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平成18年6月

1.総務企画部会長報告 (白石 徹 部会長)

1)県有財産の売却について
(質問)
 17年度における県有財産の売却状況と今後の見込みはどうか。
(答弁)
 17年度の県有財産の売却件数は9件で、売却額は18億4600万円となっている。そのうち、主なものは元知事公舎が8億5500万円、今年2月に売却した県道後駐車場が7億5500万円である。
 今年度は、現段階で3件売却し、売却合計額は12億4600万円となっており、このうち主なものは元若草町職員住宅の11億4800万円である。
 今後も、条件の整ったところから、順次、売却を進めていきたい。
(要望)
 県の歳入を確保するため、売り急ぎすることなく、少しでも高く売るための方策を講じてほしい。

2)自動車税等県税収入の確保について
(質問)
 自動車税の納付に関し、休日・夜間に収納窓口を設置したが、その効果はどうか。また、たばこ税の税率引き上げによる県税への影響額はどうか。
(答弁)
 自動車税納期内納付キャンペーンとして、県内主要ショッピングセンター12店舗に出張収納窓口を設けたほか、地方局においても夜間や休日に収納窓口を設け、これらの窓口で3,912件、約1億5000万円の自動車税を収納した。件数、金額とも昨年の5割増の成果を上げている。
 また、たばこ税の税率引き上げによる県の増収額については、約2億円を見込んでいる。

3)松山空港の施設整備について
(質問)
 今年度の松山空港の施設整備の内容と今後の整備計画はどうか。
(答弁)
 18年度は、航空機の小型化等による増便に伴い、既設の建物に影響のない範囲で駐機場を拡幅するほか、現在、屋外に出て搭乗している小型機利用者の雨天時の利便性向上を図るため、全国で初めての蛇腹式のエプロンルーフを1箇所設置する予定である。
 また、設置後30年を経過し腐食が進んでいる進入灯台を更新することとしている。
 今後の整備予定としては、不法侵入対策のための外周柵の改良、バス乗降場の新設、滑走路舗装の更新等が予定されており、このうち、バス乗降場については、現在、空港ビルから離れた第2駐車場付近にあるものを、利用者の利便を図るため、空港ビルに隣接したタクシー乗り場付近に整備することとし、今年度設計を行い、19年度に完成する見込みである。

(その他の議論)
 ・歳出・歳入一体改革
 ・えひめ次世代協働ミーティング
 ・情報セキュリティ対策
 ・県政出前講座

2.環境保健福祉部会長報告 (渡部 浩 部会長)

1)愛媛県国民保護計画及び危機管理体制について
(質問)
 県は今回国民保護計画を策定したが、5日の北朝鮮のミサイル発射を見れば、有事はいつ発生するか分からない。今後は、県民の安全確保のため、市町と一体になり、地域での自主的活動の実施など、危機管理体制を構築する必要があると考えるがどうか。
(答弁)
 市町が国民保護計画を作成する際には、知事への協議が必要なので、適切な助言を行うなかで、市町との一体的危機管理体制を構築していきたい。
 なお、県では地域住民の防災力強化のため、自主防災組織の結成に力をいれており、国民保護の際の住民の避難や消火活動などにおいても、この組織の自発的な活動を期待したい。

2)障害者自立支援法について
(質問)
 措置費から自己負担へと制度が変わったことの周知や広報はどのように行われているのか。
 また、障害者はサービス利用による負担増に不安を抱いているが、どの程度利用者負担が増えるのかとただしたのであります。
(答弁)
 県のホームページに概要を掲載するとともに、昨年度は約40回、3,400人程度に、今年度も約20回説明会を実施し、障害者や関係者に周知を図っており、その際に得た意見のうち、必要なものについては、国にも要望して参りたい。
 なお、利用者負担については、モデルケースで通所授産施設で1万2,500円、入所更生施設で2万円の増加となる。

