トップ > 部会長報告 > 平成23年12月

平成23年12月

1.総務企画部会長報告 (泉 圭一 部会長)

1)県と市町の連携について
(質問)
 合併による様々な問題解決を図っていかなければならない状況を踏まえ、将来的にどのように県と市町の連携を図っていこうと考えているのか。
(答弁)
 本年2月に県・市町連携政策会議を立ち上げ、市町と様々な議論をするとともに、合併後のまちづくりについても市町からの相談に応じている。
 最近では、問題が複雑化し、担当課がはっきりしない、担当部局が横断的であるなどの理由により、県に相談しにくいという声も聞かれることから、市町振興課と地方局地域政策課の職員が、市町支援担当職員として市町ごとの担当となり、これまで以上に互いに顔の見える関係を築くとともに、県側から現場へ積極的に出かけていって問題を把握し、一緒になって課題解決に取り組んでいきたいと考えている。
 また、市町サポート電子掲示板を開設し、市町共通の課題やその解決策について、県や市町の職員が自由に意見交換したり、他の市町での事例を共有することで、きめ細かなサポートに努めていきたい。

2)第四次高度情報化計画について
(質問)
 第四次高度情報化計画を策定中と聞いているが、厳しい財政状況の下、これまでの計画をどう評価し、今後どのように進めていくのか。
(答弁)
 県では平成12年を高度情報化元年と位置付け、これまで三次にわたる計画を策定し取り組んできた結果、ブロードバンドなどの地域の情報通信基盤の整備はほぼ目標を達成したものの、整備した基盤の利活用促進が課題となっている。
 このため、今回の計画では、便利で安全・安心な地域づくり、地域産業の育成と愛媛の強みの発信、県民本位の効率的な電子行政の実現という3つの基本方針の下に、防災対策の強化といった、緊急性・重要性の高い分野の高度情報化などに取り組んでいきたい。

3)第50回愛媛マラソンについて
(質問)
 今回、どのような理由で補助が必要になったのか、また、参加できなかった多くの方々の思いをどう受け止めているのか。
(答弁)
 改革後3回目となる今回の愛媛マラソンは、第50回の記念大会として、昨年の5千名から7千名に規模を拡大するとともに、ゲストランナーの充実等を図り、自立運営に向けて取り組んだものの、大会運営がなお厳しいことから助成することとした。
 また、実行委員会では、できる限り混乱を回避するよう、申込方法の改善を検討しているが、県としては、実行委員会に対し、応募者が納得できる方法とするとともに、今後の規模拡大についても検討するよう申し入れている。

(その他の議論)
 ・定員の適正化
 ・職員住宅・独身寮の売却
 ・県庁本庁舎の耐震化
 ・職員のメンタルヘルス対策
 ・松山空港の路線
 ・愛媛国体の開催
 ・サイバー攻撃及び情報セキュリティ対策

2.環境保健福祉部会長報告 (住田 省三 部会長)

1)伊方原子力発電所の安全対策について
(質問)
 四国電力において、伊方原子力発電所の安全対策が一部前倒しされているようであるが、県から四国電力に対し、今後も引き続き前倒しするよう要請をお願いしたいがどうか。
 また、伊方2号機の高経年化対応策はどうなっているのか。
(答弁)
 四国電力は、すでに措置されている短期的な対策で基本的な安全対策はとられているとしているが、今後も中長期的対策について、前倒しに努めるとしており、県としても信頼性を高める点から引き続き早期実施を要請していく。
 また、伊方2号機は来年3月に30年を迎えるため、本年3月に高経年化技術評価書を国へ提出し、現在、国において審査が行われており、県においても、伊方原発環境安全管理委員会及び技術専門部会において、四国電力から評価内容を聴取するとともに、引き続き審議していくこととしている。
 先行した1号機で腐食、疲労、割れに対する対応、中性子を浴び続けることによる脆化への対応の知見が得られており、2号機では既に対策等がとられている。
 国からの審査結果が出た後、伊方原発環境安全管理委員会において審議いただきたいと考えている。

2)新しい公共支援事業の取り組みについて
(質問)
 県では、これまで、助け合い支え合いの仕組みづくりに取り組まれてきたが、本年度からその一環として実施している新しい公共支援事業に、どのように取り組んでいるのか。
(答弁)
 県では、これまで「愛と心のネットワークづくり」に取り組み、助け合い支え合いの地域社会づくりに努めてきたところである。
 平成23年度からは、この取組みと共通の基盤に立って、国の交付金を活用した新しい公共支援事業により、NPO・ボランティア団体、地縁組織、教育機関、企業など多様な主体が取り組む地域課題解決に向けた事業を支援するとともに、NPO等の活動基盤の強化を図ることとしている。
県としては、新しい公共支援事業での取組みを通じて、県下一円で多様な主体が協働して地域課題の解決に取り組む体制を構築していくとともに、本事業終了後も地域の住民が主体的で自立的な共助の仕組みづくりが図られるよう、また、県民一人ひとりに居場所と出番と役割がある「協働による地域社会づくり」に取り組んでいきたい。

