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平成23年6月

1.総務企画部会長報告 (泉 圭一 部会長)

1)被災幼児生徒私立学校授業料等減免事業補助金について
(質問)
 この事業の対象となる被災幼児生徒の本県への受入れ実績及び当該補助金に係る予算措置の状況はどうか。また、事業対象者となるための要件は、どうなっているのか。
(答弁)
 今回の東日本大震災による被災地域からの本県への受入実績は、6月30日現在、私立幼稚園で15名であり、予算措置に当たっては、今後の変動に対応できるよう、実績の1.5倍を見込んでいる。
 また、事業対象者となるためには、「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」を受けた政令により定められた市町村に居住していて被災し、授業料等の納付が困難であることが要件であり、罹災証明書や被災証明書のほか、運転免許証や健康保険証、さらには事務担当者による聞き取り等による確認方法が、国によって示されている。

2)課長級昇任試験について
(質問)
 課長級昇任試験を実施すると聞いているが、検討状況はどうか。
(答弁)
 組織の活性化に向けては、意欲、能力のある職員を積極的に登用することが重要であることから、知事公約でもある課長級昇任試験について、本年度から実施することとしている。
 実施方法については、特別職等による面接重視を基本として、導入後10年余りが経過し定着している松山市の実施状況をベースとし、若手の登用など、県としての工夫を加え、真に優秀でやる気のある職員を厳選できる制度となるよう、現在最終的な詰めの作業を進めているところである。
 なお、受験対象者は、一定の実務経験を要件としたいと考えているが、他の制限を加えるつもりはない。

3)愛媛国体開催に向けた準備状況について
(質問)
 愛媛国体の会場地の選定状況はどうか。また、指導者の養成などにより競技力の向上を図るためには、教育委員会との連携が不可欠と考えるがどうか。
(答弁)
 愛媛国体で実施する38競技のうち、水泳、馬術、センターファイヤーピストルを除くライフル射撃、カヌーのスラローム・ワイルドウォーター、クレー射撃の5競技については、県内に国体基準を満たす施設がなく、開催地が決まっていないが、国体後の施設利用も見据え、施設の新設、改修等の妥当性などの観点から、現在、市町や関係競技団体と会場地を検討しており、今後の準備業務を円滑に進めるため、国体開催内定の平成24年度中を目指して方向性を出したいと考えている。
 また、競技力向上対策については、学校現場との連携が重要であることから、その対策は引き続き教育委員会が所管しており、学校等との連携を図っている。

(その他の議論)
 ・県庁本庁舎の耐震化
 ・東日本大震災被災地への職員派遣
 ・市町との人事交流
 ・県民主役の県政の推進
 ・南予地域の活性化対策
 ・地上デジタル放送難視聴解消支援事業

2.環境保健福祉部会長報告 (住田 省三 部会長)

1)伊方原子力発電所3号機の再起動について
(質問)
 原子力発電所の安全対策は、国の安全基準に基づいて行われることとなっているが、伊方原子力発電所3号機の再起動について、安全対策はどのようになっているのか。
(答弁)
 原子力の安全に対する審議については、これまでも副知事を会長とした伊方原子力発電所環境安全管理委員会で、伊方原子力発電所の環境放射線、プルサーマル、原子炉の安全性等について審議されているところである。
 また、国、県から四国電力に対して安全対策の要請、指示等が出ており、これらを踏まえた四国電力の対応については、5月10日に開催された委員会で、国の原子力安全・保安院、四国電力から、その内容について報告、説明があったところであり、引き続き審議いただきたいと考えている。
 県としては伊方原子力発電所の安全性の確保が最重要と考えており、この面について万全を期していきたい。

(関連意見)
 伊方原子力発電所3号機の再起動について、県民の不安が解消できるよう情報発信や説明をしっかりとしてほしいとの要望があり、また、四国のエネルギー事情を考えると時間的にあまり余裕がないことを認識して対処していくべきとの意見があった。

2)津波対策について
(質問)
 津波対策では、今回の予算で実施されるソフト対策の見直しに加え、海岸保全施設などのハード整備の基準の見直しも必要となるが、どう連携していくのか。
(答弁)
 ハード整備については、国が被害想定を見直していることから、その結果に基づき、国から対応策が示されることとなる。
 津波対策は、ハードとソフトの両面が一体となった取組みが必要であることから、庁内に地域防災計画検討会を設置し、課題の洗い出しを進めており、この中で総合的な検討も行うこととしている。
 また、関係5市町、愛媛大学等で構成する津波災害対策検討会を設置し、緊急時の情報伝達や避難の仕方などについて検討を行い、その成果を全県に広く周知するとともに、自主防災組織の要となる防災士を中心として地域防災力の向上に努めることとしている。