3)障害者の雇用について
(質問)
 2月定例県議会で知事から前向きな答弁があった県庁での障害者のインターンシップ制度の取組み状況はどうか。
(答弁)
 障害者を研修生として受け入れ、就業体験の機会を提供するため、今年度2回に分けて実施する。
 7月24日から2週間程度で、精神障害者能力開発訓練施設から4名、11月に第三養護学校高等部から3名の受け入れを予定している。
 職場訓練の一環として実施するものであるが、この制度の導入により、障害者雇用について県下の民間企業への波及効果を期待している。

(その他の議論)
 ・伊方原発のプルサーマル計画、耐震安全性、湿分分離加熱機の異常
 ・児童手当制度実施事業費等の減額補正予算専決処分の理由
 ・難病患者団体等への補助金
 ・特定不妊治療の状況

3.農林水産部会長報告 (猪野 武典 部会長)

1)県産農林水産物等のブランド化について
(質問)
 県産農林水産物等のブランド化を推進してほしいが、具体的にどう取り組んでいくのか。
(答弁)
 えひめ愛フード推進機構が、ブランド認定のガイドラインを定めることとしており、このガイドラインに適合するものをブランドとして認定する。
 認定したものは、認定マークを付けて全国的にPRしていく。これら認定された生産物は、安心・安全を基本に、高品質なものということで販売される。
 消費者が何を求め、生産者がそれにどう対応して生産するか、即ち、マーケット・インの考え方をもとにブランド化を進めていきたい。

2)WTO農業交渉について
(質問)
 WTO農業交渉が進められているが、これまでの状況はどうか、また、交渉の結果によってはどういう影響が出るのか。
(答弁)
 WTO農業交渉については、現在、関税削減率等に関して取りまとめるための交渉が行われている。
 当初の予定では、昨年12月の香港閣僚会議において合意を目指していたが、輸入国と輸出国の意見の隔たりが大きいことから、交渉はまとまらず、6月末に開かれた非公式閣僚会合でも合意が得られず、7月末に先送りされるなど、交渉は難航を極めている。
 また、米国などの輸出国は、上限関税の設定など厳しい提案を行っており、これが導入されれば、コメなどの重要品目の関税が大幅に引き下げられ、いわゆる関税による防波堤機能が働かなくなる。
 このため、本県にも例外なく外国産農産物が流入することから、農業者の生産意欲の減退やそれに伴う生産量の減少が懸念されるなど、本県農業は大きな打撃を受けることとなる。

3)漁業資源の現状について
(質問)
 宇和海の漁業生産が落ち込んでいるが原因はなにか、また、国や隣接県と連携した漁場整備はしないのか。
(答弁)
 宇和海は、黒潮に乗って回遊してくるマイワシ、アジ、サバなどを対象としたまき網漁業が発達していたが、漁獲の主体であったマイワシが激減したこと、また、バブル崩壊に伴い魚価が安くなったことで、生産額が低迷したものと考えられる。
 宇和海では、これまでは魚を集めて効率的に獲る魚礁漁場の造成を中心に進めてきたが、水産資源が減少しており、近年は、幼稚魚を育てるための増殖場造成事業に力を入れている。
 また、複数の県が連携して漁場整備が推進できる制度を、今年度、国が新たに創設したので、今後、国や隣接各県と事業実施の可能性について検討していきたい。

(その他の議論)
 ・南予地域の第一次産業の振興
 ・担い手による品目横断的経営安定対策畜産農家の経営状況
 ・農薬の飛散防止対策
 ・宿毛湾入漁協定

4.警察経済部会長報告 (戒能 潤之介 部会長)

1)若年者の雇用対策・人材育成について
(質問)
 平成16年7月にオープンしたジョブカフェ愛workの利用状況はどうか。また、今後の運営方針はどうか。
(答弁)
 これまでの実績は、本年6月末現在で、利用者数が延べ11万9千人、就職決定者数が2千3百人と順調に成果を挙げている。
 更に今年度からは、キャリアカウンセラーを2名増員し、今まで以上にカウンセリングの充実を図るほか、長期・短期のインターンシップや企業・若者交流会の実施などを通じて企業と若者の接点を強化している。
 また、このジョブカフェ愛work事業は、18年度で終了する経済産業省のモデル事業を活用しているが、県としては、経済団体、教育機関、NPOなど関係者の協力を得て、7月19日に設立する予定の仮称「えひめ若年人材育成推進機構」において自律的な取組みを行うとともに、この機構を愛workの運営主体とすることにより、これまの成果を継承・発展させていきたい。