3)地域医療再生基金関係予算について
(質問)
 今回計上している地域医療再生基金関係予算について、詳細はどうか。
(答弁)
 地域医療再生基金が拡充されたことを受け、全県的な視点で医療提供体制の充実を図るため、三次救急医療、がん対策など5本の施策を盛り込んだ基金枠35億円の計画を取りまとめ、6月に国に提出した。
今回の基金は、各県一律の基礎額15億円に国の評価等に応じた加算額が配分される仕組みとなっており、9月補正予算では、確実に配分される基礎額に対応する積立金及び事業について計上したが、その後国から加算額を含めた総額25億8,497万円の配分が内示されたため、計画を見直し、11月に国へ再提出した。
12月補正予算案では、加算額分の基金造成と、早期に着手する必要がある「がん患者・家族総合支援センター(仮称)施設整備事業費」を盛り込んだところであり、残りの事業については、来年度当初予算以降、予算化を検討したい。

(その他の議論)
 ・防災対策への被災地派遣職員の知見の活用
 ・若い世代へのDV防止の啓発
 ・えひめ愛顔の助け合い基金事業
 ・国の交付金により造成した基金事業の動向

3.農林水産部会長報告 (高山 康人 部会長)

1)温州みかんの販売状況について
(質問)
 今年のみかんは雨量が多かったため、やや大玉で浮皮も多いと聞いているが、今年の温州みかんの生産と販売状況はどうか。
(答弁)
 平成23年産の温州みかんは、表年傾向であったが、梅雨明け後の高温等の影響で生理落果が多くみられ、その結果、農業団体による本県の生産見込みは、10月1日時点で平成22年比113%、約12万5千トンであり、直近の表年の平成21年産と比較すると83%と少ない予想となっている。
また、12月からは本県を代表する品種の一つである南柑20号も加わり、年末にかけ販売のヤマ場を迎えるが、京浜市場の状況は、近年の表年と比べ入荷量が少なく推移しており、品質も良いことから、11月下旬までの平均価格は、平成22年比85%、平成21年比124%のキロ当たり217円となっており、近年の表年としては最高値となっている。

2)放置森林対策について
(質問)
 放置森林対策を継続していくことは、森林を次世代につなげる社会的意義からも重要であると考えるが、これまでの取り組み実績と、今後の長期的な視点での対策をどのように考えているか。
(答弁)
 放置森林対策は、平成14年度から実施しており、今年度が最終年度となっている。この事業は、財団法人愛媛の森林(もり)基金が所有者から森林管理を受託し、森林整備を行うもので、今年度で、計画面積の4,800haを超える4,900haの実績となる見込みである。
しかし、未だ放置された森林が多数あることから、ダム上流域等のまとまった水源林を対象に、県下3箇所において、放置森林整備を行うこととしている。
なお、今年度は境界の確定や森林調査を行っており、24年度から26年度までの間に、毎年200haの間伐を実施することとしている。今後とも引き続き、放置森林対策も含めて森林整備に取り組んでいきたい。

3)養殖ハマチの価格動向と低魚粉飼料の開発状況について
(質問)
 日本海の寒ブリが豊漁であり、南予の養殖ハマチへの影響を危惧しているが、年末商戦に向けての価格動向はどうか。
 また、6月補正予算で計上した低魚粉飼料の開発状況とその成果はどうか。
(答弁)
 養殖ハマチの浜値については、現在、キロ当たり550円〜600円で推移しているが、天然ブリの豊漁により、養殖ハマチの需要は少ない状況である。
なお、本県の養殖ハマチの出荷は、年末から年明けの1月頃が本格的な出荷となるため、今後の状況を見守っているところである。
 また、低魚粉飼料の開発状況については、マダイ養殖は餌代が生産経費全体の約65%を占めており、餌代を抑えるため、県では、植物性タンパク質であるトウモロコシなどを混ぜることにより、魚粉の配合率を25%に低減させた飼料を開発している。
この飼料を用いた飼育試験では、現在のところ成長は良好であり、9月14日には、市町、養殖業者、飼料メーカーによる中間報告会を開催し、試験結果と今後の取組みについての意見交換を行った。県としては、中間報告会での意見を参考にし、引き続き開発に取り組んでいきたい。

(その他の議論)
 ・食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画
 ・鳥獣害対策
 ・木材のトップセールス
 ・葉たばこの廃作に対する支援
 ・福島第一原発事故による原木乾しいたけの風評被害