3)えひめ愛顔の助け合い基金について
(質問)
 えひめ愛顔の助け合い基金は被災者のニーズを踏まえた事業に活用することが必要と考えるが、どのように充当事業を決定しているのか。
(答弁)
 基金の充当事業の検討にあたっては、被災地に派遣している職員からの報告等によるほか、庁内に設置した避難者支援等対策班の総合相談窓口や市町を通じて避難者の声を汲み取るなど、様々な方法でニーズの把握に努めている。
 充当事業は、こうしたニーズを踏まえ、各部局が検討した事業をとりまとめて基金運営委員会に提案し了解を得ているものである。
 今後も全庁的な視野で県をあげて基金を有効に活用するとともに、基金を活用した事業の内容や寄附の状況を周知することにより、寄附者を呼び込む息の長い取組みにしていきたい。

(その他の議論)
 ・原子力防災対策検討協議会
 ・被災地派遣職員の経験活用
 ・東日本大震災に伴うPTSDに対する支援
 ・ドクターヘリの導入

3.農林水産部会長報告 (高山 康人 部会長)

1)県内農産物の放射性物質検査体制について
(質問)
 県産農産物等放射線測定体制整備費では、測定装置を整備することとなっているが、機器も様々なものがあり、具体的にどのような機器をどこに配置し、運用するのか。
(答弁)
 県では、「県内産農産物の放射性物質調査実施要領」を定め、放射線量を測定するサーベイ・メーター7台を整備することとしている。県内のモニタリングポイントにおける空間放射線量に異常な値が出た場合、この機器で農産物の放射線量を測定することとしている。その検査結果で基準値をオーバーした場合は、原子力センターに搬入して詳細な定性分析及び定量分析を行うこととしている。
 配置場所は、農林水産研究所、西条市及び八幡浜市の家畜保健衛生所、久万高原町の林業研究センター、宇和島市のみかん研究所及び水産研究センター、伊予市の栽培資源研究所に各1台を設置し、農産物の安全性の確認の迅速化を図ることとしている。

2)林業等の緊急雇用対策事業の取組みについて
(質問)
 農林水産部における林業等の緊急雇用対策事業の実施状況はどうか。
(答弁)
 森林分野においては、平成20年度から22年度の3ヵ年で、「緊急雇用創出事業」や「ふるさと雇用再生特別基金事業」など併せて29事業、1,196,403千円を実施し、計画の378名を上回る536名の新規雇用を創出し、このうち40名は、林業事業体に正規雇用された。
 平成23年度においては、企業等からの提案事業を含めて12事業、675,915千円で192名の新規雇用を計画しており、林業担い手対策と連携を図りながら、森林分野における雇用対策に積極的に取り組んでいきたい。
 また、平成23年度から新たに、鳥獣害防止対策人材確保事業を実施しており、地域の鳥獣害防止対策の担い手や指導者となるJA職員の育成を支援するため、4つのJAで9名雇用することとしている。

3)愛媛甘とろ豚の生産拡大計画について
(質問)
 愛媛甘とろ豚は、積極的な県等の取組みもあって、県内外で高い評価を得ているようだが、飼育農家が一部の農家に限られていると聞く。生産拡大計画の考えはどうか。<
(答弁)
 昨年4月から販売されている愛媛甘とろ豚は、現在4戸の農家で生産されており、生産頭数は、平成22年度が約1,400頭余りで、平成23年度は2,800頭を目標としている。販売価格は一般の豚と比べ2〜3倍高いが、現在のところ販売も好調に推移するなど、ブランド化が順調にスタートしているところであるが、生産拡大を急ぐと量販店での価格競争に巻き込まれかねない。このため、甘とろ豚のブランド戦略に沿って、堅実に生産拡大することが何より重要であると考えており、関係機関とも連携して取り組んでいきたい。

(その他の議論)
 ・えひめ・まつやま産業まつり
 ・農業普及指導員など技術職員の状況
 ・鳥獣害対策
 ・優良ピース貝の研究

4.経済企業部会長報告 (黒川 洋介 部会長)

