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平成19年12月

1.総務企画部会長報告 (明比 昭治 部会長)

1)職員の育児休業等に関する条例等について
(質問)
今回の制度改正の主なポイントは何か。また、新たな制度の職員への周知はどのようにしているのか。
(答弁)
現行の主な子育て支援制度としては、3歳まで育児のため休業できる「育児休業制度」や、1日のうち2時間まで休業できる「部分休業制度」などがある。
 今回の改正により、新たに「育児のための短時間勤務制度」が創設され、子供が小学校に就学するまで、例えば、半日だけ仕事をして、残り半日は育児のために休業するという勤務形態が可能となるほか、これまで3歳までが対象となっていた「部分休業制度」についても、小学校に就学するまで取得できることとなり、子育てをする職員の働き方の選択肢が広がることになる。
 また、新たな制度の職員への周知については、主管課長会議や庁内LANなどを利用しているほか、新規採用職員に対しては、新採研修などで徹底している。

2)過疎対策について
(質問)
 県内の過疎地域の現況はどうか。また、現行の過疎地域自立促進特別措置法は平成22年3月で失効するが、新しい過疎法の制定に向け、どう対応していくのか。
(答弁)
 本県の過疎関係市町は17市町で、県土面積の60.2%、人口では24.1%を占めている。
 過疎地域では、少子・高齢化、人口減少に伴い、限界集落の増加、地域産業の衰退、公共交通の縮小や医師不足など新たな問題も発生しており、引き続き国家的課題として法律に基づく振興策を講じていく必要があると考えている。
 一方、過疎法はいわゆる議員立法であるが、現行法下での支援措置が継続されるかどうか大変心配な状況にあることから、知事自身も全国知事会過疎対策特別委員会の委員として現行法失効後の対応検討に参画しているほか、中四国9県が連携して協議を進めており、新過疎法の制定に向けて積極的に取り組んでいきたい。
 特に、限界集落対策については、喫緊の重要課題と認識しており、過疎関係市町で構成する県過疎地域自立促進協議会と連携して、現状把握や必要な施策を調査・研究し、新過疎法に盛り込まれるよう提案していきたい。

3)松山空港国際線の利用状況等について
(質問)
 去る11月30日には上海線が欠航になったと聞くが、松山―上海線の利用状況はどうか。また、路線の維持について、どう取り組んでいくのか。
(答弁)
 今年度の利用状況は、10月末時点で平均搭乗率が56%、利用者数は1万693人で、前年度に比べ約1割の減少となっており、11月以降も厳しい状況であった。
このため、緊急対策ツアーやモニターツアーの造成、県内主要団体・中国進出企業等への要請など、県全体で緊急利用促進に取り組んでいるところであり、機材小型化の影響もあり、12月は60%を超える搭乗率が維持できる見込みである。
 また、11月から、地方空港の日中航空協定による旅客輸送量の総量規制が撤廃・自由化され、今後は中国東方航空側の判断により増便が可能となることから、当面は、利用促進に傾注し、利用状況の回復を待って、多種多様な旅行商品の造成やビジネス客の利便性向上につながる週3便化の要望を行っていきたい。
(要望) 団塊世代を受け入れることは、高齢化に拍車をかけることになるのではないか。行政として、長期的な視点も考慮し、取り組みを進めてほしい。

(その他の意見)
 ・市町村合併に伴う市町職員の給与調整
 ・行政評価システムへの外部評価の導入
 ・愛媛県「三浦保」愛基金条例

2.環境保健福祉部会長報告 (白石 徹 部会長)

1)タミフルについて
(質問)
 新型インフルエンザの備蓄薬をタミフルに決めた理由は何か、また、タミフルについての安全性はどうか。
(答弁)
 抗インフルエンザウイルス薬にはほかにもリレンザなどがあるが、タミフルは有効期間や形状、製造量などが備蓄に適しており、WHOも推奨していることから、新型インフルエンザの備蓄薬をタミフルとした。
 また、厚生労働省は、タミフルについて、服用後に異常行動が出現する事例があるとして、通常のインフルエンザに対しては、重症例を除いて10歳代への使用を控えるよう通達を出しているが、例年、全人口の約10%がインフルエンザに罹患し、数百人から多い年で千人を超える方が亡くなっており、特に、5歳未満では100〜300人程度のインフルエンザ脳症が発生し、3分の1が死亡、さらに3分の1が重症の後遺症を残すと言われていることから、効果と副作用を比較して、効果が上回る場合には使用することもある。