4.経済企業部会長報告 (黒川 洋介 部会長)

1)TPP参加による県内経済への影響について
(質問)
 TPPへの参加は、国民生活全般に影響を及ぼすものと思うが、本県経済への影響についてはどう把握しているのかと。
(答弁)
 TPPは日本経済に大きく影響を及ぼす重大な課題であるが、国から十分な情報提供がない現状において、本県経済への影響については、数字で示すのは困難であると考えている。
11月下旬に県が実施した県内企業・団体へのアンケート調査では、約4割強がTPP参加により好影響とし、悪影響は約16%に止まっているものの、参加の必要性については約3割が必要、約5割強が不明と回答するなど、国際取引拡大への期待感がある一方で、国からの情報提供が不十分なこともあり、県内企業も、その影響について十分な見通しを立てられない状況が窺える。
いずれにしても、今後、国際競争が激化していくことは間違いなく、県としては、国の動向やTPP交渉を巡る動きなどを注視しながら、これまで以上に、県内企業の貿易面での支援、競争力ある商品開発や海外販路開拓などの支援に積極的に取り組んでいきたい。

2)松山空港国際線の出入国手続きについて
(質問)
 11月に運航された台湾チャーター便では、松山空港税関での出入国手続きに混乱が生じたが、県で状況を把握しているのか。
(答弁)
 11月3日の台湾チャーター便の運航に際し、台湾と松山からの出入国者数が、通常を大きく上回り出入国審査に時間を要し、乗客に不快な思いを残す結果となった。
このような事態は、海外からの訪日客の誘致に取り組んでいる我が国の評価を低下させることから、直ちに、担当の部局と連携し、国に、速やかな入国手続き等が行われるよう迅速かつ適切な対応を要請した。
その結果、11月6日のチャーター便では、高松入国管理局から応援の職員が派遣され、出入国審査時間の改善が図られた。
今後とも、国等との連絡を密にして、今回のような事態が生じないよう努めたい。

3)今治地域における脳梗塞t−PAホットラインについて
(質問)
 昨年4月に、今治地域において、脳梗塞患者に救急対応するt−PAホットラインを立ち上げているが、その経緯と実績及び現在の運用状況はどうかとただしたのであります。
(答弁)
 t−PA治療は、血栓を溶かす薬であるt−PAを脳梗塞発症から3時間以内に投与し、脳の血流を速やかに再開させる治療法である。
この治療は、従来から県立今治病院等で実施していたが、発症後3時間以内に投薬する必要があることから、今治病院を含む今治地域の3病院と今治市消防本部が連携し、通常の救急医療体制とは別に、脳梗塞患者を迅速に搬送し、受け入れる脳梗塞専用の救急体制を構築するに至ったものである。
 昨年4月の立ち上げから本年11月末までの実績は、全搬送件数173件、うち今治病院への搬送が68件で、そのうちt−PA治療を実施した症例は6件であった。
 また、旧東予市、旧丹原町、旧小松町の西条市西部地域は、t−PA治療を行える医療機関がなかったため、西条市消防本部からの要請を受けて、対象エリアに加えることとし、12月の試験運用の後、来年1月から本格実施に移行する予定である。

(その他の議論)
 ・電力需給
 ・愛媛県物産観光センター
 ・EV開発プロジェクト
 ・医療事故の再発防止
 ・発電施設の耐震性

5.建設部会長報告 (鈴木 俊広 部会長)

1)公共土木施設災害の復旧への取り組み状況及び復旧方法について
(質問)
 災害の発生状況及び工事の発注状況はどうか。
 また、河川の背後の農地が一緒に被災している場合、農地も合わせて河川工事で復旧できないか。
(答弁)
 今年の公共土木施設災害は、県・市町合計で545件、約52億2千万円の被害が報告されており、現在の工事の発注件数は、国の災害査定を受けた件数の2割程度である。また、全体件数の7割を占める9月の台風12号、15号による被害箇所は、先月中旬に査定を受けたところで、これから本格的な発注となる。
災害復旧の方法は、原形どおり復旧することが基本であり、護岸の部分は河川管理者が復旧し、背後の農地は農林災害で復旧することになるが、護岸工事の掘削に伴い背後の農地に影響が出る場合等は、河川管理者で対応するよう配慮している。

