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平成17年12月

1.総務企画部会長報告 (黒川 洋介 部会長)

1)職員の給与に関する条例の改正について
(質問)
 今回の給与見直しと財政構造改革に盛り込まれた給与カットとの関係はどうか。また、導入される査定昇給と評価方法の内容はどうか。
(答弁)
 今回の見直しは、民間、国、他の都道府県との均衡を図るために給与制度自体を抜本的に改正しようとするものであり、これに対し、給与カットは、財政再建準用団体への転落を回避するという財政事情を勘案し、特例条例により給与を臨時的に減額するものである。
 また、査定昇給については、昇給の区分を5段階設け、勤務成績が適切に反映されるようにし、段階ごとの割合は今後検討していく。評価方法に関しては、人事委員会勧告においても、勤務成績の給与への反映が柱の一つとなっており、客観的な基準により公平公正に行っていく。

2)財政構造改革について
(質問)
 財政再建準用団体に転落する基準はどうか。また、県民に対し、県の財政状況を十分説明し、理解してもらう必要があると思うがどうか。
(答弁)
 標準財政規模の5%以上の決算赤字が発生した場合に財政再建準用団体となる。本県の場合、標準財政規模は約3000億円であり、決算でその5%の150億円程度の赤字となれば、財政再建準用団体に転落することとなる。
 県民への周知は大事なことだと認識しており、財政構造改革基本方針案を県のホームページやさわやか愛媛12月号に掲載したほか、市町や各種団体への説明会を通して、多くの人に理解してもらう努力をしている。
 今後も、引き続き県民への周知に努めたい。

3)愛媛FCについて
(質問)
 愛媛FCのJリーグ昇格は、地域の活性化に大きく寄与すると思うが、今後、県として愛媛FCの経営安定にどのように関わっていくのか。また、経営内容について、県民に対する情報公開をどのように行っていくのか。
(答弁)
 基本的には愛媛FCの経営努力が第一であり、県は愛媛FCの具体的な経営に関わっていくことは考えていない。
 しかし、愛媛FCの経営を安定させるためには、県民の盛り上がりが不可欠であり、県としては、市町や商工団体、経済団体等をはじめとする県民総ぐるみの推進組織を結成し、盛り上げていきたいと考えている。
 また、経営の専門家等からなる委員会を設置し、審議の過程については、できる限り情報公開を行っていきたい。

(その他の議論)
 ・私立学校におけるアスベストの使用状況
 ・ゼロ予算事業と職員提案制度
 ・松山空港の運航状況
 ・愛媛県後期実施計画の推進

2.環境保健福祉部会長報告 (本宮 勇 部会長)

1)国民保護法に基づく訓練について
(質問)
 11月に美浜原発でテロを想定した訓練を実施したと聞いているが、本県における動向はどうか。
(答弁)
 11月下旬に福井県美浜町で行われた訓練は、国、県、地元市町、関係機関及び地域住民が参加した国民保護法に基づく全国初の実動訓練であったが、本県も関係職員を派遣し、訓練状況を視察した。
 現在、本県では、国民保護計画を策定中であり、来年度以降、実動訓練及び図上訓練を県内で実施されるよう国に要望していきたいと考えているが、現在、実施している総合防災訓練や原子力防災訓練と連携した訓練も検討した。

2)資源循環優良モデル認定制度について
(質問)
 先日、三重県が認定した優良リサイクル製品に有害物質が含まれていたという報道を聞いたが、本県の優良リサイクル製品等の認定状況や審査の過程はどうか。
(答弁)
 環境に配慮した優良なリサイクル製品等を知事が認定する資源循環優良モデル認定制度は、13年度から実施しており、これまで優良リサイクル製品が21製品、優良循環型事業所が24事業所、優良エコショップが24店舗の合計69製品等を認定してきた。その認定までの審査過程においては、まず局内審査において、安全性に問題があるものなどは除外している。また、現地調査により、安全性や環境への取組み姿勢などを確認したうえで、学識経験者などで構成する審査会で審査を行い、その結果に基づいて知事が認定をすることにしている。
 なお、来年度からは、建設研究所において、製品の有効性を確認することにしており、認定を行うリサイクル製品の安全性については、慎重な審査を行っている。