2)県立病院における医師の確保について
(質問)
 県立病院では医師が不足していると聞くが、不足の状況や今後の見込みはどうか。
(答弁)
 平成18年度は、県立病院でも南宇和病院や三島病院などで医師不足の状況となっている。
 16年度から医師の臨床研修の義務化が始まったことや大学を卒業した若い医師には、専門知識を深めるため、都会の病院への就職希望が多いこと、大学院への進学者が増加したことなどが原因である。
 今後も大学に対して県立病院の医師確保について強力に働きかけていきたいと考えている。
 なお、当面は中央病院を中心として、医師を派遣することにより、県立病院としての診療機能の確保を図っている。

3)捜査情報の流出問題について
  冒頭、警察本部から県民に対する陳謝がありました。
(質問)
 警察官一人一人がどのようにデータを保存しているか、また、それを上司がどう把握するのかが、今後の対策上、重要ではないか。
(答弁)
 職場で使用するパソコンはハードディスク内に、また、持ち出し用パソコンについては外部記録媒体等にデータを保存している。
 今後は、1箇月に一度、上司が保存データを確認し、不要なデータを削除するなどの点検を実施していきたい。
 なお、将来的には、情報を一元管理できるシステムを構築する必要があると考えている。

4)現職警察官のけん銃の所属保管及び配置換えについて
(質問)
 現職警察官の配置換え取消しの裁決について、再審請求して県民に理解を求める行動を示すべきではないか。
(答弁)
 再審請求は制度上認められており、審理中の国家賠償請求訴訟もあることから、県警の主張をしっかり伝えることができるよう努力してまいりたい。

(その他の議論)
 ・アクティブ・ベンチャー支援事業
 ・西条地区工業用水道事業
 ・違法駐車取締り

5.建設部会長報告 (赤松 泰伸 部会長)

1)安心・安全な道路の維持管理について
(質問)
 安心・安全に通行できる道路の維持管理が重要であると思うが、路面に開いた穴などにより管理責任を問われている事例があるのではないか。
 また、道路の維持管理については今後どのように考えていくのか。
(答弁)
 管理瑕疵を問われた事案は、平成14年からの3年間では54件あり、その原因は、道路の穴、落石、あるいは安全施設の不備などであり、示談や判決により2,975万円を支払っている。
 財政状況が厳しい中、道路の延伸や交通量の増加、施設の老朽化、さらには住民ニーズの多様化などに伴い、サービス水準の維持に苦心している現状にあるが、今後は、極力、効率化を図り、サービス水準自体も検討し、必要な予算を要求していきたい。
(要望)
 県は県民から裁判に訴えられることのないよう、責任を持って維持管理を行ってほしい。

2)JR松山駅連続立体交差事業について
(質問)
 急転直下、事業を前向きに進めていくこととなったが、関係する松山市との協議状況などはどうか。
(答弁)
 7月3日に松山市から7項目からなる提案書が提出され、明快な協力姿勢が示された。
 その主な内容は、駅西口南江戸線の路面電車の延伸事業は市が施行する。JR四国の現車輌基地を計画的に市が買収し、伊予市・松前町に計画している新車両基地への移転費用に充てる。また、高架橋を建設した後は現在の線路敷地が残るが、この土地の処理についても市は県と協力してJRと協議・調整を図る。さらには、今後新たに生じる問題も含め、鉄道高架事業の円滑な推進に積極的に協力するなどであり、これらを内容とする提案を得たので、事業を進めていくことになった。
(要望)
 今後も大変であろうが、地域住民や県民のために積極的に取組んでほしい。