2)「大洲・八幡浜自動車道」のうち事業化区間の完成供用時期について
(質問)
 先日、行政代執行が行われた「名坂道路」及び今議会に千丈トンネル建設工事請負の議案が上程されている「八幡浜道路」の完成供用の見込みはどうか。
(答弁)
 「名坂道路」の行政代執行により引渡しを受けた土地は、八幡浜インターチェンジのランプ部であり、今月中に切土等の土工や擁壁工、アンカー工等の工事を発注し、さらに年度末には舗装工や交通安全施設等の残工事を全て発注することとしており、完成供用は、平成24年度末の予定である。
また、「八幡浜道路」については、「千丈トンネル建設工事」は平成27年度に完成する予定であるが、八幡浜道路の供用のためには、残る「松柏トンネル」や「郷高架橋」等の大型構造物を順次建設していく必要があり、完成供用は、平成30年代前半となる見込みである。

3)松山外環状道路の進捗状況、完成供用の見通しについて
(質問)
 松山外環状道路インター線及び空港線の進捗状況と完成供用の見通しはどうか。
(答弁)
 インター線4.8qにおける用地取得率は、面積ベースで約99.5%で、取得部分のほぼ全区間で工事に着手している。
 空港線3.8qについては、現在、国道56号から県道松山松前伊予線までの区間で用地交渉を行っており、この区間の用地取得率は約22.3%で、これは空港線全体の2.1%である。また、その他の区間では、来年度の用地買収に向け、設計協議等を実施している。
インター線の供用見通しについては、国では、平成28年度以降の完成供用を目標としているが、県としては、平成29年の愛媛国体開催までに間に合わせたいと考えている。
空港線の供用見通しについては、国体までの全体完成が難しいとしても、松山自動車道の松山ICから空港間の円滑な交通の確保に向け、整備を進める。
県としては、引き続き、国に対し、整備促進と事業費確保を強く要望していきたい。

(その他の議論)
 ・国の第三次補正予算に係る防災対策事業
 ・宇和島道路(津島高田〜岩松)の開通時期
 ・今治新都市開発整備事業の中核施設
 ・県営住宅砥部団地建替事業

6.文教警察部会長報告 (徳永 繁樹 部会長)

1)高校生の就職状況について
(質問)
 特別支援学校を含め、県内高校の来春卒業予定者の就職内定状況はどうか。また、昨年度、未就職のまま卒業した生徒に対して、卒業後、どのような支援を行っているのか。
(答弁)
 特別支援学校生の就職活動は、例年1月から2月くらいの時期となるため、内定状況は、把握できていない。
 一方、県立高等学校の平成24年3月卒業予定者は9,915人で、就職希望者は2,144人となっている。そのうち、11月末現在の就職内定者は、1,665人で内定率は77.7%となっており、昨年同期の76.2%と比べて、1.5ポイント上回っている。
 これは、厳しい就職環境の中、危機感をもって、求人開拓や就職支援に御尽力いただいている関係各位、また求人をお寄せいただいた事業所等のおかげであると感謝している。
 また、今春、就職が決まらないまま卒業した43人の生徒のうち、8月末現在、23人が未就職となっているが、引き続き学校が相談に乗るなど、就職決定を目指して支援を行っている。

2)空き教室の利用について
(質問)
 児童生徒数が減少し、学校の統廃合も進んでおり、空いた施設をいろいろな形で利用していると思うが、学校の空き教室の利用状況はどうか。
(答弁)
 平成21年5月の文部科学省の統計「余裕教室実態調査状況調」によると、県内の小学校152校582教室、中学校75校354教室が余裕教室となっている。
その利用実態としては、936教室のうち、94%強の882教室が学校施設に活用されており、学習方法・指導方法の多様化に対応した「学習活動のためのスペース」、教室相談室やランチルームといった「児童・生徒の生活・交流等のためのスペース」として利用されている。
 なお、数は少ないが、放課後子ども教室等において活用されているほか、社会福祉施設に転用されているものもある。
 学校は地域にとって身近な施設であるので、地域の要望を踏まえ有効に活用するよう支援していきたい。

3)自転車の交通事故防止対策について
(質問)
 自転車の安全利用が注目されているが、今年の自転車が関係する交通事故の発生状況や防止対策はどうか。
(答弁)
 本年11月末現在、自転車が関連する交通事故は、発生件数が1,262件で前年比11件増、死者数8人で前年比5人減、傷者数1,224人で前年比8人増となっており、交通事故全体の約17%を占めている。
 県警では、自転車シミュレーターの活用や関係団体との連携による交通安全教室を実施するなど、効果的な交通安全教育に努めている。
 また、自転車の交通違反に対しては、11月末現在、ピスト自転車等悪質・危険な違反を17件検挙したほか、アラームカードを6,771件交付するなど、自転車の指導取締りも強化している。
 今後も自転車事故の防止に向けて、教育機関や関係団体等との連携を図りながら、各種事故防止対策を推進する。

(その他の議論)
 ・文化財保護の取組み
 ・高校生の各種コンテストの活躍
 ・地域警察官による犯罪検挙
 ・高齢者等を狙った利殖勧誘事件