3)新型インフルエンザ対策について
(質問)
 新型インフルエンザ対策として、タミフルの備蓄計画はどうか。
(答弁)
 厚生労働省の発表によると、タミフルの行政備蓄目標は、国1,050万人、都道府県1,050万人の計2,100万人分となっており、本県の割当は12万2,000人分である。そして流通備蓄目標は、400万人分となっている。
 また、製薬会社との交渉は国が一括して行い、備蓄開始時期は早くて平成18年度末で、全て配備されるのは平成19年度となる見込みであり、新型インフルエンザが発生した場合は、製薬会社に行政備蓄分の払い戻しを行って、市場の流通を増やすように計画している。
(質問)
 新型インフルエンザ対策として、現在、策定を進めている県の行動計画の概要は、どのようなものか。
(答弁)
 行動計画には、患者見込数をはじめ、発生・流行段階の設定、そして予防と封じ込め対策など新型インフルエンザの総合的な対策内容を盛り込む予定である。

(その他の議論)
 ・プルサーマル問題
 ・防災意識の啓発
 ・社会福祉事業団への支援
 ・介護保険制度見直しの影響

3.農林水産部会長報告 (寺井 修 部会長)

1)来年度の農林水産部の対応について
(質問)
 農業振興は極めて重要な課題であるが、本県の財政が大変厳しい状況にある中で、農林水産部として来年度はどのように対応していくのか。
(答弁)
 18年度予算においては、全庁的な予算編成方針に沿って、事業をゼロベースから見直し、優先度・重要度・緊急度の高いものから優先的に実施していくよう検討を進める。
 現在の本県農業が抱えている厳しい農政課題に対応していくためには、限られた財源の中で、選択と集中の観点に立って、認定農業者や集落営農の組織化等、意欲ある担い手の確保・育成、地域の特色に応じた競争力のある産地の形成等の施策をより効果的・効率的に推進する必要がある。
 さらに、将来に影響のある生産基盤の整備や試験研究などには今後とも力を入れなければならないと考えており、18年度は農林水産業の初年度であるという意気込みで努力していきたい。

2)温州みかんの生産対策と販売価格の動向について
(質問)
 本年11月下旬に実施された温州みかんの緊急出荷調整の実施状況等はどうか。また、実施後の販売価格の動向はどうか。
(答弁)
 今回の緊急出荷調整に対して、全農愛媛県本部では、JA別に調整数量を配分するとともに、加工原料用に仕向けられた果実に対する価格補填を独自で実施している。
 現在、農業団体で取りまとめ中ではあるが、出荷量の約2割に当たる2,400トン程度が出荷中止や加工原料用へ仕向けられる出荷調整計画となっている。
 また、農業団体では、消費拡大を図るため、全国の主産県の連携により、関東と関西の主要量販店69店舗でみかんフェアを実施し、大阪ではみかん祭り2005を開催するなど、みかんの美味しさをアピールし、販売促進に努めている。
 こうした価格回復対策の結果、京浜市場においては、販売価格の急激な回復は見られないものの、11月24日頃から僅かながら上昇し始めており、一定の下支え効果はあったものと受け止めている。
 今後は年末の贈答需要期に入り、中生のみかんの出荷も本格化することから、一層の価格上昇を期待しているところである。

3)真珠の生産見通しについて
(質問)
 真珠の浜揚げ作業が始まったようであるが、本年度産の真珠の品質や生産量の見通しはどうか。
(答弁)
 11月30日に浜揚真珠品評会が開催され、成績優秀な15点が表彰された。そのうち、本県の水産試験場が選抜した、アコヤ貝を親貝として生産された母貝を使用した真珠が3点あり、中でも2点が農林水産大臣賞、水産庁長官賞を受賞した。
 その他、宇和島市の日振島沖で養殖された、感染症にかかっていない母貝を使用した真珠が3点入賞しており、隔離漁場の有効性も示されたと考えている。
 また、生産量については、春先に低水温が続いたことによってへい死が発生したため、昨年の7割程度になると見込んでいる。
 価格については、全国の真珠品質の状況や買い手の購買力にも左右されるが、昨年に比べると越しものの真珠が増加し、品質も良いことから、高価格での入札を期待しているところである。

(その他の議論)
 ・原油価格高騰による影響及び対応
 ・地方局再編及び試験研究機関の統合
 ・高病原性鳥インフルエンザ
 ・WTO農業交渉
 ・農協不祥事の状況及び指導

4.警察経済部会長報告 (明比 昭治 部会長)