2)療養病床再編について
(質問)
 療養病床の再編に伴い、療養病床はどのくらい削減されるのか、また、患者の受け皿として老人保健施設等介護保険施設への転換が求められているが、そのためにどのような支援を行っていくのか。
(答弁)
 現在、療養病床の再編計画を含む地域ケア体制整備構想を検討中であるが、平成19年4月1日現在、医療療養病床と介護療養病床、合わせて6,362床の療養病床のうち、2,997床を介護施設などに転換し、残りの3,365床を医療療養病床として継続する計画を、愛媛県高齢者福祉計画等推進委員会に素案として提示した。
 転換を円滑に進めるための支援策として国は、介護療養病床を介護保険施設に転換する場合には、その整備に要する経費に対して1床当たり100万円の交付金を市町村に交付することとしており、また、医療療養病床から介護保険施設に転換する場合には、平成20年度から新たに、整備費を補助することとなる。
 なお、療養病床の再編については、病院の療養病床が介護保険施設として機能していくということで、患者の追い出しや、介護難民などが発生しないよう円滑に転換してまいりたい。

3)伊方原子力発電所の耐震安全性について
(質問)
 伊方原子力発電所の耐震安全性について、今後、県はどのように確認していくのか。
(答弁)
 伊方原子力発電所の耐震安全性については、事業者である四国電力が詳細な調査を実施し、規制する国が確認をして評価をするという体系の中で、両者がその役割をしっかり果たしているかを確認することが、重要であると考えている。
 具体的には、四国電力に対しては、立ち入り調査などを行って、指導監督をしていくこと、それから国に対しては、県民の目線に立って県民の安全・安心を守るために必要な要請をしていくことが、県の役割であると考えている。
 なお、四国電力は、伊方3号機について来年3月末までに耐震安全性評価結果を国に提出することになっていることから、県もその結果について伊方原子力発電所環境安全管理委員会において確認することとしている。
 このように、耐震安全性を含む、原子力発電に関するさまざまな安全の問題については、この公開の場でしっかり審議をしてまいりたい。

(その他の意見)
 ・今般の薬害肝炎対策
 ・後期高齢者医療制度
 ・妊婦健診
 ・資源循環促進税
 ・県内の消防体制の強化

3.農林水産部会長報告 (河野 忠康 部会長)

1)本年産温州みかんの価格動向について
(質問)
 今年は、温州みかんの表年に当たるが、価格の現状と今後の見通しはどうか。
(答弁)
 当初好調であった温州みかんの価格は、出荷の集中などにより11月に入り低落してきたことから、11月下旬から12月上旬の間の出荷に対し、緊急需給調整特別対策事業が発動され、12月5日時点での京浜市場における愛媛県産の1s当たりの平均単価は、緊急需給調整の発動時11月26日の181円から7円高の188円、全農えひめ扱いの単価は192円から207円となり、価格は持ち直している。
今後は、この緊急需給調整特別対策事業の発動効果や、年末贈答需要の増加が追い風となって農家が満足できる価格となることを期待している。
(要望) 基本的に全国のみかん生産量そのものが多すぎると考えている。販売価格を安定させるためには、需要に見合った適正な生産に誘導することが重要であり、そのためにも、国において適正な生産目標を設定し、守らせていくような施策を講じることを県から働きかける。

2)学校給食への温州みかんの利用促進について
(質問)
 学校給食で温州みかんの利用促進を図る場合の問題点は何か。また、利用目標設定などの具体的な協議を関係機関と行っていくべきであると思うがどうか。
(答弁)
 学校給食への温州みかんの利用拡大については、食育や地産地消の推進にもつながることから、各JAや市町に利用促進を要請してきたところであるが、利用に当たっては、市町によって価格や納入経路が大きく異なっていることなど、様々な要因により進んでいないものと考えている。
 そうした中、利用促進の大きな障害であったみかんの洗浄回数を、本県では原則1回としたほか、厚生労働省においても回数の見直しが行われていることは、利用促進を図る契機になるものと考えており、今後、教育委員会やJA、市町等と具体的な取り組みについて協議を行い、みかんの利用促進を図って参りたい。

3)漁港における津波対策について
(質問)
 東南海・南海地震では、津波により被害の発生が想定されるが、漁港における津波対策の現状と今後の方針はどうか。
(答弁)
 東南海・南海地震による津波に対しては、早急な対策が求められているが、ハード面では、多額の整備費用と多くの時間が必要となるため、津波に対応した施設整備は進んでいない。
このため、当面は人命を第一とした避難路や避難地等のソフト対策を優先的に実施することが重要と考えており、平成19年度からは愛南町において、津波・高潮危機管理対策緊急事業による5カ年計画で、町内の19漁港に対しきめ細かな防災マップの作成支援等を実施している。
今後は、他の市町においても、早期に事業実施に努めるよう助言するとともに、県管理漁港についても、地元市町との調整を図り、早期整備に努める。

