トップ > 部会長報告 > 平成16年6月

平成16年6月

1.総務企画部会長報告 (竹田 部会長)

1)市町村合併が進む中での県のあり方について
(質問)
 市町村合併が進んで市町村が20以下になるというときに、県が今のままの機構でいいのか。
 国は県の存在をどう考えているのか。
 県は、将来どういう形で残っていくのか、残すべきであるのか。
(答弁)
 制度的なものとしては、地方自治法が改正され、これまでできなかった都道府県の自主的な合併ができることとなったほか、国の地方制度調査会では道州制に向けた論点が整理され、新たに発足した第28次地方制度調査会で今後具体的な議論がなされることになっている。
 また、四国4県でも「広域自治体の将来像についての勉強会」を設置し共同で検討してきたが、各県の考え方にバラツキがあり、具体的方向性を定めるには至っていない。
 県内部においても担当者レベルの研究を行っているが、そこでの議論を今後十分に深め、県としての方向性というものに練り上げていければと考えている。
 県としては、今後必要な方向に積極的にシフトしていくべきと考えており、さらに検討してまいりたい。

2)市町村合併における知事の勧告について
(質問)
 合併新法において、知事勧告ができるように規定されたが、その効力はどのようになっているのか。また、合併したくてもできない市町村を助けるような勧告はできないのか。
(答弁)
 合併新法では、知事が2種類の勧告を行うことができるようになっており、いずれも市町村の自主性を尊重する観点から、合併そのものを勧告するのではなく、合併協議会の設置と、合併協議が停滞している場合の合併協議の推進に関する勧告である。合併協議会の設置に関する勧告では、勧告を受けた場合、市町村長は、30日以内に合併協議会の設置に関する議案を議会に付議するよう義務付けられている。合併協議の推進に関する勧告は、この勧告に基づいて、どういう措置を講じたかの報告を求めることができることになっている。この2つの勧告とも、勧告を行う場合、相手方の市町村の意向を聞いて行うことになる。
 なお、この勧告は、県が策定する合併構想に位置付けられた市町村に対して行うことができるが、合併構想は、合併新法の下で、17年4月以降に、国の合併に関する基本指針を受けて作成することになり、県としては、この取扱いについては、国の指針が出てから、市町村の意向も踏まえて、検討したいと考えている。

3)松山空港国際線の利用促進について
(質問)
 国際線を利用した修学旅行においては、トラブルのないように、十分な事前調査が必要と思うがどうか。また、ソウル線は、ダイヤの関係で修学旅行には利用しにくいと聞いているがどうか。
(答弁)
 今回計上している予算において、高校の教職員や県教委の指導主事等による海外修学旅行促進対策チームを設置し、中国の主要都市を回って、保護者にとって最も不安な安全面、衛生面などを調査し、報告書をまとめることとしており、この報告書やこれまでのソウル線を利用した修学旅行の実績などを踏まえ、各学校が保護者と相談して修学旅行コースを設定することとなる。修学旅行の実施に当たっては、文部科学省の通達により、各学校の教職員が直接安全面などを確認する必要があり、この調査に要する経費についても支援することとしている。保護者の不安の解消に努めながら、ソウル線も含めて修学旅行の利用を促進したい。
 また、修学旅行は3泊4日のケースが多いため、現在のソウル線のダイヤでは利用が難しいことから、アシアナ航空では、冬ダイヤで、修学旅行に適した便の設定を検討中である。

(その他の議論)
 ・県地方機関の見直し
 ・三菱自動車のリコール隠しに伴う県公用車の取扱い
 ・警察捜査費の監査
 ・フリーゲージトレインの導入

2.環境保健福祉部会長報告 (田中 部会長)

1)伊方原発におけるプルサーマル計画について
(質問)
 プルサーマルの必要性についての見解はどうか。
(答弁)
 使用済み燃料に残っている資源の回収・再利用がプルサーマルであるが、国のエネルギー政策として核燃料のリサイクルを進めており、県としても政策そのものは現実的かつ妥当なものと考える。
(関連質問) MOX燃料は安全性等の問題もあり、再処理方法も確立していないため、早く結論を出すのではなく、情報をオープンにして、住民が十分に理解し、本当に安心・安全と思える状況にすることが必要だと思うがどうか。
(答弁)
 県民の安全・安心に関わる重要な問題であるため、技術専門部会や環境安全管理委員会の意見を踏まえ、より詳細な住民への説明が必要であると考えている。