1)被災地学校修学旅行支援事業等について
(質問)
 えひめ愛顔の助け合い基金を活用した被災地学校修学旅行支援事業の状況はどうか。また、これを機に、県として修学旅行の誘致を継続してはどうか。
(答弁)
 被災地学校修学旅行支援事業については、現時点で6校が本事業の活用を希望し、3校が検討中であるが、すべての学校の希望を受け入れ、本県と被災地との学校交流など意義ある修学旅行にしていただけるよう調整していきたい。
 県では、今年度当初予算において、知事の公約でもある修学旅行とコンベンションの誘致について新たに予算化したところであり、従来から力を入れている松山市とも連携しながら誘致活動に取り組んでいる。こうした取組みを進める中での今回の事業であり、その成果等も生かしながら、今後、修学旅行の誘致に力を入れていきたい。

2)愛媛県EV開発プロジェクトについて
(質問)
 県では、EV開発プロジェクトを立ち上げ、コンバートEVのビジネスモデルの開発に努めているが、ゼロスポーツのEV事業を買収した渦潮電機との連携をどう進めるのか。
 また、EV開発プロジェクトにおける企業の事業化支援を加速すべきではないか。
(答弁)
 渦潮電機が新会社を設立して、7月からEV事業を本格的に開始されたことは、EV開発プロジェクトを進めている本県にとって大変心強いことだと考えている。
 この新会社との連携については、県との共同研究等が円滑に図れるよう、同社のEV研究室を、県のEV開発センターに隣接しているテクノプラザ愛媛内に開設する方向で、準備を進めているところであり、設置後はセンターとの共同研究の実施や、えひめ中小企業応援ファンド事業を活用した研究開発の支援などについても検討していきたい。
 また、EV開発プロジェクトにおいては、農業用機械の排ガス規制を踏まえ、企業との農業用機械の電動化に係る共同研究や、電動バイクの開発などにも取り組んでおり、幅広い分野でのEVの事業化を、スピード感を持って進めていきたい。

3)再生可能エネルギー等について
(質問)
 公営企業管理局として、再生可能エネルギーによる発電事業規模の増強等、更なる電気事業の拡大を検討する考えはないか。
(答弁)
 地球温暖化問題への対応やエネルギーセキュリティの観点から、再生可能エネルギーの利用拡大は重要であると認識している。
 ただ、事業化するには、採算性が重要な課題になると考えており、現在、政府において進められている、日本のエネルギー施策全般の見直しの動向を注視しているところである。考えられる事業としては、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電、小水力発電があるが、風力については騒音等の問題があり、太陽光については小規模なものは住宅用、大規模なものについては電力会社等を含め、民間が牽引しており、バイオマスについては原材料である木材などの量が確保できるか、といった課題がある。
 これらの点を考えると、独立採算を旨とする公営企業管理局としては、採算性を基本に、小水力発電について検討していきたい。

(その他の議論)
 ・伊方原発の電力供給量
 ・緊急雇用対策
 ・えひめ南予いやし博2012
 ・県立病院における情報管理
 ・県立今治病院の駐車場拡張

5.建設部会長報告 (鈴木 俊広 部会長)

1)木造住宅の耐震化について
(質問)
 耐震性のない木造住宅が15万戸あるが、今回計上している補助金の対象戸数100戸は妥当か。また、今後の市町との連携はどう考えているのか。
(答弁)
 今回の補助は、県内の木造住宅の耐震化が遅れている中、まずは耐震化の機運を盛り上げる第一歩と考えており、次年度以降の補助対象戸数は、300戸程度を計上して耐震化を促進していきたいと考えている。
 市町との連携については、本事業は市町が実施する耐震改修補助の市町負担分について県が半額負担するものであり、住民向けの補助制度の周知については、基本的には市町が広報誌等で行うものであるが、県としてもホームページなどで周知したい。
 さらに、建築業界団体や設計者に対して補助制度についての情報提供をして、制度普及の協力を依頼したいと考えている。

2)伊方原子力発電所からの避難路等の状況について
(質問)
 伊方原子力発電所からの避難路等の整備状況はどうか。
(答弁)
 伊方原子力発電所からの避難路については、伊方町及び八幡浜市の地域防災計画で、国県道・市町道等合わせて33路線、116kmが指定され、平成22年4月時点の改良率は77%である。そのうち、県管理道路は4路線、42kmで、改良率は78%、また市町管理道路は29路線、74kmで、改良率は77%となっている。
 今後は、福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、伊方原子力発電所から半径10kmを超えるかなりの広範囲で、避難路を確保しておく必要があると想定されることから、今後とも、国の動向にも注視しながら、引き続き避難路の早期整備に努めてまいりたい。