(その他の意見)
 ・森林環境税
 ・1.5次産業の現状と取り組み
 ・果樹共済加入促進
 ・グリーン・ツーリズム
 ・認定漁業士のマハタ、クエの養殖状況

4.警察経済部会長報告 (本宮 勇 部会長)

1)県立病院看護職員の育児休業等の現状と対策について
(質問)
 県立病院看護職員の産休・育休の取得状況はどうか。また、産休・育休者の代替職員の確保において、どのような対策を講じているか。
(答弁)
 看護職員の産休・育休取得者は、平成11年度は70人程度であったが、14年度に育児休業の取得期間が延びたことにより、18年度は113人と大幅に増加している。
 また、この代替職員については、看護師免許を有する臨時職員の確保が困難なことから、14年度以降、定数とは別に産休・育休対応の採用枠を設け、正規職員を採用しており、産休・育休者の増加に伴い、19年度は52人の産休・育休枠を確保し対応している。
今回の育児休業制度の改正により、育児と仕事の両立が容易になることから、県立病院の看護職員確保においてメリットがあるものと期待している。

2)「安全・安心メールマガジン」などによる情報の発信について
(質問)
 児童への声かけなどの不審者情報を、メールで流すという制度があるが、その運用状況などはどうか。
(答弁)
 県警では昨年の10月から児童への声かけ事案などの不審者情報をホームページに掲載して、住民の防犯に役立ててもらっている。
 これをより多くの住民に知らせるため、本年8月から、あらかじめ登録した携帯電話や、パソコンに情報をメール配信する「安全・安心メールマガジン」の運用を開始し、11月末現在720人の利用がある。
メールで配信する情報は、児童への声かけ事案、子供や女性が被害となった事案などのホームページに新規登録した不審者情報であり、被害防止に役立ててもらうため、新規登録した翌日の午前9時に配信している。

3)東京アンテナショップの成果等について
(質問)
 東京アンテナショップの経営は順調と聞いているが売上状況はどうか。また、アンテナショップは売上だけでなく、業者への情報提供などにより、愛媛の物産の販路が拡大されることが重要であると思うが、その効果はどうか。
(答弁)
 東京アンテナショップでは年々売上額が上昇し、平成18年度には特産品ショップが約2億5,900万円で前年度比17.4%増、レストランが約1億9,500万円で前年度比10.4%増となっている。今年度の売上も11月末現在で、平均して前年同期を約6%上回り、順調に推移している。
また、県内納品業者にアンケート調査を実施したところ、7割の業者が出展により具体的な成果があったとして、東京での商品の知名度が上がった、販売量が増えたなどの回答が寄せられており、売上効果とともに消費者の声を直接聴ける機会として好評を博している。
さらに、首都圏における本県の観光物産情報の発信拠点として認知されており、テレビ等で取り上げられる機会が増え、店舗の知名度アップとともに観光を含めた本県の情報発信の場となっている。

(その他の意見)
 ・愛媛PET−CTセンターの利用状況
 ・猟銃等保管の徹底指導
 ・交通死亡事故アンダー100達成に向けた対策
 ・原油価格高騰に関する中小企業支援

5.建設部会長報告 (戒能 潤之介 部会長)

1)土木建設事業の負担金について
(質問)
 過去に負担金が廃止されていた時期もあるが、県と同様に各市町の財政状況も厳しい中、建設費の一部を負担することについて、各市町の意向はどうか。
また、生活道路は、県内でも都市部よりも農村や過疎地域で遅れている現状もあるが、今後の財政状況や道路特定財源の問題も踏まえて、県としてどう考えているのか。
(答弁)
 市町負担金は受益の度合いに応じた公平性の確保や、立ち遅れている社会資本整備の促進といった観点から、地方財政法第27条に基づき市町にお願いしているものであり、現在、これに対して市町からの特段の意見はないこと、及び本県では、道路整備率が全国と比べて10ポイント程度遅れている現状も踏まえ、財源を確保したうえで、住民からの要望への対応や、安全・安心の確保といった観点から、選択と集中を基本にして、社会資本整備に取り組んでまいりたい。