1)県の歳出削減が県内企業に与える影響について
(質問)
 本県の18年度当初予算は、大幅に削減される方針と聞いているが、このことにより県内経済にどのような影響が出ると考えているのか。
(答弁)
 18年度当初予算編成は、まさにこれからであるが、予算編成方針では、県単事業、公共事業、大規模事業についても厳しい方針が示されており、建設業などに一定の影響が出て来るものと懸念される。
 経済労働部としては、これまで、新事業の創出や、既存産業の高度化・高付加価値化に取り組むとともに、雇用対策も重視しているところであり、来年度の予算編成に当たってはこれら施策を強化する方向で取り組むとともに、新規特別枠を精一杯活用しながら、地域経済の活性化と雇用対策に積極的に取り組んでいきたい。

2)病院事業会計に対する一般会計の負担金について
(質問)
 病院事業会計に繰り入れられている一般会計負担金の基準はどうか。また、平成16年度決算における負担金の額や全国での状況はどうか。
(答弁)
 県立病院は、民間医療に委ねることが難しい救急医療や周産期医療の確保及び大規模災害時の対応や感染症対策等の政策医療なども担っており、その性質上、地方公営企業の経営に伴う収入で充てることが適切でない経費などは、一般会計において負担することが公営企業法上規定され、個別、具体的には総務省が基準を定めている。
 なお、平成16年度においては、救命救救センター運営費負担金約12億円など、合計で約58億円が繰り入れられている。
 全国での状況は、各都道府県とも一般会計からの繰り入れが行われており、収益的収支に繰り入れられた病床1床あたりの本県の金額は242万円と全国平均の356万円を下回り34位となっている。
 また、一般会計の繰り入れを除いた収益的収支の状況は全国第8位となっており、経営成績は全国でも上位に位置づけられるものと考えている。

3)県警の捜査費問題について
(報告)
 平成13年度の捜査費執行状況に係る調査結果の報告がありました。
 総執行件数3万903件、執行額約1億2千万円のうち、40件、約21万円については、捜査費として本来執行し得ない使途に使われており、監査委員の指摘に応じて既に返還したものを除いて返還する。
 また、588件、約133万円については、本来執行し得る使途に使われているとの心証は得られたが、手続き上の問題が認められ、既に返還したものを除いて自主的に返還する。
 さらに、この調査結果を重く受け止め、今後、平成10年度から12年度、また、平成14年度から16年度の、合計6ヵ年における捜査費についても調査を実施する。
(質問)
 これら6ヵ年分の調査の目途はどうか。
(答弁)
 平成13年度分の調査を行った際に、他の年度分についてもかなりの部分の調査が進んでいるので、本年度末までに報告できるよう努力して行きたい。

(その他の議論)
 ・指定管理者制度
 ・新規学卒予定者の就職内定状況
 ・PET−CTセンター
 ・子どもの安全対策
 ・光センサー選果機問題

5.建設部会長報告 (河野 忠康 部会長)

1)名取トンネル災害復旧事業について
(質問)
 名取トンネル災害復旧事業の予算が、本議会に上程されているが、事業全体の概要と復旧までのスケジュールはどうか。
(答弁)
 災害復旧事業予算について、災害査定が先月実施され、一部削除された項目はあるが、概ね認められた。
 この事業は全体額が4億円を超えることから、今後国土交通省と財務省の本省間協議が進められ、1月半ばには事業が採択される予定である。
 このため、2月議会で工事請負契約に係る議案を上程し、速やかに着手したいと考えてはいるが、本省間協議が遅れると6月議会での対応も考えられる。
 なお、1月半ばに事業採択された場合、その後手続きや工事が順調に進めば、8月には現地着手、19年秋頃の工事完成が見込まれる。

2)指定管理者制度について
(質問)
 土木部では、指定管理者制度の導入を5施設予定しているが、経費削減額並びに削減の大きな要因は何か。
(答弁)
 5施設全体の委託料上限額と今年度の負担額の差は約2億2千万円で、18%の経費削減となっている。
 なお、それぞれの施設によって状況は異なるが、人件費の削減が大きな影響を占めている。
(質問)
 指定管理者制度導入にあたり、今までいた職員は、職場を失うことも考えられるが、雇用確保についての考えはどうか。
(答弁)
 指定管理者制度の導入に際し、最も心配したのは、地域の雇用である。
 このため、選定にあたっては、職員の雇用をどうするかを審査項目にするとともに、応募者のプレゼンテーションにおいても可能な限り雇用に配慮するよう要請した。