2)有事と自主防災組織の関連について
(質問)
 本県は自主防災組織の組織率が低いとのことであるが、有事関連7法案が成立したことを受けて、有事と自主防災組織との関連はどうなるのか。
(答弁)
 防災時の助け合いなどが非常に大切であるとの観点から、自主防災組織の育成に努めているところであるが、国民保護法の成立を受け、今後策定する県の国民保護計画においても、武力攻撃災害等の際の住民避難や消火活動に同組織を活用する方向で検討したい。

3)合計特殊出生率と少子化対策について
(質問)
 15年の全国の合計特殊出生率が1.29との報道があったが、本県の状況もあわせ、この実態をどう捉えているのか。
 また、出生率減少の原因と、本県の少子化に対する今後の取組みはどうか。
(答弁)
 15年の全国の合計特殊出生率は過去最低であり、前年を0.03下回っている。本県は、前年を0.01上回った1.36であったが、少子化は全国的に依然として続いており、本県でも進行していくのではないかと考えている。
 また、少子化により、年金、労働力、社会経済の活性化への影響が予想されるところである。出生率減少の原因としては、従来の晩婚化に加え、夫婦の子供の数自体が減ってきていることもある。
 本県では、これまで、子育て支援対策は保育所を含めた施設対策を中心に進めてきたが、こうした施設を利用していない家庭においても子育てへの不安が増えているため、今後は、こうした家庭における子育てへの支援策にも力を入れていく必要があると考えている。

(その他の議論)
 ・DV防止法の改正内容と県の対応
 ・産業廃棄物税の導入
 ・食の安全・安心の情報発信
 ・今後の介護保険のあり方
 ・母子家庭等の現状と支援策

3.農林水産部会長報告 (岡田 部会長)

1)光センサー選果機問題について
(質問)
 選果機等施設補助金の凍結解除の見通しはどうか。また、県の取組はどうか。
(答弁)
 補助事業の再開については、国から、事実解明、関係者の処分、再発防止策の策定等が求められている。JAから市町村を通じて顛末書を徴しており、現在は、内容の精査や事実確認の作業を行っているところである。今後は、県の顛末書を作成し、国へ報告を行い、補助金返還等事後対策について協議することとしている。
 県としては、補助金の凍結解除を切望している農業者のためにも、1日も早く正常化が図れるよう、できる限り早く国との協議を開始したいと考えている。
(関連質問)
 国との協議はいつ頃開始するのか。
(答弁)
 できれば7月のはじめごろから協議を開始したい。

2)中山間地域等直接支払交付金制度について
(質問)
 交付金の実績はどうか。また、縮小、廃止が検討されているが県はどう対応していくのか。
(答弁)
 15年度の交付金の実績は59市町村で、交付総額は22億4千5百万円となっており、集落の共同取組活動経費に48%が使われている。
 県としては、中山間地域の振興のためには、なくてはならない制度と認識し、4月、6月には国に制度の継続の要望を行っており、今後も機会あるごとに働きかけてまいりたい。
(関連質問)
 この制度の継続に向けて全力で取組んでほしい旨の要望がありました。

3)漁船漁業の振興について
(質問)
 これからの漁船漁業振興のためには、天然資源の増大が重要と考えるが、今後、漁場の整備など、水産資源の維持・増大のためにどのように取組むのか。
(答弁)
 漁船漁業の振興には、種苗の放流や獲り過ぎないようにする資源管理型漁業の推進と稚魚が成育する漁場づくりを進め、水産資源の維持・増大を図ることが必要と考えている。そのため、従来から実施している魚礁設置に加えて、増殖場の造成を進めている市町村事業を支援するとともに、藻場を育てる県営事業も実施している。
(関連質問)
 全国的に磯焼けが問題となっているが、県内の磯焼けの現状・影響と藻場復活のための方針はどうか。
(答弁)
 これまでに、瀬戸内海及び宇和海で調査を実施し高知県境など一部の海域で藻場の減少等が見られるが、全国的な問題となっている大規模な磯焼けは認められてはいない。しかしながら、藻場は、多様な生物の餌料や幼稚魚の育成する場であることから、県としても、その保護育成が重要と考えている。このため、引き続き調査するとともに、環境に適した海藻を選んで、複合的に育成する藻場の造成試験にも取組む等、磯焼けの発生防止につながる対策を進めたい。

