており、以上のことから、伊方原発の安全性については確保されていると考えられる。
県、市町とも、十分具体的な避難計画が策定されていると認識しており、国の支援や周辺県の協力が得られることも勘案すると、避難計画や防災対策に実効性がないとは言えない。
万が一の事故の際の補償や責任については、関係法令に基づき、事業者が責任を持って対応することはもちろん、国における支援についても法令上は必要な整備がなされている。さらに、原子力防災会議において総理大臣から国の責任について明言があったことは、非常に重要である。
使用済み燃料の処理や高レベル放射性廃棄物の最終処分、原発の廃炉技術の確立については、国が責任を持って取り組んでおり、再生可能エネルギーの普及や電源種別の選択についても取組みが進められているものと理解している。
国民生活や経済活動への影響を勘案すると、原発再稼働による電力の安定供給に頼らざるを得ない。
当委員会では、これまで国や原子力安全専門部会からの説明を受け、伊方発電所での現地調査で安全対策への取り組みを確認するなど、真摯に議論を重ねてきた。また、総理からの発言も得られた今、早期再稼働を求める請願の採択を判断すべきである。
国の責任に係る総理からの発言が得られたことに安堵している。国において安全性が確認された原発は再稼働すべきである。
原発に依存しない社会を目指しながら、当面は安全性を最優先に、動かせるものは動かしていくという現実的選択をせざるを得ない。同時に、廃炉技術の確立については国に引き続き求めていくべきである。
長年にわたり国のエネルギー政策に協力・共存してきた地元住民の生活設計に対する不安が非常に大きくなっており、早急に結論を出すべきである。
これまでのエネルギー・防災対策特別委員会及びエネルギー・危機管理対策特別委員会での原発に関する審議は、ほとんど国や四国電力関係者を参考人招致して行われており、異なる立場の意見を聞きたかったところである。また、新規制基準において事故の発生確率を100万年に1回と設定していることは理解できず、再稼働については容認できない。
提出された請願には、個々の請願者の思いがあるのであり、ひとまとめにして審査するべきではない。また、批判的意見に対しても真摯に向き合い議論することが、県議会の責任であると考える。
などの意見がありました。