3)河床堆積土砂の撤去について
(質問)
 平成16年の災害により土砂が堆積し危険な状態となっている河川があると思うが、その後の土砂の撤去状況はどうか。
(答弁)
 平成16年の一連の台風により堆積した土砂の撤去は、16年度内に災害復旧事業などにより100箇所、19万立方メートルを撤去している。
 17年度には新たに導入した治水対策協働モデル事業などにより16万立方メートルを撤去している。
 さらに、18年度は、治水対策協働モデル事業により、国領川、中山川で、合計5万立方メートルを、その他の事業により10万立方メートルを撤去する予定である。
 各河川には、まだ、十分に撤去されていない箇所もあり、今後も各事業を活用し、対応していきたい。
(要望)
 今後の災害予防の面からも、堆積土砂の撤去を計画的に行ってほしい。

(その他の議論)
 ・建設産業再生支援
 ・公共事業の予算の確保
 ・災害復旧の状況
 ・県営住宅の家賃滞納状況

6.文教部会長報告 (田中 多佳子 部会長)

1)人材確保法の見直しを含めた教員給与の引き下げについて
(質問)
 国が行政改革の一環として検討している教員の給与縮減について、どのように考えているか。
(答弁)
 人材確保法は、学校教育が次代を担う青少年の人間形成の基本を成すものであるということから、優れた人材を確保し学校教育の水準の維持向上を図るため制定されたものである。特に教員の仕事というのは単に時間や量的なもので測れないところがあり、その特殊性を考慮した給与制度になっている。
 また、教員の勤務実態は正規の勤務時間以外に部活動や生徒指導などに大きな労力を注いでおり、財政論理だけで給与をカットすることは、実態とかけ離れたものになり、教育の質の低下を招くことは必至である。
 従って、県教育委員会としては、人材確保法の廃止や大幅な縮減には反対であり、今後とも、法の趣旨を尊重し、守っていくことが必要と認識している。

2)愛媛国体の開催準備について
(質問)
 近年の財政難により、国体競技会場は既存施設を有効活用しようとする動きがあるが、愛媛国体での方針はどうか。また、県武道館のような大規模施設を新設しなくても対応できるのか。
(答弁)
 愛媛国体の施設整備については、先般4月に国体準備委員会の常任委員会において、原則、学校体育施設を含む既存施設を最大限活用し、県内に利用可能な施設がない場合は、新設又は仮設、あるいは止むを得ない場合、県外施設の利用も視野に入れて幅広く検討するとの基本的な方向が示された。
 愛媛国体では、競技種目は37競技を予定しており、そのうち、例えば、水泳プールやクレー射撃場など、県内に国体の基準を満たしていないものも一部あるが、大部分の競技は既存施設で実施可能ではないかと考えている。具体的には、今後、市町や競技団体と協議しながら、会場地を選定していく中で検討していきたい。

3)学力の調査について
(質問)
 競争を否定するものではないが、国や県が学力調査を行うことは、過去にみられたように行き過ぎた競争につながるのではないか。
(答弁)
 この問題は過去に行き過ぎた状況もあり、長く行われてこなかったが、愛媛の子どもの教育の成果が本当に上がっているかどうか現状を確かめるデータがない状況となっていた。このため、まず、子どもたちの学習状況をしっかり把握し、その結果を指導方法の工夫や改善に生かすことをねらって、平成16年度に38年ぶりの学習状況調査を実施した。
 なお、この調査の結果については、過度の競争につながらないよう、県全体の状況は公表しているが、学校ごとの結果は公表していない。
 教育は切磋琢磨することも大切であり、学習指導要領に基づく、しっかりとした学力を身に付けさせることも必要と考えており、国が来年4月24日に実施する予定の全国的な学力テストにも協力していきたい。

(その他の議論)
 ・県から市町への教職員人事権の移譲
 ・子どもたちの農業体験
 ・学校における男女の扱い等に関する調査
 ・性教育のあり方
 ・県立学校の再編整備