(その他の議論)
 ・気象情報の迅速な提供
 ・漁協合併
 ・森林環境税
 ・BSE問題

4.警察経済部会長報告 (寺井 部会長)

1)若年者の雇用対策について
(質問)
 若年者就職支援センターの概要はどうか。
(答弁)
 若年者就職支援センターは、7月16日にオープンする予定であり、利用者である若年者に対し、きめ細かい継続した相談を実施し、適性に応じた能力開発を行い、職業能力の向上を図っていく。
 その後、合同就職面接会等により就職を促進し、就職後も、巡回相談等を実施して、早期離職の防止を図り、就職から職場定着に至るまでの一貫した支援を行うこととしている。
 また、センターは全県エリアを対象に運営することとしており、遠方の方に対しては、メールによるカウンセリングやホームページのチャットを利用した職業相談などの方法により、直接センターに出向かなくても相談できるように工夫しているところである。

2)県立病院における医療安全対策について
(質問)
 県立病院の医療事故防止対策にどのように取り組んでいるのか。
(答弁)
 県立病院においては、これまでにも医療事故防止を病院運営の最重要事項として取り組んできており、各病院における医療安全管理対策委員会の設置、各病院へのリスクマネージャーの配置、病院各部署への安全管理担当者の配置など、安全管理体制の整備を図ってきた。
 また、本年4月には、「医療事故公表基準」を策定し、県民の医療に対する信頼と医療の安全管理の確保に資することとしたところである。
 さらに、本年5月下旬から6月上旬にかけて、医療安全の専門家を講師に招き、各病院において医療安全セミナーを開催し、医療安全管理活動の最新情報や医療安全対策の重要性を再認識させるための研修を行っており、今後とも、これらの体制整備や研修などを通じて、医療従事者の安全意識の徹底や資質の向上に取り組み、医療事故の未然防止に努めていきたい。

3)県警の捜査費不正支出疑惑について
(質問)
 報道されてから期間が経っているが、もっと早く事実解明ができないのか。また、今の段階でどの程度まで解明が進んでいるのか。
(答弁)
 報道された平成14年1月分の全警察署の捜査費関係文書等の確認を行っている。できる限り早急に調査をしていく。
(関連)
 警察経済委員会として、早く原因を解明すること、県民に対する説明責任を果たすこと、このことを警察本部長に要請をしてはどうか、との提案がなされ、当委員会としては、全会一致で、警察本部長及び警察本部に対し、今回の捜査費不正支出疑惑について、県民の信頼回復のためにも、早く事実を解明し、県民及び当委員会に説明することを強く要請いたしました。
(答弁)
 要請をしっかりと受け止め、今後、さらに体制等も強化しながら関係者の事情聴取など、早急に調査を進める。
 また、公平性、客観性を担保するためにも、第三者的立場から警察を管理している公安委員会に報告し、指導・助言を受けながら調査し、事実関係が判明次第速やかに公表する。
 調査の結果、改善すべき事項等があれば、改善することを堅く決意する。

(その他の議論)
 ・県内の景気動向及び雇用情勢
 ・工業技術センターの研究成果
 ・松山・松前工業用水の使用状況
 ・県立北宇和病院の廃止問題
 ・警察署の統廃合問題

5.建設部会長報告 (猪野 部会長)

1)三位一体改革による本県の社会資本整備への影響について
(質問)
 本県にとって必要不可欠な社会資本整備は、国が進める三位一体の改革により、今後どのような影響が出てくるのか。
(答弁)
 社会資本整備関係の補助金は、税源移譲の対象外となり、補助金のみが削減されることになる見解も示されており、平成17年度以降、大幅な事業削減も余儀なくされることも考えられ、その場合には本県の社会資本整備について将来の見通しが立てられないことになる。
 特に本県においては、今後、松山外環状道路や上島架橋等の大規模プロジェクトも控えており、その具体的な財源を確保することが課題となる。
(関連質問)
 三位一体の改革により財源的に厳しくなる中で、今後、社会資本整備をどのように進めていくのか。
(答弁)
 本県にとって社会資本整備はこれからも必要不可欠なものであり、直轄、補助、単独事業を効果的に組み合わせることにより、着実な整備を進めるとともに、国に対しても財源の確保を要望していきたい。
(関連意見)
 本県の社会資本整備を進めるためには、会派を超え、議会と理事者が一体となって、財源確保に努めるべきである。