3)耐震強度偽装問題について
(質問)
 耐震偽装に関して行政もチェックがきかないなど検査体制に問題があると思うが、県の対応はどうか。
(答弁)
 県と特定行政庁が行った再チェックの結果、本県では、調査物件の中には不適切・不自然な物件や姉歯建築設計事務所が関わった物件はなかったが、今後は、相談窓口の設置や、構造計算書に問題がなくても図面と照合し、不自然な部分があれば、担当者にヒアリングするなどチェック体制を整備することとしている。
 なお、国では、現在、建築確認制度の全般的な見直しを検討しており、制度が改正されれば、適切に対応したい
(質問)
 現在の確認審査体制の中で偽装工作の審査は可能か。
(答弁)
 今回の偽装の件のような耐震強度が半分以下の数値を使ったものについては、チェックは可能であると考えているが、全てについて審査段階でのチェックが可能とは言えないことから、経験を積んだ職員がチェックを行っていくなど体制を整備したい。

(その他の議論)
 ・有料道路の無料化と愛媛県道路公社の解散
 ・平成17年の公共土木施設の被災状況と復旧状況
 ・電子入札の実施

6.文教部会長報告 (岡田 志朗 部会長)

1)児童生徒の登下校時の安全確保について
(質問)
 特に、低学年の下校時の問題が大きいと考えており、きめ細かな対策が必要と思うがどうかとただしたのであります。
(答弁)
 広島県・栃木県で連続して発生した事件を受けて、8日に臨時の市町教育長・県立学校長・教育事務所長会を開催し、当面の対策として「通学路の安全点検の徹底」、「登下校中に極力一人にしないための方策の検討・実施」、「犯罪から身を守るための安全教育の徹底」について緊急に実施する旨の申し合わせを行った。
 特に、下校時対策については、学年毎の集団下校の実施や安全ボランティア組織等に下校時間を事前に連絡して見守ってもらうなど、きめ細かな対策への取組みについて強く指導していきたい。
(質問)
 通学路の安全マップの作成や不審者情報の把握、学校安全ボランティアの組織状況はどうか。
(答弁)
 通学路の安全マップについては近々作成するところを含め約75%の学校で作成されている。不審者情報については、本年4月から11月までに200件以上あったことから、各学校に対して、警察と連携を図りながら、保護者や地域の関係機関等と情報を共有するよう指導している。
 また、学校安全ボランティアについては、今年度から配置したスクールガードリーダーの指導もあり、小学校での組織率は4月には33%であったが10月末には42%まで伸びてきており、今後とも、さらに組織化を推進するよう指導したい。

2)教員の信頼回復への取組みについて
(質問)
 相次ぐ教員の不祥事は個人の問題だけでなく、組織の問題でもあるが対応はどうか。
(答弁)
 市町教育長や県立学校長等による臨時の会において、教員の不祥事撲滅に向けて改めて共通意識を持って当たるため、「児童生徒や保護者、地域社会との信頼関係づくり」、「服務規律及び社会規範厳守の厳正指導」、「全体の奉仕者としての自覚の徹底」、「児童生徒の人権を重んじ守り育てる指導の徹底」について緊急に取り組むことを申し合わせた。
 特に、学校現場での教員間の人間関係の構築やコミュニケーションの向上を一層図るなど、学校現場における勤務環境の改善に努めたい。
(要望)
 教員の不祥事はあってはならないことであるが、1万人を超える教員数から見て、起こりうるという心構えで組織を見直して欲しい。

3)指定管理者について
(質問)
 生活文化センターの指定管理者として、補欠候補であった株式会社ウインが選定された経緯はどうか。
(答弁)
 県民文化会館等指定管理者選定審査会において、「適正かつ確実な管理運営ができるか」、「利用者へのサービス向上が図られるか」、「収入確保と経費縮減への取組みはどうか」の3点を中心に、文化振興財団と株式会社ウインの計画を審査した結果、両者とも基本的維持管理能力を有しており評価点数も僅差であったこと。また、株式会社ウインは、宣伝広報への積極的取組や委託料の縮減のほか、民間の活力やノウハウを活かした経営改善が期待できることから総合的に判断して決定した。
(要望)
 指定管理者制度の導入が県民サービスの低下にならないよう、また、3年後の県民の声にも留意して欲しい。さらには、いかに県民のために有効かつ安く経営できるか研究の余地があり、他の公の施設についてもさらに検討を進めて欲しい。

(その他の議論)
 ・義務教育費国庫負担制度
 ・教職員の給与