3)山間地における地震時のがけ崩れ対策について
(質問)
 東日本大震災では、山間地でもかなりの土砂災害が発生しているが、県下での危険箇所の状況及び今後の取り組みはどうか。
(答弁)
 本県は、土砂災害危険箇所が1万5,190箇所で、全国14番目という状況である。
 がけ崩れ対策については、ハード整備として、人家戸数10戸以上について、国の交付金を受け県が実施し、10戸未満の小規模なものについては、県が5分の3補助をし、市町が実施するなど優先順位をつけて整備を行っている。
 また、ソフト対策としては、土砂災害警戒区域の指定を順次進め、住民や市町の防災担当者に危険箇所の周知を図り、早期の避難に繋げるなどの総合的な取組みを引き続き実施していきたい。

(要望)
 東南海・南海地震等が起こった際、どの程度住居に被害が及ぶのかを具体的に示し、住民が危険を実感できるわかりやすい方策を検討してもらいたい。

(その他の議論)
 ・県が管理する国県道の防災対策
 ・社会資本整備に係る予算の確保
 ・河床掘削事業を行う基準

6.文教警察部会長報告 (徳永 繁樹 部会長)

1)東日本大震災への支援状況等について
(質問)
 これまでの教育委員会の東日本大震災への支援状況と今後の予定はどうか。
(答弁)
 震災発生後直ちに教職員やPTAに募金を呼び掛け、約8千万円の義援金を、日本赤十字を通じて被災地に届けたほか、本県に避難されている方々に対して、家庭訪問等による学校への円滑な受入れ、転入学に伴う入学金等の免除、教職員住宅の無償貸付け、図書館での被災地の新聞等の閲覧場所の提供など、きめ細かな支援を行ったところである。
 また、延49人の養護教員等を宮城県山元町の中学校へ派遣し、学校が再開され、軌道に乗るまでの間、支援をしてきたところである。
 今後は、被災した児童・生徒を支援するため、教員5名、大学生ボランティア3名の計8名を1班として、3班編成で夏季休業中に、宮城県山元町の2つの中学校へ派遣する予定である。

2)小中高等学校等における防災訓練等について
(質問)
 今回の東日本大震災では、防災訓練の効果が大きかったと聞くが、県下の小・中・高等学校の防災訓練の状況はどうか。また、特別支援学校における防災教育や避難訓練の状況はどうか。
(答弁)
 防災訓練は、学校保健安全法に規定があり、50名以上の学校については、消防法に基づいて避難訓練が義務付けられ、各学校の実態に応じて毎年実施している。
 訓練は、実践的に役立つことが重要であるため、地域を巻き込んだ多様な団体とも協働して実施する必要があり、地域防災計画とも連携し、避難所、避難経路等の見直しについても検討を行う必要がある。
 また、災害弱者である障害のある児童生徒の在籍する特別支援学校においては、全ての学校で危機管理マニュアルを策定している。
 しげのぶ特別支援学校、みなら特別支援学校にあっては、スクールバス乗車中の避難訓練を実施するなど、きめ細かい防災教育・訓練に取り組んでいる。

3)警察施設の耐震化及び津波対策について
(質問)
 国の施策等に関する提案・要望では、警察施設の中で、耐震診断の必要な建物が12棟、津波が来た時に位置不適とされている施設が3棟あるが、施設の耐震化と津波を想定した今後の対応はどうか。
(答弁)
 災害対策の拠点となる警察施設については、危険度の高い施設から計画的に耐震化工事を行いたいと考えており、工事が出来ない極端に強度が不足する施設の場合は、建替えによる耐震化についても考えていきたい。
 また、津波が来た場合に位置不適と捉えている3施設については、直ちに建替えは難しいが、耐震診断の結果を踏まえて、建替え又は耐震改修工事で対応していきたい。

(その他の議論)
 ・県立学校の耐震化
 ・公立学校裏サイト等の監視状況
 ・災害に備えた機動隊の装備及び訓練状況
 ・東日本大震災に伴う県警の特別派遣