2)入札・契約制度の改善について
(質問)
 先般、愛媛県建設業審議会から答申を受けた入札・契約制度の改善内容は、どのようなものか。
(答弁)
 入札・契約制度の改善に向けて、透明性や競争性を高めつつ、事務負担の軽減等を図るため、入札後審査型一般競争入札の試行を拡大すること。
 次に不良・不適格業者を排除し公共工事の品質を確保するため、工事現場に配置すべき技術者の審査手続の強化をすること。
 それから、建設産業の再編を促進するため、県内業者同士の合併等により設立された会社については、受注機会の確保に特例措置を講じることになった。

3)東予港港湾計画の改訂について
(質問)
 現在見直しが進められている東予港港湾計画について、どのような状況になっているのか。
(答弁)
 壬生川地区は、フェリー施設や日新製鋼等の増産計画に対応した拠点として、西条地区は、海砂利採取禁止後の代替材の確保や住友金属鉱山等の増産計画に対応した拠点を考えており、遊休地への企業誘致や藻場、干潟の自然環境保全にも配慮しながら、今後合併により誕生する新たな西条市の拠点港として、ふさわしい港湾計画の策定作業を進めている。

(その他の議論)
 ・県営住宅の明渡し等の訴訟
 ・山鳥坂ダム建設事業関連
 ・都市計画区域マスタープランの見直し

6.文教部会長報告 (薬師寺 部会長)

1)長崎県佐世保市での小学生殺害事件に関連した対応について
(質問)
 この事件を受けて、県教委としての今後の対応はどうか。
(答弁)
 この事件を受けて、各学校に「命を尊重する指導の徹底」を改めて通知した。
 子どもたちに善悪がわかる心を育てるよう指導するとともに、パソコンは便利な道具だが、適切な使い方についても、さらに指導していきたい。
(関連質問)
 この事件を受けて、今後情報教育の方針は変わるのか。
(答弁)
 全学校でパソコン使用に当たり、情報モラルの指導を行なっているが、さらにガイドラインを明文化するよう学校へ徹底するとともに、家庭でもパソコンの使い方について注意するよう呼びかけたい。

2)高校生の就職及び離職状況について
(質問)
 本県の高校生の就職及び離職状況はどうか。
(答弁)
 平成15年度末の県立高校就職希望者の就職率は、全日制、定時制を合わせて94.3%であるが、就職試験が開始された早い段階では、前年度同時期に比べて内定率が低く、第一志望の職場に就職するのは、例年より難しい状況であったと実感している。
 また、離職率については、全国では3年以内に約50%が辞める状況であり、今後本県の状況を毎年調査していきたい。
(関連質問)
 就職問題については、若者に働く喜びを教える必要があると考えるがどうか。
(答弁)
 今年度から高校生職場体験活動充実事業を実施するなどして職業指導の充実を図り、高校生が働くことへの自覚を深め職業意識を高める教育を推進して参りたい。

3)教員採用試験について
(質問)
 教員採用試験において、人物重視の二次試験を導入するとのことであったが、実施方法はどうか。
(答弁)
 17年度教員採用試験の二次試験では、面接官にPTAや学校評議員など民間人の起用を検討するとともに、個人面接や場面指導を取り入れ人物評価重視の選考を行いたい。
(関連質問)
 教員採用試験だけでは、適性を見抜けないところもあることから、条件付採用期間中に多方面から審査したり、この期間を延ばす考えはないのか。
(答弁)
 条件付採用期間は、教育公務員特例法で1年と定められており、変更することはできないが、校長の評価に基づいて適正な任用に努めてまいりたい。

(その他の議論)
 ・児童生徒のパソコン利用状況や刃物の取扱い
 ・県立学校の数値目標
 ・学校における禁煙の実施
 ・市町村教委と県教委のあり方
 ・児童生徒の安全確保