2)JR松山駅付近連続立体交差事業と松山外環状道路事業について
(質問)
 先般、知事の定例記者会見で、両事業が目標としている平成29年度の国体開催時期に間に合わないとの発言があったが、今後の進め方はどうか。
(答弁)
 JR松山駅付近連続立体交差事業は、踏切による渋滞の解消、県都の玄関口としてのイメージアップ、さらには、駅周辺のまちづくりに欠くことのできない重要な事業と考えており、今後は、厳しい財政状況を踏まえ、財政構造改革期間中は調査設計等を基本に、国体までに何らかの事業効果が発揮できるよう、財政的に無理のない計画で進めるとともに、事業実施にあたっては、関係機関と調整を図りながら、コスト削減に取り組むなど、効果的かつ効率的な事業の推進に努めたい。
また、松山外環状道路事業は、松山都市圏の渋滞緩和はもとより、交通拠点へのアクセス向上、さらには松山空港の利用促進にとって極めて重要な道路と考えており、国道56号から空港間については、国体開催までの事業全体の完成は難しいとしても、松山インターチェンジから松山空港へのアクセスを改善するため、今後は、国、県、市で協議調整を図りながら、具体的な整備方法等について総合的に検討を行い、側道部分の先行整備など、工夫をしながら、何とか国体までに空港につなげて、事業効果が発揮できるよう取り組みたい。

3)設計単価の見直しについて
(質問)
 県では、設計単価の見直しを4月と10月に実施しているが、最近の原油の高騰により重機の燃料や、舗装資材などの建設資材が高騰し、請負業者を圧迫しており、請負金額の変更等はできないのか。
また、国は毎月単価を変えているが、県でも毎月調査して、単価改正を行うべきではないのか。
(答弁)
 資材単価が急激に変動した場合に備えて、契約約款にスライド条項を設けており、当初設計時の単価と工事期間中の変動平均単価の差で算出した、直接工事費の差額が請負代金額の1%を超えた場合をスライドを実施するかどうかの判断基準の一つの目安と考えているが、今回試算した結果では基準を満たさないことから、現時点ではスライドを実施する状況にはなく、今後の単価変動に注視したい。
また、単価の改正時期については、単価調査の費用も必要となることから、毎月の改正は難しいが、年2回の改正時期にこだわらず、今後の価格変動を見極めながら検討していきたい。

(その他の意見)
 ・今治新都市開発整備事業の進捗状況
 ・入札・契約制度の改善
 ・県工事における暴力団排除対策

6.文教部会長報告 (赤松 泰伸 部会長)

1)松山盲学校の松山聾学校への移転・統合問題について
(質問)
 先般、松山盲学校において、保護者等との意見交換会を行ったと聞くが、どのような意見が出たのか、これらの意見をどう受け止めているのか、今後の方向性はどうか。
(答弁)
 松山盲学校では、再編整備検討委員会の報告書の内容や考え方などの説明を行い、意見を伺ったが、視覚障害教育の「専門性の維持」についての意見はなかった。保護者等からは、障害者は新しい環境に慣れるのに時間がかかる、他の障害を理解する余力がない、また移転・統合先の松山聾学校周辺の環境整備についても不安があるなどの意見や心情が出され、生徒や保護者の不安を改めて認識したところである。
県教育委員会としては、最初から移転・統合ありきという考えでなく、今後、松山聾学校でも意見交換会を行う予定であり、これらの意見も踏まえ、今後の方向性を検討していきたい。

2)競技力向上対策事業費補助金問題について
(質問)
 この問題に関する県教委と県体協の一連の対応により方向性はみえてきたが、各競技団体が県民に向けて説明責任を果たすことが必要ではないかと思うがどうか。
(答弁)
 各競技団体が公に説明する機会はなかったが、各競技団体からは、本年6月に、会計区分の明確化、複数のチェック等、補助金執行体制の改善とあわせて「反省」を約束した顛末書が提出されている。
また、7月に開催された本補助金の研修会においても、全競技団体が再発防止の決意を表明し、改めて適正執行の申合せを行うとともに、実績確認のヒアリングの中でも、全員が深く反省している。
県教育委員会においても、再発防止に万全を期す観点から、これまでの県体育協会を通じた間接的な補助から、競技団体を指導しながら、直接執行する方式に変更することを考えており、今後は、この新たな方方式のもと、二度とこのような問題を起こさないよう関係者一同が厳しく反省し、県民の皆様方の信頼の回復に全力で取り組んでまいりたい。
(要望)
 今後、しっかり県教委と県体協が連携を密にして競技団体のために頑張ってほしい。

3)学校の安全対策について
(質問)
 地域ぐるみで学校安全に取り組んでいると思うが、学校安全体制の進捗状況はどうか。
また、学校における不審者防止対策はどうか。
(答弁)
 地域ぐるみの学校安全体制については、小中学校区単位での「見守り隊」の組織率は100%であり、今後は活動内容の充実を支援していきたい。
 学校における不審者防止対策については、「学校安全の手引き」を作成し、学校安全計画を立てて、校門の閉鎖や緊急時の対応など体制整備に努めている。

(その他の意見)
 ・35人学級にかかる教員数
 ・教員採用試験の結果
 ・高校卒業予定者の就職内定状況
 ・特別支援学校における就労支援策
 ・子どもの体力の現状と向上対策